「放課後等デイサービスではどんな課題に取り組ませたらいいの?」「つい叱ることが多くて、上手な褒め方がわからない……」という声を、保護者の方からよくお聞きします。放課後等デイサービスは、発達障害や発達に特性のあるお子さんが、放課後の時間に安心して通える場所であると同時に、「できた!」という成功体験を積み重ねるための療育の場でもあります。
このページでは、児童発達支援事業所ゆめラボのスタッフとして、放課後等デイサービスで成功体験を生み出すための「課題の出し方」と「褒め方」のポイントを、保護者の方にも分かりやすくお伝えします。ご家庭での声かけにもそのまま使えるヒントをたくさん盛り込んでいますので、ぜひ参考にしてみてください。
なお、児童発達支援事業所ゆめラボでは、来年4月より放課後等デイサービスの提供を予定しています(現在は未就学児向けの児童発達支援を中心に運営しています)。「開所予定」の段階ではありますが、今のうちから放課後等デイサービスの選び方や関わり方を知っておくと、進学後の準備にもつながります。
INDEX
まずは、なぜ放課後等デイサービスで「成功体験」を意識して増やしていくことが大切なのかを整理しておきましょう。ここをおさえておくと、課題の出し方や褒め方に一貫性が出てきます。
放課後等デイサービスに通うお子さんの中には、「失敗体験」の方が多くなってしまっているケースが少なくありません。学校の勉強や集団生活がうまくいかず、「またできなかった」「自分だけ違う」と感じやすい状態が続くと、自己肯定感が下がってしまいます。
そこで大切なのが、放課後等デイサービスでの小さな成功体験の積み重ねです。
・プリント1枚を最後まで座って取り組めた
・いつもより5分長く活動に参加できた
・職員のお手本を見て、まねをしようとチャレンジできた
こうした「前より一歩前進したね」という経験が、少しずつ「自分でもできることがある」「やってみたら意外とできた」という気持ちを育てていきます。
発達障害やグレーゾーンのお子さんは、「なんとなく」で課題を出してしまうと、難しすぎてつまずいたり、逆に簡単すぎて飽きてしまったりしがちです。結果として「できない」「つまらない」という経験が増え、自己肯定感や意欲が下がってしまいます。
だからこそ放課後等デイサービスでは、お子さん一人ひとりの特性・好きなこと・つまづきやすいポイントをふまえて課題をデザインすることが重要です。ゆめラボでも、個別支援計画や日々の記録をもとに、「その子にとってちょうどいい成功体験」を意図的に組み込んでいきます。
学校と家庭だけでは、どうしても「評価される基準」が学習や生活面に偏りがちです。
一方、放課後等デイサービスでは、
・友だちと協力してゲームを成功させる
・工作や運動あそびで、自分なりの工夫をほめてもらう
・苦手なことにもチャレンジし、最後までやりきれたことを認めてもらう
といった、多様な成功体験を意識して作ることができます。
これが、お子さんの「得意」「好き」「自信が持てること」を広げていく土台になります。
次に、放課後等デイサービスでどのように課題を設定すると成功体験につながりやすいのか、療育現場の視点からご紹介します。ここでお伝えする考え方は、ご家庭での宿題やお手伝いの出し方にも応用できます。
成功体験を作るうえでキーワードになるのが、スモールステップです。いきなり「100点満点」を目指す課題ではなく、「今日は10問中3問できたらOK」など、今できているレベルから少しだけハードルを上げた目標を一緒に決めます。
例えば、プリントが苦手なお子さんの場合、「1枚やろうね」ではなく、
・まずは最初の2問だけやってみる
・好きな教科・簡単な問題だけを集めた「成功プリント」を用意する
・制限時間を短めにして「終わったら好きな活動に行ける」ようにする
といった工夫をします。「これならやれそう」という感覚を持ってもらうことが、取り組みへの第一歩です。
放課後等デイサービスでは、お子さんの「好きなもの・ハマっているもの」を課題に取り入れることも意識しています。電車が好きなら「時刻表を使った数字の課題」、キャラクターが好きなら「シールやカードを使ったトークン課題」など、興味のあるテーマからスキル学習につなげていくイメージです。
興味のないプリントだけではなかなか集中が続きませんが、「好きなもの」と組み合わせるだけで、取り組む姿勢が大きく変わることもあります。
課題の内容だけでなく、環境づくりも成功体験の大事な要素です。
・机の上をシンプルにして、誘惑を減らす
・タイマーを使って「あと何分でおわり」が見えるようにする
・「①名前を書く→②1行目だけやる→③丸つけ」のように手順を視覚的に示す
など、「何を・どのくらい・どんな順番でやればいいか」が分かるようにしておくと、お子さんは安心して課題に取り組めます。放課後等デイサービスでは、このような環境調整も含めて課題をデザインしています。
良い課題を出せても、褒め方によってはお子さんのやる気が続かないことがあります。ここでは、放課後等デイサービスの現場で意識している褒め方のポイントをご紹介します。
「すごいね」「えらいね」だけでも悪くはありませんが、発達障害のあるお子さんの中には、「何がよかったのか」が分かりにくい場合もあります。
そこで、ゆめラボではできた行動や工夫の仕方を具体的な言葉で伝える褒め方を大切にしています。
・「最後までイスに座って取り組めたね」
・「分からないところをちゃんと『教えて』って言えたね」
・「最初より字がゆっくりていねいに書けるようになってきたね」
このように、「どこがよかったのか」がはっきり伝わると、お子さんは「次も同じように頑張ってみよう」と思いやすくなります。
褒めるタイミングもとても重要です。良い行動が見られたら、なるべくその場ですぐに声をかけることで、お子さんは「この行動がよかったんだ」と理解しやすくなります。
