「うちの子は人よりちょっと繊細なだけ?」「それとも、児童発達支援事業所に相談したほうがいいの?」──近年「HSC(ハイリー・センシティブ・チャイルド)」という言葉が広く知られるようになり、“性格の範囲”なのか“支援があったほうが良い状態”なのか、悩まれる保護者の方が増えています。
このページでは、児童発達支援事業所ゆめラボで多くのご相談をお受けしてきた立場から、HSC気質と発達特性の違いや、児童発達支援事業所に相談するタイミングの判断軸をわかりやすくご説明します。
「まだ受給者証も持っていない」「本格的な利用までは考えていない」という段階の方にも読んでいただける内容です。
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まず押さえておきたいのは、HSC(とても敏感な子)は“病気”や“診断名”ではなく、生まれ持った気質のひとつだということです。繊細さそのものは、お子さんの大切な個性でもあり、強みの源にもなります。一方で、日常生活の中では「疲れやすい」「刺激に圧倒されやすい」といった困りごととして現れやすいのも事実です。ここでは、ゆめラボに寄せられるご相談でよくうかがうHSC的な特徴を、日常の場面にそってご紹介します。
HSCのお子さんの中には、五感から入ってくる刺激にとても敏感なタイプがいます。
例えば、少し大きめの音や突然のチャイムにびくっとして耳をふさぐ、蛍光灯のちらつきや匂いが気になって集中できない、服のタグや靴下のゴムが気になって着替えを嫌がる……といった様子です。
周りから見ると「ちょっと気にしすぎかな?」と映ることもありますが、本人にとっては“本当にしんどい刺激”として感じられていることが少なくありません。
HSCのお子さんは、相手の表情や声のトーン、雰囲気を敏感に読み取る傾向があります。
誰かが怒られていると自分が怒られているように感じてしまったり、先生やお友達のちょっとした変化に「嫌われたかも…」と心配になったり。
周りへの共感力が高い一方で、常に緊張して過ごすことになり、家に帰る頃にはどっと疲れが出るというケースも多く見られます。
新しい場所や人、行事など“いつもと違う状況”に強い不安を感じやすいのも、HSCの特徴としてよくうかがいます。
初めて行く場所では固まって動けなくなったり、行事の前になるとお腹が痛くなったり眠れなくなったりすることもあります。
これは「わがまま」や「慣れるのが遅い」というより、変化を受け止めるまでに丁寧な準備が必要というイメージに近いかもしれません。
では、HSC的な繊細さがあっても「見守りと環境調整で大丈夫なケース」と、「児童発達支援事業所に相談したほうが安心なケース」は、どこで分かれるのでしょうか。
ここでは、ゆめラボで保護者の方と一緒に確認している3つの視点をご紹介します。「絶対の線引き」ではなく、迷ったときの目安として捉えてみてください。
ひとつ目の視点は、お子さん本人のしんどさです。
・「園(学校)に行きたくない」「お休みしたい」が続いている
・お出かけや行事のたびに強い不安やパニックが起きる
・夜になると泣き出したり、眠りが浅くなったりする
こうした状態が続いている場合、周囲から見ると「なんとか行けている」ように見えても、お子さんの心と体にはかなりの負担がかかっていることがあります。
二つ目は、ご家庭の工夫だけで回っているかどうかです。
保護者の方が声かけやスケジュールの見える化、行事前の丁寧な説明など、さまざまな工夫をされているのに、それでも毎日ヘトヘトになってしまう。兄弟姉妹との時間が取れない、ご自身の睡眠時間が削られている……。
このような状況では、ご家族全体の負担を減らすためにも、外部の専門職の関わりが有効なことが多くあります。
三つ目は、園や学校など家庭以外の場での様子です。
担任の先生や園の先生から、「集団活動のときに固まってしまうことが多い」「刺激が多い場で疲れやすいように見える」といったお話が出ている場合は、環境調整や支援の仕方をチームで考えていくサインといえます。
こうした「家庭+園(学校)の両方での困り感」があるときは、児童発達支援事業所に相談し、第三者の視点からお子さんの様子を一緒に振り返ってもらうことで、次の一歩が見えやすくなります。
「まだ診断もないし、相談するのは早いかも…」と遠慮される方も少なくありません。ですが、児童発達支援事業所への相談は、“困りごとの大小”に関係なく利用していただいてよいものです。ここでは、具体的にどのようなタイミングでご相談いただくことが多いのかをご紹介します。
