ゲームや遊びの中で、「絶対に勝ちたい」「負けると泣き止まない」といったASD(自閉スペクトラム症)のお子さまの姿に戸惑った経験はありませんか?
このような“勝ち負けへのこだわり”は、発達特性によって引き起こされる場合があり、単なるわがままや性格ではないことがほとんどです。
このコラムでは、ASDの子どもがなぜ勝ち負けにこだわるのか、その背景と具体的な対応方法を詳しくご紹介します。
ASDの子どもが「勝ちたい」という気持ちを強く表現するのは、その裏側に発達特性による不安やこだわりがあるからです。
まずは、その背景を正しく理解することが支援の第一歩です。
ASDの子どもは、先の展開が読めない状況に強い不安を感じます。
勝ち負けのあるゲームでは、予測不能な結果が不安となり、「必ず勝ちたい」という気持ちが強くなります。
勝ち負けがはっきり決まる活動は、ルールが明確で理解しやすいため、ASDの子どもにとって安心感のある枠組みとなります。
その結果、「勝つ」ことに価値を見出しやすくなります。
自分に自信が持てないお子さまほど、「勝つ=認められる」という図式に強く依存してしまうことがあります。
勝てないことで自分が否定されたと感じてしまうケースも見られます。
勝敗に対する強いこだわりは、感情の爆発やトラブルにつながることもあります。
状況に応じた柔軟な対応が重要です。
「勝ちたかったんだね」「悔しいよね」と気持ちを受け止める声かけをすることで、まずは安心感を与えます。
感情を抑え込むのではなく、表現できる環境を作ることが大切です。
活動の前に「今日は勝ち負けがあるよ」「負けることもあるかもね」といった見通しを伝えておくと、突然の負けによるショックを和らげる効果があります。
感情がコントロールできなくなったときは、静かなスペースで一度気持ちを落ち着かせる時間を設けます。
無理に続けさせず、安心できる環境に切り替えることが大切です。
「勝ち負け」だけでなく、「楽しかった」「工夫できた」「協力できた」といった他の価値にも目を向けられるように支援していくことが重要です。
全員が達成感を得られる活動(リレー形式の作業・スタンプラリーなど)を取り入れることで、結果ではなくプロセスに価値を見出せるようになります。
個人で勝ちを競うゲームではなく、チームで一つの目標を達成する活動を通して、「一緒に頑張ることの楽しさ」を実感できるよう支援します。
結果よりも過程に注目した声かけ(例:「あきらめずに頑張ったね」)をすることで、他者との比較ではなく自分自身の成長に意識を向けられるようになります。
日常生活の中でも「勝ち」にこだわる場面は多くあります。
家庭でできる具体的なサポート方法を取り入れることで、子ども自身の自己調整力が育っていきます。
パズルや絵合わせ、自由工作など、結果に優劣が出にくい活動を意識的に取り入れることで、成功体験を重ねやすくなります。
あえて大人が負けてみせたり、「勝っても負けてもまた遊べるよ」といった前向きな言葉を繰り返すことで、結果にこだわりすぎない心を育てていきます。
負けても責められない、評価されないという家庭環境があることで、子どもは少しずつこだわりを手放せるようになります。
ASDの子どもが「勝ちたい」「一番じゃなきゃイヤ」と強くこだわるのは、発達特性による不安や自己肯定感の低さが関係していることが多くあります。
大切なのは、その気持ちを否定せず受け止め、徐々に「勝ち負け以外の価値」や「感情の整理の仕方」を学べるよう支援していくことです。
ゆめラボでは、こうしたお子さま一人ひとりの特性に応じた個別療育を行い、「できた!」という自信を少しずつ積み上げていく支援を大切にしています。
お子さまのこだわりへの対応にお困りの際は、ぜひお気軽にゆめラボまでご相談ください。
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