「急に怒り出す」「癇癪を起こすと手がつけられない」「予定が変わるとパニックになる」
そんなお子さまの様子に悩んでいませんか?
子どもの感情コントロールは、発達の過程で学んでいくものです。
特に発達に特性のあるお子さまの場合、その困りごとはより大きく表れることがあります。
このページでは、感情が爆発しやすい子どもに対する支援の考え方や、ご家庭でできる工夫、そして専門的な支援の必要性について詳しく解説します。
INDEX
「さっきまで笑っていたのに、急に泣き出した」「ちょっとしたことで怒り出す」「言葉でうまく伝えられずにかんしゃくを起こしてしまう」
こんな場面に心当たりがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
子どもはまだ感情の扱いに慣れていないため、気持ちをうまくコントロールするのが難しいことがあります。
特に発達の特性があるお子さまの場合、感情コントロールに苦手さが見られることは珍しくありません。
まずは感情コントロールが苦手な子どもたちに見られる3つの特徴をわかりやすくご紹介します。
嬉しいことがあったときは飛び跳ねて喜び、ちょっと嫌なことが起きると泣き叫んだり怒ったりと、感情の波が大きく現れることがあります。
こうした反応は「感情を感じやすい」という感受性の高さから来ていることもあり、決して悪いことではありません。
ただし、自分の気持ちを制御するスキルがまだ育っていないため、感情がそのまま行動に表れてしまいやすいのです。
「急に怒り出す」「急に泣く」という行動も、実は子どもにとっては必死の訴えであることを理解し、安心できる関わりが大切になります。
一度「いやだ」「できない」と感じると、その気持ちからなかなか抜け出せない傾向も見られます。
たとえば、遊びをやめて片付けを始める場面や、予定変更があったときなどにパニックになることがあります。
これは「今の気持ちを引きずる」「次に切り替える」力(自制力や柔軟性)がまだ育っていないことが背景にあります。
大人が「あと〇分でおしまいね」と予告したり、楽しい予定を切り替えのきっかけにしたりといった工夫で、少しずつ練習することができます。
困っている気持ちがあっても、「つらい」「助けてほしい」と言葉にすることができずかんしゃくやパニックという形で現れてしまうこともあります。
特に言葉の発達がゆっくりなお子さまや、感情のラベリング(気持ちに名前をつける)が苦手なお子さまは、自分の状態を周囲に伝える手段がまだ整っていません。
「嫌なのかな?」「困ってるのかな?」と大人が言葉にしてあげることで、子どもが少しずつ自分の感情に気づき、言葉で伝える力を育んでいくことができます。
かんしゃくやパニックが起きやすい子どもに対して、ご家庭でできる対応にはどのような工夫があるのでしょうか。
大切なのは、かんしゃくが起きる前の「予防」、気持ちがあふれたときの「共感」、そして落ち着くための「切り替えサポート」です。
子どもの気持ちを尊重しながら、少しずつ感情との付き合い方を学べるよう支援することが大切です。
子どもは先のことが分からないと、不安から感情が高ぶりやすくなります。
特に予定の変更や予告なしの切り替えに強いストレスを感じる子どもも少なくありません。
そのため1日のスケジュールを絵カードやタイムスケジュール表で視覚的に提示するのが有効です。
例えば「朝ごはん → 着替え → 遊び → お出かけ」のように流れを見せることで、「次に何をするか」「いつ終わるのか」といった不安が軽減され、落ち着いて行動しやすくなります。
また、「あと5分でおしまいだよ」「お片付けしたらおやつだよ」といった予告や見通しの声かけも、感情の爆発を防ぐ大切なポイントです。
小さな子どもや発達の特性がある子どもにとって、自分の気持ちをうまく言葉で伝えるのは簡単ではありません。
「つらい」「くやしい」「かなしい」といった言葉を知らないために、感情を爆発させてしまうこともあります。
そんなときは、大人が子どもの感情を代弁することが有効です。
たとえば「びっくりしたね」「うまくできなくて悔しかったんだね」などと声をかけてあげることで、子どもは自分の気持ちを少しずつ理解し、整理することができるようになります。
このプロセスを繰り返すことで、「あ、これはかなしいっていう気持ちなんだ」と感情に名前をつけられるようになり、自分の気持ちを言葉で伝える力が育っていきます。
感情が高ぶったとき、叱るよりもまず「落ち着く」ことが最優先です。
そのためには、子どもが安心して気持ちをクールダウンできる空間を家庭の中に用意しておくのがおすすめです。
たとえば、静かなコーナーにクッションやぬいぐるみ、好きな絵本やおもちゃを置いて、「ここで少しゆっくりしてもいいんだよ」と伝えるだけでも効果があります。
重要なのは「ここに行きなさい」と強制するのではなく、「落ち着きたいときに使える場所」として、子ども自身が選べるようにしておくことです。
場所の存在そのものが「自分の感情を受け止めてもらえる場所」になり、安心感を育てる一助となります。
感情コントロールに関する支援は、家庭での関わりだけでも効果がある場合もありますが、すべてのケースに当てはまるわけではありません。
「家ではうまくいかない」「これ以上どう対応したらいいか分からない」と感じたときには、早めに専門機関に相談することが大切です。
以下に特に専門的な支援が求められる代表的なケースを詳しくご紹介します。
