言葉が出てくる前の時期に育てたい「言語前スキル」は、未就学児の発達にとってとても大切な土台です。
特に、模倣(まねっこ)・共同注意(同じものを一緒に見る)・指差し要求(ほしいものを指さしで伝える)は、ことばの理解やコミュニケーションにつながる重要なステップになります。
児童発達支援事業所ゆめラボでは、発達障害の有無にかかわらず、お子さま一人ひとりのペースに合わせて、遊びや日常生活の中でこれらのスキルを育てる療育に取り組んでいます。
ここでは、言語前スキルの概要と、未就学児のお子さまに向けた具体的な関わり方・療育のポイントをご紹介します。
INDEX
「言語前スキル」とは、ことばで会話をする前段階で育つ、コミュニケーションの基礎となる力のことです。発達障害があるお子さまの中には、この段階でつまずきが見られることも少なくありません。
まずは、どのような力が言語前スキルに含まれるのか、児童発達支援事業所としての視点から整理していきます。
言語前スキルの代表的な3つが、模倣・共同注意・指差し要求です。
誰かの動きをまねする「模倣」、同じものを一緒に見て共有する「共同注意」、ほしいものや興味があるものを指さしで伝える「指差し要求」は、いずれも「人と気持ちを通わせる」経験につながります。
児童発達支援事業所ゆめラボでは、これらの力を遊びの中で自然に引き出し、「ことばが育ちやすい土台」をつくる療育を行っています。
自閉スペクトラム症(ASD)など発達障害のあるお子さまの中には、
・まねっこ遊びが続かない
・人と目線を合わせることが少ない
・指さしをあまり使わない
といった様子が見られることがあります。
これは「やる気がない」というよりも、どのように関わればよいかがわからない・やり方がわからないという状態であることも多く、療育を通して少しずつ経験を積み重ねていくことで変化が見られることがあります。
ゆめラボでは、言語前スキルを「チェックリストのように一気に埋めるもの」とは考えていません。
未就学児の時期に、その子なりのペースで「人と関わるって楽しい」「伝わるとうれしい」という感覚を増やしていくことを大切にしています。
そのために、児童発達支援事業所として、遊びの内容や環境の設定、声かけの仕方を工夫しながら、模倣・共同注意・指差し要求が自然に出やすい場面をたくさんつくっていきます。
誰かの動きをまねる「模倣」は、発達においてとても重要なスキルです。
模倣が育つと、遊びの幅が広がるだけでなく、生活動作やルールの理解にもつながっていきます。
ここでは、児童発達支援事業所での療育の工夫と、ご家庭で取り入れやすい関わり方をご紹介します。
まず取り組みやすいのが、大きな動きを使った模倣です。
・両手を上にあげる
・手をたたく
・ジャンプする
など、わかりやすい動きを大きく見せ、ゆっくりとまねしてもらいます。
児童発達支援事業所ゆめラボでは、「せーの」「いち、に」のような掛け声を使いながら、リズムに合わせてまねっこできるよう工夫しています。
動きの模倣に少し慣れてきたら、道具を使ったり、簡単なごっこ遊びを取り入れたりしていきます。
・ブロックを同じように積む
・コップやお皿を使って「いただきます」ごっこをする
・車を走らせる・トンネルをくぐらせる
といった活動の中で、「先生と同じことをやってみる」経験を増やします。
発達障害のある未就学児のお子さまに対しても、成功しやすいステップに分けて提示することで、「まねすることが楽しい」という感覚を育てていきます。
ご家庭では、
・親御さんが大げさなリアクションでまねっこを見せる
・鏡の前で変顔ごっこをする
・歌に合わせて同じ動きを繰り返す
といった、短い時間でできる遊びがおすすめです。
「同じことができたね」「今の、ママと一緒だね」といった声かけで、一緒に喜ぶ時間を積み重ねていくことが、言語前スキルの育ちにつながります。
共同注意とは、「同じものを一緒に見て、共有する力」のことです。
「見て見て!」「あ、あれだね!」といったやりとりは、共同注意が育っていくことで増えていきます。
児童発達支援事業所ゆめラボでは、共同注意を育てるための環境づくりや関わり方を工夫しています。
共同注意を育てるためには、大人の目線と子どもの目線を合わせる工夫が大切です。
・子どもの視線の先に大人が顔を出して「あ、○○があるね」と声をかける
・おもちゃを大人の顔の近くで見せ、「これかな?」と見比べる
・驚いた表情やうれしい表情を少し大きめに見せる
といった工夫を通して、「人の表情や視線に気づく」きっかけを増やしていきます。
絵本やおもちゃは、共同注意を育てるうえでとても役立つツールです。
・絵本を読みながら「わんわん、どこかな?」と一緒に探す
・指でさしながら「ここにいるね」と共有する
