「ハサミを持たせると怖がってしまう」「塗り絵をするといつも線からはみ出してしまう」——そんなお悩みをよく伺います。
ただ、これは「不器用」「やる気がない」からではなく、手先の発達の途中にあるサインであることがほとんどです。少しずつ経験を積みながら、体や指先の準備を整えていくことで、多くのお子さんが「できた!」に近づいていきます。
このコラムでは、児童発達支援事業所ゆめラボでの制作活動を例に、ハサミが苦手・線からはみ出すお子さんの背景と、制作あそびの中で手先の力を育てる考え方をご紹介します。
INDEX
まずは、お子さんの「困りごと」が何を知らせてくれているのかをやさしく整理してみましょう。
ハサミや塗り絵・お絵かきの場面では、指の力だけでなく、姿勢、目と手の連動、両手の協調など、さまざまな力が関わっています。
ハサミを開いたり閉じたりするには、親指と他の指を別々に動かす力(指の分離)や、指先の筋力が必要です。クレヨンや色鉛筆を細かく動かすときも同じで、まだ十分に育っていないと、ハサミがうまく開かない・閉じない、筆圧が弱く、線が薄くなる/思うように止まれないといった様子が見られます。
ハサミは片手で持ちながら、もう片方の手で紙を回したり支えたりする道具です。両手を別々の役割で同時に使うことが難しいと、ハサミの動きに合わせて紙を動かせず、線から大きくそれてしまうことがあります。
この場合、まずは両手を一緒に使うあそび(ボール遊び・洗濯ばさみ・ひも通しなど)から丁寧に経験を重ねることで、「両手で協力して動かす」感覚を育てていきます。
「線の中を塗る」「線に沿って切る」といった活動では、目で線の位置をとらえる力と、線に合わせて手をコントロールする力が必要です。
線や形が頭の中でイメージしにくかったり、目と手の連動が苦手だったりすると、どうしても線からはみ出しやすくなります。
周りのお子さんと比べてうまくいかない状態が続くと、「どうせできない」「やりたくない」と感じて、活動そのものを拒否してしまうこともあります。
児童発達支援事業所ゆめラボでは、難易度を下げる・工程を小さく分ける・できたところをしっかり言葉にして伝えることで、「またやってみよう」という気持ちを大切にしています。
手先の動きは、土台となる体の安定や感覚の育ちとつながっています。
いきなりハサミや細かい塗り絵に取り組む前に、遊びの中で体と指先の準備をしておくことがとても大切です。
背すじをほどよく伸ばし、机の上で作業を続けるには、体幹の安定が欠かせません。
うつ伏せでお絵かき遊びをすることや、トンネルくぐりやクマ歩きなどの全身あそび、バランスボールやクッションの上での乗り物ごっこといった遊びは、楽しみながら姿勢を支える力を育てることにつながります。
ハサミや色鉛筆をスムーズに動かすには、肩や肘・手首が固くなりすぎず、しなやかに動くことも大切です。
大きな模造紙に腕全体を使ってお絵かきしたり、壁に貼った紙に上から下へ線や丸を描いたり、水筆やスポンジを使ってお風呂場の壁にお絵かきしたりするなど、大きな動きから小さな動きへとステップを踏める活動を取り入れます。
粘土・小麦粉ねんど・ビーズ・ひも通し・洗濯ばさみなどは、指先の感覚や力加減を育てるのにとても役立ちます。
児童発達支援事業所ゆめラボでは、ハサミの練習の前段階として、粘土をつまむ・ちぎる・丸める、洗濯ばさみをつける・はずす、ビーズやボタンをつまんで容器に入れるといった活動を取り入れ、楽しみながら指先の準備を整えていきます。
「ハサミの練習をしなくては」と思うと、お子さんも保護者さまも構えてしまいがちです。
ゆめラボでは、ハサミだけにこだわらず、“切る感覚”に慣れていくステップを大切にしています。
いきなり紙を線に沿って切るのではなく、まずは紙を手でちぎる(ちぎり絵)をしたり、スポンジやストローを指でつぶしたりちぎったりしたり、粘土を細長くして指で「パチン」とちぎるといった活動からスタートすることもあります。
「切ると形が変わる」「力を入れるとちぎれる」という体験を積むことで、ハサミへのステップがぐっと低くなります。
お子さんの手の大きさや力に合ったハサミを選ぶことも重要です。指を通しやすい大きめの持ち手、開くのを助けるバネ付きハサミ、刃先が丸く、安全性に配慮されたものなどを選び、「怖くない」「持ちやすい」感覚を作っていきます。
児童発達支援事業所ゆめラボでは、スタッフが手を添えながら、親指を上にして持つ・肘を体から離しすぎないなど、一人ひとりに合った持ち方を一緒に確認していきます。