家庭内だけでなく、保育園や幼稚園といった集団生活の場で「お友達とうまく関われない」「先生の指示が通らない」「パニックになることが多い」といった様子が見られる場合は、発達支援の専門的なサポートが有効です。
例えば「保育園でずっと泣いてしまう」「一つのことに固執して切り替えができない」「集団行動を著しく拒む」などの行動は、環境への適応が難しいことのサインかもしれません。
このような場合、家庭だけで支えようとするのではなく、児童発達支援事業所や専門家の力を借りることで、子どもも保護者も安心して過ごせる環境を整えることができます。
感情のコントロールが難しいだけでなく、「言葉がなかなか出てこない」「同じ行動を繰り返す」「こだわりが強くて生活に支障がある」といった特徴が同時に見られる場合、発達障害の可能性も含めて、専門的なアセスメントが必要になることがあります。
発達の課題は一見しただけでは分かりにくいことも多く、保護者が「個性なのか、支援が必要なのか分からない」と悩まれるケースもあります。
しかし、早期に評価を受けることで、適切な支援につながりやすくなり、子ども自身も過ごしやすくなることが期待できます。
児童発達支援では、発達検査や観察によって子どもの状態を丁寧に把握し、その子に合った療育プランを組み立てることが可能です。
「子どもが毎日かんしゃくを起こす」「一日中気を張って対応していて疲弊している」「叱ってばかりで自分を責めてしまう」
そんな日々が続いている場合、支援が必要なのは子どもだけでなく、保護者自身であるとも言えます。
親子関係は互いの余裕や安心感によって築かれていきます。
保護者が追い詰められた状態では、どれだけ愛情があっても良好な関わりを保つのが難しくなることがあります。
このようなときこそ、第三者に頼ることがとても大切です。
児童発達支援では、子どもへの支援に加え、保護者に対する相談支援やペアレントトレーニング(家庭での関わり方のアドバイス)も行っています。
「つらい」と感じたら、それは支援を受けるサイン。
遠慮せずに相談してみましょう。
癇癪(かんしゃく)やパニックなどの行動は、表面的には「困った行動」に見えるかもしれませんが、その背後には子どもなりの強い感情や伝えたい想いが隠れています。
ゆめラボでは、お子さま一人ひとりの背景や特性を丁寧に読み解きながら、「なぜその行動が起きているのか」「どうすれば気持ちを落ち着けられるのか」を多面的に捉え、総合的な支援につなげています。
ただ怒りを抑えるのではなく、「感情の理解」「表現の練習」「安心できる環境づくり」の3つを柱とし、子ども自身が「気持ちと付き合う力」を育めるようサポートします。
ゆめラボでは感情をうまく理解し、表現する力を育てるために、視覚的・体験的なアプローチを取り入れたプログラムを提供しています。
たとえば、絵カードを用いて「怒っている」「悲しい」「楽しい」などの気持ちを一緒に選びながら感情に名前をつける練習をしたり、シナリオ遊びやロールプレイを通じて「こんなときはどう感じるかな?」「どうすれば気持ちを伝えられるかな?」といった想像と表現の力を育てていきます。
こうした取り組みは単に表現の手段を増やすだけでなく、「自分の気持ちに気づく」「気持ちが落ち着く方法を知る」といった内面的な調整力の育成にもつながります。
感情の支援は教室の中だけで完結するものではありません。
ゆめラボでは、ご家庭での関わり方にも重点を置いた支援を行っており、保護者向けにペアレントトレーニング(家庭支援)を実施しています。
「どんな言葉がけが効果的か」「癇癪が起きたときにどう対応するか」「日常生活の中で予防的にできる工夫は?」といった具体的なテーマに対して、個別面談やワークショップ形式でアドバイスを行っています。
また、同じような悩みを抱える保護者同士の交流の場も設けることで、孤立を感じず安心して子育てに向き合える環境づくりも支援しています
。「家庭で何をすればいいか分からない」という不安を、一緒に整理していく時間を大切にしています。
子どもの困りごとは、ひとつの視点だけでは解決が難しいことも多くあります。
ゆめラボでは多職種連携によるチーム支援を行い、様々な側面から子どもを支える体制を整えています。
たとえば、言語聴覚士(ST)が言葉での表現力やコミュニケーション力の育成をサポートし、作業療法士(OT)が感覚の過敏さ・鈍感さへのアプローチや身体のコントロール力を育てる活動を提供します。
また、公認心理師が心理的な不安や行動の背景を分析しより適切な支援方法を提案します。
こうした専門職が連携して作成する個別支援計画に基づき、目標を明確にしながら一貫性のある支援を実現しています。
必要に応じて医療機関や保育施設との連携も行い、お子さまの発達を「チームで育てていく」ことを大切にしています。
癇癪やパニックが頻繁に起きると、保護者は「このままで大丈夫なのだろうか」と不安を抱えがちです。
でも、今の困りごとは「できないこと」ではなく、「これから一緒に育てていける力」です。
気になるサインがあるときは、早めに相談してみることがお子さまの可能性を広げる第一歩となります。
私たちゆめラボは、子どもとご家庭の「安心」と「前向きな変化」を全力でサポートしています。
ゆめラボでは初めての方からのご相談や、見学のお申し込みを随時受け付けております。
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