「うまく話せない」「質問に答えられない」「相手の話を最後まで聞けない」といったお子さまの様子に、戸惑いや不安を抱える保護者の方も多いのではないでしょうか。
「聞く力」と「話す力」は生まれつき備わっているわけではなく、子どもの経験や環境、関わる大人とのやりとりの中で少しずつ育っていくものです。
本コラムでは、「聞く力・話す力とは何か」「なぜ大切なのか」、そして「家庭や療育でできる育て方」についてゆめラボの支援現場からの視点を交えて詳しくご紹介します。
INDEX
「聞く力」とは、耳に入った情報を理解し、必要な情報に注意を向けて処理する力のことです。
「話す力」とは、自分の思いや考えを、適切な言葉にして相手に伝える力を指します。
この2つの力は日常生活の中で密接に関わり合いながら発達していき、特に就学前の子どもにとっては社会性や学習の基礎として非常に重要です。
聞く力と話す力は別々に育つわけではありません。
相手の話を理解する経験が増えることで、自分の話し方も磨かれていきます。
聞く力が弱いと話す場面でも語彙が乏しくなったり、やりとりのズレが生まれやすくなります。
「聞いて理解する」「話して伝える」というやりとりは、園生活や家庭、友達との関係において必要不可欠です。
この土台がしっかりしていないと、誤解やすれ違いが増えてしまいます。
聞く・話す力は発達に個人差があるため、年齢で一律に比べることはできません。
焦らず、日常の中で少しずつ経験を積み重ねることが大切です。
聞く力を育てるには、まず子どもが安心して耳を傾けられる環境を整えることが大切です。
次に子どもの発達段階に合った関わり方を通じて、「聞くことって楽しい」「わかるってうれしい」と感じられる体験を増やしていきましょう。
テレビや雑音の少ない空間で話しかけると、子どもはより集中して耳を傾けることができます。
話すときは目線を合わせて、子どもが安心して聞ける雰囲気づくりも大切です。
言葉だけでなく、視覚情報(絵や実物)、手振りを加えることで子どもの理解がぐんと深まります。
「見て・聞いて・動いて覚える」ことで、記憶にも残りやすくなります。
「まず靴をぬごうね」「それから手を洗おうね」といった、1つずつの指示は、理解の助けになります。
複数の動作をいっぺんに伝えると混乱してしまうことがあるため、ひとつずつ区切るのがコツです。
話す力は、子どもが「話してみたい」「伝えたい」と感じる経験を積むことで伸びていきます。
言葉の正しさよりも、「話したい気持ち」に寄り添う関わりがカギになります。
「そうなんだ!」「それでどうなったの?」と大人が関心を持って反応すると、子どもは話す意欲を持ちやすくなります。
正しい言い方よりも話したい気持ちを尊重することが第一です。
「リンゴにする?バナナにする?」など、選択肢を示してあげると子どもが自分で意思を表現しやすくなります。
言葉以外のサイン(指差し・うなずき)からでもOKです。
すぐに言葉が出なくても、焦らせず待ってあげることが大切です。
時間をかけてでも自分の言葉で表現できた経験が、次への自信になります。
ゆめラボでは「聞く・話す力」を育てるために、さまざまなプログラムと専門職の視点を活かした療育を行っています。
個別支援ではお子さまの特性に合わせて一つひとつ丁寧に関わり、小集団では他者とのやりとりの中で自然な会話力を育みます。
構音(発音)や語彙の増加、会話の流れなど、STが専門的にアプローチする支援を提供しています。
遊びややりとりの中で、子ども自身が「話すのって楽しい」と感じられる時間を大切にしています。
理解が難しい子どもには、視覚的な情報を補助として使用しています。
見てわかることで安心感が生まれ、聞く・話すへの集中も高まりやすくなります。
1対1の支援では出せなかった力も、少人数の中で自然と引き出されることがあります。
「聞く・話す・待つ・伝える」といった会話の基本を実体験を通して身につけます。
「聞く」「話す」力は、単なる会話スキルではなく、子どもが自分らしく生きていくための“自己表現”の土台です。
ゆめラボではその子が安心して「聞ける」「話せる」環境を大切にしながら、一歩ずつ言葉の世界を広げていく支援を行っています。
「会話が成り立ちにくい」「ことばがゆっくり」などの不安がある方も、まずはお気軽にご相談ください。
お子さまのペースに合わせて、ことばの力を楽しく育てていける方法を一緒に考えていきましょう。
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