・年齢の発達の範囲なのかどうか知りたい
・繊細さやこだわりが強いけれど、このまま見守っていてよいのか不安
といった「様子見」の段階でご相談いただくケースは、とても多くあります。
この段階でお子さんの得意・苦手や刺激の受け取り方を一緒に言葉にしていくことで、先回りした環境づくりや声かけがしやすくなります。
・登園・登校前に毎朝ぐったりしてしまう
・行事前になると体調不良が続く
・お友達とのトラブルが増え、自己否定的な言葉が増えてきた
など、生活の中で困りごとが具体的に増えてきたタイミングも、児童発達支援事業所に相談しやすい時期です。
「登園の場面」「給食の場面」「放課後」など、場面ごとに切り分けて一緒に考えることで、少しずつ負担を減らす工夫が見えてきます。
「児童発達支援を利用するには受給者証が必要と聞いたけれど、最初にどこへ相談すればいいの?」「医療機関への受診も考えるべき?」といった、制度面のご質問もよくいただきます。
ゆめラボでは、医師の診断や行政の判断が必要な部分については、必要に応じて専門機関への相談先をご案内しながら、「どこに・どの順番で相談すればよいか」という流れを一緒に確認していきます。
「何から始めればいいか分からない」という段階で、まず児童発達支援事業所に相談して道筋を知るという活用の仕方もあります。
「相談したらすぐに療育を始めないといけないのかな?」と心配される方もいらっしゃいますが、児童発達支援事業所は、“相談の場”として利用していただくことも可能です。ここでは、ゆめラボを例に、どのようなことが相談・支援できるのかを具体的にお伝えします。
まずは、これまでの成長の様子や、園・学校・ご家庭での様子を詳しくおうかがいし、お子さんの得意・苦手や行動の背景を一緒にひもときながら、「どこで困りやすいのか」を見つけていきます。
「集団が苦手」と一言で言っても、音の刺激がつらいのか、見通しが持ちにくいのか、人との距離感が分かりにくいのかなど、理由はさまざまです。
児童発達支援管理責任者をはじめとした専門職が、お子さんの視点・保護者の視点・周囲の環境の視点からアセスメントを行い、今後の支援の方向性を一緒に考えていきます。
相談の場では、ただ話を聞いて終わるのではなく、ご家庭や園・学校で今日から試せる工夫を具体的にお伝えします。
例えば、
・スケジュールを絵や写真で見える化する
・苦手な場面の前後に「休憩タイム」を入れる
・声かけの順番や言葉の選び方を変えてみる
といった、日常生活に取り入れやすいアイデアを一緒に考えていきます。
児童発達支援事業所への相談は、お子さんのためだけでなく、保護者の方ご自身のための時間でもあります。
「本当は怒りたくないのに、つい強く叱ってしまう」「あのときこうしてあげればよかったのでは…」など、誰にも言えなかったお気持ちを安心してお話しいただけるよう心がけています。
ゆめラボでは、責めるのではなく、一緒に“できていること”を見つけながら、これからの関わり方を一緒に考えていきます。
「今すぐ利用を決めないといけない」ということはありませんので、安心してご相談ください。
HSC的な繊細さは、お子さんの豊かな感受性や思いやりの深さにつながる大切な個性です。一方で、環境や関わり方がフィットしていないと、「生きづらさ」や「自己肯定感の低下」として表れてしまうこともあります。
「性格だから我慢させるしかない」と考える必要はありません。少しの工夫や支援で、お子さんもご家族もぐっと過ごしやすくなることはたくさんあります。
もし今、「繊細なだけなのか、支援が必要な状態なのか分からない」「児童発達支援事業所に相談していいのか迷っている」と感じておられるなら、判断を一人で背負わなくて大丈夫です。
児童発達支援事業所ゆめラボでは、見学・個別相談を随時受け付けています。受給者証の有無に関わらず、まずはお気持ちをお聞かせください。
「うちの子に合う関わり方は?」「これからどんな準備をしていけばいい?」といった疑問に、ゆめラボのスタッフが保護者の方と一緒に向き合い、お子さんにとってベストな一歩を探していきます。
気になることがありましたら、どうぞお気軽にゆめラボ各教室までお問い合わせください。
お子さんとご家族が、少しでも安心して毎日を過ごせるよう、スタッフ一同お手伝いさせていただきます。
📞電話:0120-303-519(平日10:00〜18:00)
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