「0歳・1歳・2歳でASD(自閉スペクトラム症)が気になるかも…」「ことばや目線、遊び方に少し違和感がある」――そんな不安を抱える保護者さまは少なくありません。0〜2歳は発達の個人差がとても大きい一方で、日々の関わりが“コミュニケーションや安心の土台”を育てる大切な時期でもあります。
ASDは“治す・直す”というより、その子らしい育ちを支え、困りごとを減らすための環境や関わりを整えていく考え方が中心です。日本では早期の発達支援を「療育」と呼び、医療・行政・児童発達支援事業所などと連携しながら、お子さまの発達を支える仕組みが整えられています。
本ページでは、児童発達支援事業所の視点から、0歳・1歳・2歳のASDに関連して気になりやすいポイントと、家庭でも無理なく取り入れられる早期にできる関わり・療育的な工夫をわかりやすくまとめます。
INDEX
「ASDかもしれない」と感じると、診断や将来への不安が一気に強くなります。まずは、0〜2歳のASDにまつわる基本的な考え方を整理しておくと、必要以上に自分を追い込みにくくなります。
この時期は発達の幅が大きく、ASDの特性と似た様子が一時的に見られることもあります。だからこそ、早い段階で大切なのは「断定」ではなく、お子さまの特性に合わせた関わり方を整えることです。
ASDの早期サインとしては、視線やジェスチャー、呼びかけへの反応、遊びの広がり方などに“らしさ”が見られる場合があります。たとえば、18か月で指さしが少ないなどの特徴が早期の気づきにつながることがあります。
療育的な関わりは、スキルを急いで伸ばすためだけのものではありません。安心・予測・やりとりの心地よさを丁寧に積み上げることが、結果的にことばや社会性の土台になっていきます。
0歳・1歳・2歳の発達を見守るときは、「できる/できない」だけでなく、反応の質や“増え方”に目を向けるのがポイントです。
名前を呼んだときの反応、視線が合う瞬間、表情のやりとりなどは、社会的なコミュニケーションの芽に関わる大切な手がかりです。研究でも、12か月時点の社会的ジェスチャーの少なさなどが早期の気づきに関連する可能性が示されています。
大人の動きや遊びの真似が増える時期です。真似の回数や、同じ遊びを“交代しながら”楽しめるかなど、やりとりの往復を観察してみましょう。
2歳頃は、指さしや簡単なごっこ遊びが増えやすい時期です。たとえば、18か月で興味のあるものを指さして示さないなどは、早期の気づきの一つとして参考にされることがあります。
児童発達支援事業所での療育と同じくらい、日常の中の関わりが大きな力になります。ここでは、0〜2歳のASDが気になるときに、家庭で取り入れやすい基本の関わり方を紹介します。
子どもの行動や視線をよく見て、少し待ち、反応があればすぐ返す。この繰り返しが、コミュニケーションの“楽しい感覚”を育てます。
「おいで」「どうぞ」など短い言葉に、指さしや身振りを添えると理解が助けられます。言葉の刺激を増やすより、伝わる形を工夫するイメージです。
睡眠や食事、遊びの流れがある程度見通せると、情緒が安定しやすくなります。毎日完璧でなくても、「いつも同じ順番が少しある」だけで十分に支えになります。
遊びは“訓練”ではなく、安心と成功体験を積み重ねる場です。お子さまが「できた」「楽しい」を感じられる形に調整してみてください。
顔が見える距離で「いないいないばあ」「ゆっくり歌う」など、視覚と聴覚が一緒に働く遊びがおすすめです。短時間でも回数が増えるほど効果的です。
手を叩く、ボールを転がす、積み木を1つ置くなど、簡単な動作の真似から始めましょう。大人が“少し大げさに”やると参加しやすくなります。
「これとこれ、どっちにする?」と選択肢を2つに絞って提示すると、やりとりが生まれやすくなります。言葉で選べなくても、視線や手の動きが立派な意思表示です。
ASDのあるお子さまは、音・光・触感などに敏感だったり、逆に刺激を求めたりすることがあります。0〜2歳のうちは、環境を少し整えるだけでも過ごしやすさが変わります。
大きな音、強い照明、混雑した空間などで落ち着きにくい場合は、刺激を減らせる環境を先に用意してあげましょう。
いきなり砂や粘土ではなく、タオルや水など“安心しやすい感触”からスタートします。道具を使って触れるのも良い入り口です。
家の中に、少し暗めで静かなスペースや、お気に入りのクッション・毛布がある場所を用意すると、切り替えがしやすくなります。
「様子を見たほうがいいのかな」と悩む時期だからこそ、早めに相談できる場所を知っておくと安心です。
18か月・24か月頃の発達確認は重要なタイミングです。健診や小児科で気になる点を共有することで、必要な支援先や関わり方のヒントにつながることがあります。
リスクや発達の遅れが見られる場合、診断の確定を待たずに、家庭での工夫や早期の支援につながることは十分に意味があります。「困りごとが増える前に相談する」ことが、結果的に親子の安心を増やします。
児童発達支援事業所の療育では、お子さまの特性に合わせた関わりや環境調整に加え、保護者さまが家庭で取り入れやすい工夫も一緒に整理していくことが可能です。
0歳・1歳・2歳でASD(自閉スペクトラム症)が気になるとき、いちばん大切なのは「断定」よりも、お子さまの特性に合った関わりや環境を早めに整えていくことです。日常の中の「見て・待って・返す」や、安心できる生活リズム、感覚への配慮は、コミュニケーションや情緒の土台づくりにつながります。
児童発達支援事業所ゆめラボでは、0〜2歳の小さな「気になる」に寄り添いながら、ASDの特性も視野に入れた早期の療育・発達相談を行っています。ご家庭での関わり方に迷ったときや、まず話を聞いてみたいときも大丈夫です。
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