ボタンをとめるのに時間がかかる、ハサミでまっすぐ切るのがむずかしい、鉛筆を強く握りすぎてすぐに手が疲れてしまう。こうした「手先の不器用さ」は、発達の特性がある子どもたちにはよく見られる姿です。
放課後等デイサービスでは、このような困りごとに対して、遊びの中で少しずつ練習していく「作業療育」を取り入れることができます。
このコラムでは、放課後等デイサービスで行う作業療育の基本と、手先の不器用さを伸ばすための工作あそびの考え方を、保護者の方にもわかりやすく紹介します。
おうちでの関わりのヒントとしても、ぜひ参考にしてみてください。
INDEX
放課後等デイサービスは、学校の授業が終わったあとや長期休暇中に、生活や学びをサポートする場所です。
その中で「作業療育」と呼ばれる活動は、手や指、目と手の協調などを使うあそびや活動を通して、日常生活や学校生活で必要な力を育てていくことを目的としています。
ただ手先を動かす練習をくり返すのではなく、「楽しい」「できた」という感覚を大切にしながら、子どものペースで取り組んでいくことが特徴です。
作業療育の一番のねらいは、日常の中で子どもが困りにくくなるように、「できること」を少しずつ増やしていくことです
。例えば、服の着替えに時間がかかる子どもであれば、ボタンやファスナーに関わる動きを含んだ工作あそびを取り入れることで、自然と必要な動きの練習につながります。
また、鉛筆を持つのが苦手な子どもには、指先でつまむ感覚を育てる活動を重ねることで、書く準備となる力を養っていきます。
放課後等デイサービスでは、一人ひとりの得意なことと苦手なことを見ながら、その子に合った「ちょうどよい難しさ」の活動を考えていきます。
大人が評価の目で見るのではなく、子ども自身が「さっきよりうまくできた」と感じられる経験を増やしていくことが、作業療育においてとても大切です。
手先の不器用さといっても、その表れ方は子どもによってさまざまです。
ハサミで紙を切るときに力加減がむずかしく、紙がくしゃっとなってしまう子もいれば、線の上をなぞって切ることが苦手な子もいます。折り紙では、角と角をぴったり合わせることに時間がかかったり、力が入りすぎて紙が破れてしまったりすることがあります。
また、のりやボンドを使うときに量の調整が難しく、べたべたになってしまう子も少なくありません。指先に感覚の敏感さや鈍さがある場合、「触りごこち」が苦手で、絵の具や粘土に触れることを嫌がる子どももいます。
こうした一つ一つの困りごとは、子どもなりに頑張っているからこそ表に出てくる姿です。
放課後等デイサービスの作業療育では、「どうしてうまくいかないのか」という背景にも目を向けながら、その子に合った方法を一緒に探していきます。
手先を使う活動は、うまくいかない経験が続くと、自信を失いやすい領域でもあります。
放課後等デイサービスでは、学校のような「評価」ではなく、安心して挑戦できる雰囲気づくりを大切にしています。失敗しても笑ってやり直せる空気の中で、子どもが「もう一回やってみよう」と思えるような声かけや環境調整を行います。
また、同じ放課後等デイサービスに通う友だちが、工作あそびに取り組む姿を見ることで、「自分もやってみよう」という気持ちが生まれることもあります。スタッフがそばにつき、必要なところだけをさりげなく手伝うことで、「自分でできた」という実感を持ちやすくなります。
こうした安心した場での経験が積み重なっていくと、苦手だった活動にも少しずつ向き合えるようになっていきます。
放課後等デイサービスの作業療育では、特別な道具だけでなく、身近な素材を使った工作あそびがたくさん活躍します。大切なのは、「訓練」ではなく「遊び」として取り組めることです。
楽しい気持ちで手先を動かしているうちに、指先の力や動かし方、目と手の協調が自然と育っていきます。ここでは、手先の不器用さが気になる子どもにも取り入れやすい工作あそびの考え方を紹介します。
新聞紙や広告などを使った活動は、準備がしやすく、たくさん動けるので放課後等デイサービスでもよく取り入れられます。紙を指先でつまんでちぎる動きは、鉛筆や箸を持つときに必要な「つまみ持ち」の感覚を育てるのに役立ちます
。最初は大きくざっくりとちぎるところから始めて、慣れてきたら細くちぎって「紙の雨」を作ったり、ちぎった紙を袋に集めて「ふわふわクッション」を作ったりするなど、遊びのストーリーを広げていくことができます。
ちぎった紙を丸めてボールを作り、それを箱に投げ入れたり、色ごとに分けて貼り絵にしたりする活動もおすすめです。紙を丸めるときには、指先だけでなく手首や腕も使うため、力の入れ方や抜き方を感じ取りやすくなります。
貼り絵では、のりの量を自分で調整する経験が増えますが、最初から上手に扱うことはむずかしいので、大人が「このくらいの量で試してみようか」と声をかけながら一緒に加減を確かめていくと安心です。
ハサミを使う活動は、手先の不器用さがある子どもにとってはハードルが高く感じられやすい部分です。
放課後等デイサービスの作業療育では、いきなり細かい形を切るのではなく、紙テープを切って「パチン」と音を楽しむ活動から始めることもあります。慣れてきたら、太めの線を引いた紙を用意し、線の上を少しずつ切り進める経験につなげていきます。
折り紙や紙工作も、工夫次第で手先の練習になります。角と角を合わせることがむずかしい場合は、あらかじめ折り筋をつけておいたり、色の目印を入れて「色と色を合わせよう」と伝えたりすると、子どもにとってわかりやすくなります。
紙コップやトイレットペーパーの芯を使って、望遠鏡や動物などを作る活動も、切る・折る・貼る・組み立てる動きが自然と含まれ、達成感も得られやすいあそびです。
作業療育では、工作あそびを通して生活の中で必要な動きにつなげていくことも大切にしています。
例えば、ひも通しやビーズ通しは、ボタンかけや靴ひもを結ぶ動きの土台になる活動です。最初は穴の大きいビーズや厚紙の穴から始めて、少しずつ細かいものにステップアップしていきます。同じ動きでも、色や形を変えると新鮮な気持ちで取り組めるので、子どもが飽きにくくなります。
洗濯ばさみを使って動物の口や太陽の光を表現する工作は、つまむ力を育てるのに向いています。カードの端に洗濯ばさみをつけて「ライオンのたてがみ」を作ったり、紙の魚に洗濯ばさみをつけて「釣りあそび」に発展させたりするなど、子どもの興味に合わせてアレンジがしやすい活動です。
こうしたあそびの中で、「前よりも強くつまめるようになった」「たくさんつけられた」といった成功体験を積み重ねていくことが、生活場面での自信にもつながっていきます。
手先の不器用さは、子ども自身が「頑張っているのにうまくいかない」と感じやすいところでもあり、保護者の方にとっても心配になりやすい部分です。
しかし、放課後等デイサービスの作業療育で、工作あそびを通して少しずつ経験を重ねていくことで、「自分にもできることがある」という実感を育てていくことができます。大切なのは、完璧さを求めるのではなく、その子なりの成長のペースを一緒に見守ることです。
広島エリアで放課後等デイサービスの利用を考えている方に向けて、ゆめラボでは、2026年4月から広島市内で放課後等デイサービスの開始を予定しています。
具体的な場所や体制などの詳細は、今後公式ホームページで順次お知らせしていきます。
お子さまの手先の不器用さや、生活・学習面でのつまずきについて相談したい方は、情報の公開後に見学や個別のご相談も受け付ける予定ですので、気になるタイミングでお気軽にお問い合わせください。
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