お子さまが「順番を待てない」「注意されるとすぐ怒ってしまう」「切り替えがうまくいかない」といった姿に、困り感や不安を抱いていませんか?
発達に特性のある子どもたちにとって、待つ・我慢するという行動は、簡単そうに見えて実はとても高度なスキルです。
児童発達支援事業所ゆめラボでは、こうした課題を抱える子どもたちが安心して挑戦できる環境づくりに力を入れています。
このページでは、「待てない・我慢できない」行動の背景と、それに対して私たちが行っている支援環境づくりについてご紹介します。
INDEX
“待てない・我慢できない”という行動には、それぞれに深い背景があります。
単なる「しつけ不足」や「わがまま」とは異なり、発達特性や脳の働きに関係していることが多いため、根本から理解することが必要です。
「今から何をするのか」「自分はいつ順番がくるのか」がわからないと、子どもは強い不安を抱えます。
この不安が「もう我慢できない!」という行動につながることがあります。
発達段階や特性によっては、自分の中にわき起こった衝動や不快感をうまく処理する力が育っていない場合もあります。
結果として、癇癪や乱暴な言動となって現れるのです。
「最後までやり遂げる」よりも「今すぐ楽しいことをしたい」という気持ちが強く働く子もいます。
こうした傾向は自己コントロール力が発達途中の子どもに多く見られます。
発達特性のある子どもにとって、「待つ」「我慢する」という行為は、見通しのなさや感情の高ぶりに大きく影響されることが少なくありません。
そのため、私たちは「どうしたらその子が安心して挑戦できるか」という視点から、空間づくり・道具の工夫・声かけまで、すべての支援を設計しています。
以下では、ゆめラボで特に意識している3つの支援環境の工夫をご紹介します。
子どもが「この後どうなるのか」「自分はいつ参加できるのか」を理解できない状態では、気持ちは不安定になりやすく、結果として“待てない”行動に繋がります。
そのため、ゆめラボでは視覚的なスケジュール提示を積極的に行っています。たとえば、「あと○分でおわり」「この絵カードの順番で活動するよ」といった案内を、文字だけでなくイラストや写真で見せる工夫をします。
また、「タイムタイマー」と呼ばれる時計型の道具を使って、残り時間が視覚的に“色”でわかるように示すことで時間感覚が未発達な子どもにも伝わりやすくなります。
こうした“見通し”を持たせることで、子どもは「待っても大丈夫」と感じやすくなり、我慢する力を少しずつ身につけることができます。
我慢するという行為は、言い換えれば「欲求を自分でコントロールする力」ともいえます。
ただし、これはいきなりできるものではなく、小さな成功の積み重ねが必要です。
ゆめラボでは、「順番を待てた」「終わる時間まで椅子に座っていられた」「お友だちに譲れた」といった小さな達成を見逃さず、そのたびに丁寧に言葉で伝えることを心がけています。
「すごいね!ちゃんと順番を守れたね」「終わるのをがんばって待てたね」というポジティブなフィードバックは、子どもにとって自信と安心を与える大切な栄養になります。
このような成功体験が積み重なることで、「やってみよう」「次も頑張ろう」という意欲が育ち、我慢する力も自然と養われていきます。
「もう終わり!」「次いくよ!」という急な指示は、こだわりの強い子どもにとって混乱や拒否反応を引き起こすことがあります。
活動の切り替えに伴うストレスを和らげるには、事前の準備と合図がとても重要です。
ゆめラボでは、「あと1回でおしまいだよ」「このカードを見たら次の活動ね」といった視覚的・聴覚的な切り替えサインを活用し、子どもが変化を受け入れやすいように工夫しています。
また、活動の間には“ブリッジタイム(つなぎの時間)”を設け、急な移行にならないようゆっくりと気持ちを切り替える練習も取り入れています。
こうした配慮によって、「急に終わってしまって怒る」「変化に混乱する」という場面が減り、子どもは少しずつ我慢や切り替えに慣れていくことができます。
子どもが“待てる”“我慢できる”力を育んでいくうえで、支援は施設内だけで完結するものではありません。
ご家庭と連携しながら、日常生活と療育の中で一貫した支援を行うことで子どもにとっての安心感と学びの効果は大きくなります。
それぞれの場面での役割を明確にし、互いに補い合うことが子どもの成長を最もスムーズに後押しします。
家庭は子どもがもっとも安心できる場所であり、「自分のままでいられる場所」です。
我慢が苦手だったり、順番を守れなかったりしたとしても、まずは「○○が苦手なんだね」と受け止めてもらえることが大切です。
「またできなかったね」「どうして我慢できないの?」と責めるのではなく、「今日はここまで頑張ったね」と肯定的に関わることで、子どもは安心して“また挑戦してみよう”と思えるようになります。
家庭での役割は、感情をリセットし気持ちを整える場としての意味合いが強く、成功や失敗に関係なく無条件で受け入れられる場としての存在が重要です。
一方、療育の場では「ちょっとだけ頑張ってみる」「初めての体験に挑戦する」といった、家庭とは異なる経験の場となります。
たとえば、ゆめラボでは「順番を待つ」「他の子の話を聞く」「おもちゃを交代で使う」といった社会的スキルを、個別・小集団で段階的に練習していきます。
もちろん、いきなり難しいことに挑戦するのではなく、「少し背伸びすれば届く目標」を設定し達成できるよう丁寧に支援していくのが特徴です。
家庭では甘えられるけれど、療育では社会性を育てるためのチャレンジがある。
この環境の違いをうまく活用することが、子どものバランスある成長につながります。
家庭と療育の役割が分かれているからこそ、密な情報共有が非常に重要になります。
たとえば、「最近家では落ち着いて待てるようになった」「夜の寝つきが悪くなってきた」といった日常の変化は、支援の質を高めるうえで非常に貴重な情報です。
反対に、療育の中で「切り替えが上手になってきた」「○○くんと一緒に遊ぶのを楽しめていた」といった成功の様子を家庭に伝えることで、ご家庭でもその子の成長を喜び、理解することができます。
ゆめラボでは、送迎時の会話・連絡帳・定期面談などさまざまな形で保護者とのコミュニケーションを大切にしています。
ご家庭と療育の「二人三脚」の姿勢が、子どもにとって最も安心できる土台を築くのです。
「みんなこうしているから」「年齢的にはできるはず」という視点ではなく、その子にとっての最適な支援を考えることが私たち支援者の役割です。
一見“困った行動”に見えることも、実は子どもなりのSOSかもしれません。
背景にある不安・混乱・過去の経験をくみ取り、丁寧に寄り添う姿勢を大切にしています。
急にすべてを変えるのではなく、「今日はここまでできたね」と一歩ずつ進むことを重視します。
大人の都合で進めすぎないよう、チームで常に確認しています。
「もっとできるはず」ではなく、「今日できたこと」をしっかり認める。そうした支援の積み重ねが、“我慢できる自分”への自信を育てていきます。
「待てない」「我慢できない」と悩む姿の裏側には、たくさんの努力や不安が隠れています。
私たちゆめラボは、子どものペースと安心感を大切にしながら、少しずつ「できた!」につながる支援を日々重ねています。
家庭でできる工夫に限界を感じたときは、ぜひ一度ご相談ください。
ご家庭の想いに寄り添いながら、最適なサポートをご提案いたします。
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