最初から長い直線や細かい曲線に挑戦すると、失敗体験につながりやすくなります。
ゆめラボでは、短い紙片を「1回切り」でチョキンと切る、太い線に沿って少しずつ切る距離を伸ばす、直線 → ゆるい曲線 → 単純な形(丸・四角)というように、レベルを細かく分けてステップアップしていきます。
切った紙を貼ってコラージュにしたり、ちぎり絵で季節の制作を行ったりすることで、「ただ練習する」ではなく「作品づくり」として楽しめます。
色紙を切ってサラダやケーキを作ることや、ちぎり絵で花火や季節の風景を表現することなど、目に見える形で成功体験を残す工夫を行っています。
塗り絵やなぞり書きで「線からはみ出してしまう」ことにも、理由があります。
児童発達支援事業所ゆめラボでは、線の分かりやすさ・活動の量・声かけを工夫しながら、「枠の中で表現する感覚」を少しずつ育てていきます。
細い線だけだと境界が分かりにくいお子さんには、太めのマジックで枠線をなぞっておく、ボンドやグルーなどで、少し立体的な枠を作る、マステやひもで「ここまで」を囲むといった工夫を取り入れます。
触っても分かる・パッと見て境界がハッキリしていることで、「この中を塗ればいいんだ」というイメージが持ちやすくなります。
いきなり広い面を塗るよりも、まずは線の上をゆっくりなぞったり、線の内側を少しずつ塗り広げていったりなど、「線を意識する練習」から始めることがあります。
線の上に色を乗せることで、腕や手の筋肉が新しい動きを学び、少しずつコントロールしやすくなっていきます。
「きれいに塗る」ことを目標にすると、お子さんも保護者さまも疲れてしまいます。
最後まで座って取り組めた、前よりも線の中に色が増えた、塗る色を自分で選べたなど、行動やプロセスの成長に目を向けて、「ここができたね」と伝えることで、次の意欲につながります。
「はみ出したらダメ」と伝え続けると、失敗を避けるためにチャレンジそのものを嫌がってしまうことがあります。
「線から出ても大丈夫だよ。少しずつ中が増えていったらいいね」「今日はここまで塗れたね!」など、結果よりも頑張りを認める声かけで、お子さんの自己肯定感を守ることを大切にしています。
児童発達支援事業所ゆめラボでは、ハサミや塗り絵の「練習」だけでなく、楽しさと成功体験を軸にした制作活動を行っています。
手先の力を伸ばすことも大切にしながら、「できた!」「見せたい!」という気持ちが自然と生まれるような環境づくりを心がけています。
その日の調子や得意・苦手を見ながら、ちぎる → 貼る だけの日、1回切りだけで作品を作る日、線に沿って切ることにじっくり取り組む日など、「今日はここまでできた」が実感できる内容に調整します。
できたところを写真に撮ったり、作品として掲示したりすることで、お子さん自身が成長を確認できるようにしています。
同じ「ハサミが苦手」でも、原因や困り方はお子さんによってさまざまです。
児童発達支援事業所ゆめラボでは、指先の動き、両手の使い方、姿勢などの状態、得意な活動、苦手だけれど興味のある活動を丁寧に見させていただき、その子に合ったステップを一緒に考えていきます。
教室だけで頑張るのではなく、ご家庭と一緒にお子さんの成長を支えていくことも、児童発達支援事業所の大切な役割です。
ゆめラボでは、その日にできたこと・頑張ったことの共有、ご家庭で無理なく取り入れられる遊びの提案、「前はここまでだったけれど、今はここまでできるようになった」という変化のフィードバックなどを通じて、お子さんの「できた」を保護者の方と一緒に喜べる仕組みを大切にしています。
ハサミが苦手・線からはみ出る——それは、お子さんの発達がゆっくり進んでいるサインであり、今後の伸びしろがたくさん残っている証拠でもあります。大切なのは、できないところを責めることではなく、今の力に合ったステップを一緒に探すことです。
児童発達支援事業所ゆめラボでは、制作活動を通じて、指先の力だけでなく、集中力・自己肯定感・「やってみたい」という意欲を育てることを大切にしています。
「ハサミをどう練習したらいいか分からない」「塗り絵を嫌がってしまう」といったお悩みがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
見学や体験の中で、お子さんに合った関わり方や、ご家庭で取り入れやすい遊びのヒントもお伝えさせていただきます。
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