「落ち着いて座っていられない」「姿勢がすぐ崩れる」「体を動かすときにぎこちなさが見られる」。こうした様子があると、体幹の弱さが関係しているのではと気になる方も多いのではないでしょうか。
体幹は、姿勢を保つための土台になるだけでなく、バランスをとる力や手足を動かすときの安定感、集中して取り組むためのからだの支えにも関わっています。
幼児期から小学生にかけての遊びや日常の動きの中で少しずつ育っていく力だからこそ、特別なことではなく、続けやすい形で関わっていくことが大切です。
このページでは、発達が気になる子どもにとって体幹トレーニングがなぜ大切なのかをふまえながら、ご家庭で取り入れやすい体幹あそびや、ゆめラボの療育で大切にしている関わり方をご紹介します。
体幹を鍛える遊びを探している方、3歳ごろのお子さまや小学生に合う方法を知りたい方にも参考にしていただける内容です。
INDEX
体幹とは、頭や手足をのぞいた胴体まわりのことで、いわばからだの中心にあたる部分です。この部分が安定してくると、座る、立つ、歩く、走る、ジャンプするといった基本の動きがしやすくなり、日常生活の負担も変わってきます。
たとえば、机に向かって座る、先生の話を聞く、鉛筆を使う、階段を上り下りする、ボールを投げる。こうした動きは別々のように見えても、どれもからだの中心が安定していることが土台になります。
体幹をうまく使いにくいと、姿勢が崩れやすくなったり、手先に余計な力が入ったり、少し動いただけでも疲れやすくなったりすることがあります。
発達に特性のあるお子さまの場合も、姿勢の保ちにくさや動きのぎこちなさの背景に、筋力だけではなく感覚の受け取り方やからだの使い方のくせが関わっていることがあります。
そのため、子どもの体幹トレーニングは、運動が得意になるためだけではなく、生活の中で「やりやすい」「続けやすい」を増やすためにも大切です。
姿勢が不安定なままでは、字を書く、はさみを使う、折り紙を折るといった机上の活動でも、手を思うように使いにくくなります。からだがぐらついていると、手先の動きまで不安定になりやすいからです。
反対に、座ったときのからだの支えがしっかりしてくると、手を使う活動にも力を向けやすくなります。体幹は運動だけの話ではなく、遊びや学習の取り組みやすさにもつながっています。
体幹がまだ十分に育っていないと、走る、止まる、向きを変えるといった動きに負担がかかりやすくなります。その結果、「体を動かすのが苦手」「遊びに入りにくい」と感じるお子さまもいます。
子どもの体幹トレーニングは、いきなり難しい運動に取り組むことではありません。まずは遊びの中で、支える、踏ん張る、くぐる、またぐ、止まるといった経験を増やしていくことが、動くことへの前向きな気持ちにつながっていきます。
姿勢が崩れやすい理由や、すぐ疲れてしまう背景を先に知りたい方は、姿勢が保てない・すぐ疲れる子どもの原因は?体幹が弱いときに日常でできる工夫もあわせてご覧ください。
体幹トレーニングというと、きつい運動を想像されることもありますが、ご家庭では遊びの中に自然に取り入れるやり方のほうが続きやすくなります。大切なのは、短い時間でも繰り返しやってみることと、お子さまが「またやりたい」と思える形にすることです。
片足立ちや、線の上を落ちないように歩く遊びは、体幹を鍛える遊びとして取り入れやすい方法です。床にテープを貼って一本橋のようにしたり、左右の足をそろえて止まったりするだけでも、からだの中心を使う感覚が育ちます。
慣れてきたら、ケンケンやケンケンパを入れてみるのもおすすめです。止まる、進む、向きを変えるといった動きの切り替えが増えることで、遊びながらバランス感覚も使いやすくなります。
四つん這いで進むクマ歩きや、うつ伏せで腕を使って進むワニ歩きは、からだの中心を支えながら手足を動かす練習になります。特別な道具がなくてもできるので、幼児の体幹トレーニングとしても取り入れやすい遊びです。
「クマさんでゴールまで行こう」「ワニさんになってトンネルをくぐろう」と声をかけると、運動らしさが強くなりすぎず、遊びとして楽しみやすくなります。
親子でタオルを持って軽く引っぱり合う遊びは、腕の力だけでなく、姿勢を保ちながら踏ん張る力も使います。強く引くことよりも、足を踏ん張って姿勢を崩さずに耐える感覚を味わえると、体幹づくりにつながります。
向かい合って手のひらを合わせ、そっと押し合う遊びに変えてもかまいません。押されても倒れないようにする中で、お腹や背中まわりの力を自然に使いやすくなります。
クッションを並べて島渡りのように進んだり、新聞紙の上から落ちないように立ったりする遊びも、子どもの体幹トレーニングに向いています。不安定な場所でバランスをとる経験は、からだの軸を意識するきっかけになります。