例えば、片づけが苦手なお子さんが、職員に言われる前に自分から玩具を箱に戻せたとします。このとき、後からまとめて褒めるよりも、「今、自分からお片づけできたね!」「言われる前に動けたのがすごくいいね」とその場で声をかける方が、良い行動と褒められたことがしっかり結びつきます。
発達特性のあるお子さんの中には、言葉だけの評価が分かりにくい場合もあります。
そのようなときは、
・笑顔でうなずきながら伝える
・ハイタッチをする
・グッドサインや拍手をする
など、表情やジェスチャーもセットで使うと、褒められたことがよりダイレクトに伝わります。放課後等デイサービスの現場では、お子さんの感覚の特性(触られるのが苦手かどうかなど)をふまえたうえで、心地よい褒め方のバリエーションを一緒に見つけていきます。
放課後等デイサービスだけで成功体験を積み重ねるのではなく、ご家庭や学校と連携して「一貫した関わり方」をしていくことが、自己肯定感の安定につながります。
ゆめラボでは、活動記録や連絡帳を通して、「今日こんなことができました」「こういう声かけで頑張れました」といった情報を保護者の方と共有しています。保護者の方には、その情報をもとに、ご家庭でも似たような声かけや課題の出し方を意識していただくようお願いしています。
放課後等デイサービスと家庭で評価するポイントがバラバラだと、お子さんは「どれが正解なの?」と混乱してしまいがちです。支援者と保護者が同じ方向を向いて、成功体験のタネを一緒に育てていくことが大切です。
ご家庭での宿題やお手伝いも、少し視点を変えるだけで立派な成功体験のチャンスになります。
・宿題は「全部できた?」ではなく、「今日頑張りたいところを一緒に決める」
・お手伝いも「全部やって」でなく、「お皿を運ぶ係」「洗濯物を1人分だけたたむ係」など役割を絞る
・終わったら「助かったよ」「◯◯のおかげで早く終わったよ」と、家族としての貢献をしっかり伝える
このように、家庭での小さな成功体験と、放課後等デイサービスでの成功体験がつながると、お子さんの自信はさらに大きくなっていきます。
必要に応じて、学校や相談支援専門員などと情報を共有しながら支援を組み立てていくこともあります。「学校ではこういう声かけがうまくいっている」「放課後等デイサービスではこういう課題設定が合っている」という情報が行き来することで、お子さんはどこでも安心して実力を発揮しやすくなります。
放課後等デイサービスは、ただ預かるだけの場所ではなく、ご家庭・学校・地域と連携しながらお子さんの成長を支えるチームの一員です。ゆめラボでも、この連携をとても大切にしています。
児童発達支援事業所ゆめラボでは、現在、未就学児向けの個別療育を中心にサービスを提供していますが、来年4月からは小学生以上を対象とした放課後等デイサービスの開始を予定しています。
ここでは、ゆめラボが放課後等デイサービスを運営する際に大切にしたい考え方を、将来のイメージとしてお伝えします。
ゆめラボの放課後等デイサービス(予定)では、児童発達支援事業所で培ってきた経験を生かし、個別支援計画を丁寧に作成しながら課題を決めていくことを重視します。
・学校生活で困りやすい場面(集団行動・切り替え・コミュニケーションなど)
・家庭でよく見られる困りごと(日課の定着、感情のコントロールなど)
・お子さん自身が「できるようになりたい」と感じていること
これらをしっかりとヒアリングし、スモールステップでの成功体験につながる課題を一緒に組み立てていく方針です。
放課後等デイサービスでは、学校の延長のような「勉強だけの場」になるのではなく、遊びや体験活動の中に療育的な工夫を組み込んでいきます。
・運動あそびの中で、順番を守る・ルールを理解して参加する練習
・ボードゲームやカードゲームで、勝ち負けの気持ちのコントロールや交渉の練習
・工作やクッキングで、手順を確認しながら最後までやりとげる経験
このように、「楽しい活動の中で自然とスキルが身につく」プログラムを通して、成功体験と学びがつながる場を目指しています。
ゆめラボは、これまで児童発達支援事業所として、0歳から未就学児までの療育に携わってきました。
その経験を活かし、放課後等デイサービス(予定)でも、
・視覚支援や環境調整を取り入れた、分かりやすい活動設計
・保護者とのこまめなコミュニケーションと相談の場
・事例検討や研修を通じた、スタッフの継続的なスキルアップ
などに取り組みながら、お子さん一人ひとりの「できた!」を一緒に喜べる教室づくりを進めていきます。
放課後等デイサービスでお子さんの成功体験を増やすためには、
・「今のレベル+1」をねらうスモールステップの課題設定
・興味や得意を活かした、取り組みやすい課題の工夫
・結果だけでなくプロセスを具体的にほめる声かけ
・家庭・学校・事業所が連携した一貫性のある支援
といったポイントを丁寧に積み重ねていくことが大切です。
児童発達支援事業所ゆめラボでは、これまで未就学児向け療育で培ってきたノウハウをもとに、来年4月からの放課後等デイサービス開始を予定しています。放課後等デイサービスの利用を検討されている方や、「うちの子に合う課題の出し方・褒め方を知りたい」という保護者の方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
見学・説明・ご相談の方法(お問い合わせフォーム・お電話・LINE公式アカウントなど)の詳細は、ゆめラボ公式ホームページ内のご案内をご確認いただければと思います。
お子さんの「できた!」を一緒に増やしていける日を、スタッフ一同楽しみにお待ちしています。
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