・音の出るおもちゃや光るおもちゃを使って、一緒に「見つけた!」と喜ぶ
といったやりとりを通じて、「同じものを見て気持ちを共有する」経験を増やしていきます。
児童発達支援事業所ゆめラボでも、絵本・カード・玩具を組み合わせた療育で共同注意の練習を行っています。
発達障害のあるお子さまの中には、
・人より物に目が行きやすい
・視線が合いにくい
・大人の指差しに気づきにくい
といった特徴が見られることがあります。
その場合、無理に視線を合わせようとするのではなく、お子さまが興味を示しているものを起点に関わりを広げることがポイントです。
「それ、好きなんだね」「一緒に見てみようか」といった形で、興味のある対象に大人が入っていくことで、共同注意のきっかけをつくることができます。
指差し要求は、「これがほしい」「あれを取って」という気持ちを伝える重要なサインです。
ことばがまだ出ていない未就学児にとって、指差しはコミュニケーションの一つの手段になります。
児童発達支援事業所ゆめラボでは、「指差しが自然に出てくる場面」を意図的につくる療育に取り組んでいます。
指差し要求を引き出すためには、まず「欲しい」「やりたい」という気持ちを大切にすることが土台になります。
・少し手の届かない場所にお気に入りのおもちゃを置く
・箱に入ったお菓子やおもちゃを見せ、「どれにする?」と選んでもらう
・あえて全部は渡さず、「もっと欲しい?」と確認する
といった場面をつくることで、お子さまが「伝えたい」と感じるきっかけを増やします。
指差しがすぐには出にくいお子さまの場合、
・手を伸ばすジェスチャーに気づいて受け取る
・大人がさりげなく手を添えて指先を伸ばす経験を繰り返す
・「これ?」「こっち?」と選択肢を見せ、合図があった方を渡す
など、いくつかのステップに分けて練習していきます。
児童発達支援事業所ゆめラボでは、一人ひとりの発達段階をアセスメントし、その子に合った段階からスタートできるように支援しています。
指差し要求を引き出したいからといって、「ちゃんと言わないと渡さないよ」「しゃべらないとダメ」といった形で言葉だけを強く求めてしまうと、やりとり自体が負担になることがあります。
まずは、指差し・視線・ジェスチャーなど、どんな形でも「伝えようとするサイン」を受け取ることが大切です。
そのうえで、少しずつ「もっと」「これ」などの簡単な言葉を添えていくことで、ことばの獲得につなげていきます。
児童発達支援事業所での療育だけでなく、家庭や園での過ごし方とつながってこそ、言語前スキルはより育ちやすくなります。
ゆめラボでは、お子さまへの直接支援とあわせて、保護者支援にも力を入れています。
ゆめラボでは、
・その日行った活動内容
・お子さまの様子や反応
・うまくいった関わり方のポイント
などを、連絡帳や口頭でこまめにお伝えしています。
「家ではどんなふうに応用できるか」「園ではどんな配慮をお願いするとよいか」といった視点で共有することで、児童発達支援事業所・家庭・園が同じ方向を向いて支援していけるようにしています。
言葉の遅れや発達障害の可能性を指摘されたとき、保護者の方はさまざまな不安を抱えることが多いです。
ゆめラボでは、面談や個別相談を通じて、
・今の発達の状況をどう捉えればよいか
・どのような支援や療育が考えられるか
・日常生活で意識してみたいポイント
などを一緒に整理していきます。
「一人で抱え込まずに相談できる場所」であることも、児童発達支援事業所の大切な役割だと考えています。
未就学児の療育では、「○歳までにこれができるようにしなければならない」と強く追い込むのではなく、その子なりのペースでの変化を一緒に見つけていく姿勢が大切です。
ゆめラボでは、短期的な目標と長期的な見通しを両方持ちながら、「昨日より少しできたこと」「1か月前と比べて変わったこと」を積み重ねていけるよう支援しています。
模倣・共同注意・指差し要求などの言語前スキルは、ことばの発達やコミュニケーションの基盤となる大切な力です。
「まねっこが苦手」「目線が合いにくい」「指差しがあまり見られない」など、未就学児のお子さまの様子が気になるときには、一度専門の視点から状況を整理してみることで、関わり方のヒントが見つかることがあります。
児童発達支援事業所ゆめラボでは、発達障害の有無にかかわらず、お子さま一人ひとりのペースを尊重しながら、言語前スキルを育てる療育と保護者支援を行っています。
「うちの子の場合はどうだろう?」「家庭でできることを知りたい」と感じられた方は、お近くのゆめラボ各教室まで、どうぞお気軽にお問い合わせください。
見学・相談・利用の流れなども含めて、お子さまの成長を一緒に考えていきます。
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