ただ立つだけでは飽きやすいお子さまには、「好きな色のクッションだけ進む」「新聞紙の上で5秒止まる」といったルールを加えると、遊びとして入りやすくなります。
風船を落とさないように打ち返したり、少し動きながらキャッチしたりする遊びは、目で追う力とからだのバランスを一緒に使います。風船は動きがゆっくりなので、小学生の体幹トレーニングとしても取り入れやすく、成功体験につながりやすい遊びです。
立ったままでもできますが、座った姿勢で風船を打つ遊びにすると、上半身の安定も意識しやすくなります。
バランスボールややわらかいクッションの上に座って、姿勢を崩さずに数秒過ごす遊びも、体幹を使うきっかけになります。いきなり長くやるのではなく、「10秒すわれたらおしまい」くらいから始めると無理がありません。
手を挙げる、前を向く、歌に合わせて止まるなど、遊びの要素を入れることで集中しやすくなります。転倒しないよう、周囲の安全には十分気をつけながら行ってください。
体幹トレーニングは、年齢によって取り入れやすい形が変わります。同じ遊びでも、ルールや声かけを少し変えるだけで、無理なく続けやすくなります。
幼児の時期は、「鍛える」より「楽しく動く」が大切です。動物のまねをしながら進む、トンネルをくぐる、クッションをまたぐといった遊びは、体幹を使いながらも遊びの延長で取り入れやすくなります。
言葉で細かく説明するより、「クマさんで行こう」「へびさんみたいに進もう」とイメージで伝えたほうが動きやすいお子さまも多く見られます。
3歳ごろになると、少しずつルールのある遊びにも参加しやすくなってきます。一本線を歩く、輪っかをまたぐ、音楽が止まったらその場で止まるといった遊びは、体幹を使いながら楽しめる活動です。
この時期は、うまくできることよりも、やってみようとする気持ちを大切にしながら進めることが続けるコツになります。
小学生になると、単純な繰り返しよりも、点数をつけたり時間をはかったりするほうが楽しめることがあります。ケンケンパのコースを作る、風船を何回続けられるか挑戦する、クッション渡りで落ちずに進めるか試すといった遊びは、小学生の体幹トレーニングとして取り入れやすい方法です。
できた回数を増やすよりも、前より少し安定した、前より長く続けられたという変化を感じられると、遊びへの前向きさにもつながっていきます。
ゆめラボでは、体幹トレーニングだけを切り離して考えるのではなく、日々の活動の中でからだの土台を育てていくことを大切にしています。
遊びの時間、机に向かう前の動き、個別の関わりの中で、お子さまに合う形を見つけていきます。
平均台、ステップ台、トランポリン、バランスボールなどを使いながら、歩く、止まる、またぐ、跳ぶといった動きを遊びの中に取り入れています。からだを大きく動かすだけでなく、動いたあとに止まる、姿勢を保つといった場面も大切にしています。
こうした活動は、体幹を鍛えることだけが目的ではなく、からだをうまく使う感覚や、できた実感にもつながっていきます。
姿勢が崩れやすいお子さまには、最初から座る活動に入るのではなく、短い運動をはさんでから取り組むことがあります。動物歩きやジャンプ、まねっこ体操などを取り入れることで、からだが動かしやすくなり、その後の活動にも入りやすくなることがあります。
からだを少し動かしてから座る流れは、集中しやすさにもつながりやすく、無理に我慢させるより自然に取り組める場面が増えていきます。
同じように見える「姿勢の崩れ」でも、必要な関わり方は一人ひとり違います。ゆめラボでは、保育士や児童指導員、専門職が連携しながら、お子さまの動き方や疲れやすさ、感覚の特徴もふまえて活動を考えています。
遊びの選び方や声のかけ方、休憩の入れ方が変わるだけで、取り組みやすさが大きく変わることもあります。
子どもの体幹トレーニングは、特別な器具や難しい運動がなくても始められます。ご家庭でできる遊びの中に、支える、踏ん張る、バランスをとる、止まるといった動きを少しずつ取り入れていくことが、からだの土台づくりにつながっていきます。
幼児にも小学生にも、それぞれ取り入れやすい方法があります。
大切なのは、うまくやることより、続けられること、楽しく関われることです。遊びの中で「前よりできた」が増えていくと、姿勢や動きだけでなく、自信にもつながっていきます。
姿勢が崩れやすい、すぐ疲れてしまう、座っている時間がつらそうと感じるときは、姿勢が保てない・すぐ疲れる子どもの原因は?体幹が弱いときに日常でできる工夫も参考にしてみてください。
背景を知ったうえで体幹あそびを取り入れると、ご家庭での関わり方も考えやすくなります。
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