自閉症のある子どもさんのことで、「なかなかことばが出てこない」「呼んでも振り向かない」「何を考えているのか分からない」と不安になる保護者さまは少なくありません。
つい「ことばを増やさなきゃ」と思いがちですが、その前に育てておきたい大切な力があります。それが、視線や表情、身振り、音や感覚を通じて行われる「ことば以前のコミュニケーション」です。
この土台となる力は、特別な教材や道具がなくても、家庭での関わり方を少し工夫することで少しずつ育てていくことができます。
ここでは児童発達支援事業所ゆめラボでの支援経験を踏まえながら、自閉症のある子どもの療育を考える保護者さまに向けて、家庭でできるコミュニケーションの育て方をご紹介します。
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子どもがことばを使えるようになる前には、「人と気持ちを通わせる」「相手の存在に気づく」「自分の思いを何らかの形で伝えてみる」といった段階があります。
自閉症のある子どもさんは、この「ことば以前の段階」に特有のつまずきが見られることがあり、その影響でことばが出にくくなったり、コミュニケーションがすれ違いやすくなったりします。
一方で、自閉症のある子どもさんにも、必ずその子なりの「伝え方」「感じ方」があります。
視線を横からちらっと向ける、お気に入りのおもちゃを黙って持ってくる、大人の手を引っ張る、同じフレーズを繰り返すなど、形は少し独特でも立派なサインです。
そのサインに気づき、受け止めることが、子ども 療育 自閉症を考えるうえで、とても大切な第一歩になります。
ことばよりも先に育てていきたいのが、視線や声、身振りを介した「やりとり」の経験です。
自閉症のある子どもさんは、人よりも物や感覚に意識が向きやすいことがありますが、それでも夢中になっているときの表情や体の動きには、その子なりのメッセージが必ず含まれています。
たとえば、くるくる回るおもちゃをじっと見つめているとき、隣で同じように眺めて「きれいだね」と声を添えると、「自分が見ているものを一緒に見てくれる人」がいる体験になります。
こちらから視線を無理に合わせようとするのではなく、子どもさんが見ているものに大人が近づいていくイメージです。
子どもさんがこちらをちらっと見たときには、「見てくれたね」と心の中で喜びながら、その瞬間を大切にしてあげると、安心してやりとりを重ねやすくなります。
ことばがまだ少ない時期でも、「好き」と「イヤ」を伝えられることは、とても大きな安心につながります。
自閉症のある子どもさんの中には、「イヤ」とことばで言う代わりに、泣く、物を投げる、その場から離れるなどの行動で気持ちを表している場合も多く見られます。
家庭では、子どもさんが選んだり、はっきりと「いい」「よくない」を示しやすい場面を意識して増やしてみてください。
おやつを出すときに二つを見せて、どちらかを指さしたり手を伸ばしたりしたら、その動きを「こっちが好きなんだね」と、大人のことばで丁寧に代弁してあげると良い練習になります。
選びにくそうなときは、目の前に置くものを少なくして、迷いにくい状況を作ることも効果的です。
このように、子どもさんの小さな動きや表情を「合図」として受け止める環境が、ことば以前のコミュニケーションをやさしく支えていきます。
療育というと、「専門家に任せるもの」「特別なプログラムが必要」と感じる方もいるかもしれません。
しかし、自閉症のある子どもさんのコミュニケーションを育てるうえでは、実は家庭での関わり方がとても大きな役割を持っています。毎日の生活の中で、大人と子どもが一緒に楽しんだり、同じ出来事を共有したりする時間そのものが、コミュニケーションの練習になります。
ここでは、保護者さまが今日から取り入れやすい関わり方を、遊びの時間と生活の時間の二つの場面に分けてご紹介します。
どれも完璧にやる必要はなく、子どもさんが安心して楽しめる範囲で、少しずつ試してみることが大切です。
コミュニケーションの土台として、「順番を待つこと」や「相手の動きをまねること」はとても重要です。
自閉症のある子どもさんにとって、ルールのある遊びは少し難しく感じられることもありますが、シンプルなやりとりの遊びから始めると入りやすくなります。
たとえば、ボールをころがす、高い高いをする、くすぐり遊びをするなど、子どもさんが笑顔になりやすい遊びの中で、大人と子どもが交互に動く流れを作ってみてください。
大人が先に動き、「次はどうぞ」と言いながら少しだけ待つことで、「自分の番が来た」という感覚が育っていきます。また、子どもさんの動きを大人がまねてあげることも、立派なコミュニケーションです。
「同じことをしてくれる人がいる」という安心感が、やりとりの意欲につながっていきます。
食事や着替え、お風呂、寝る前の時間など、毎日繰り返される場面は、ことば以前のコミュニケーションを育てる大切なチャンスです。
自閉症のある子どもさんは、「いつも同じ流れ」で過ごすと安心しやすい一方で、その流れの中にさりげなくコミュニケーションのきっかけを入れてあげると、自然な形でやりとりが増えていきます。
たとえば、コップを手渡す前に、子どもさんと目を合わせるタイミングを少しだけ作ってみる、服を選ぶときに二種類を見せて、視線や手の伸び方をよく見て大人がことばにしてあげる、外出前にお気に入りの靴を子どもさんに持ってきてもらい、それを「準備ができたサイン」として受け止めるなど、普段の流れの中でできる工夫はたくさんあります。
こうした積み重ねは、一見すると小さな変化に見えるかもしれませんが、「自分の行動が相手に伝わる」「相手の反応で安心できる」という成功体験を増やし、自閉症のある子どもさんのコミュニケーションの力をゆっくりと支えていきます。
自閉症のある子どもさんのコミュニケーションは、「ことばを教える」ことだけではなく、その前段階にある視線や身振り、表情、選ぶ行動などを、周りの大人がどれだけ丁寧に受け止められるかによって、大きく変わってきます。
家庭でできる療育は、特別なことではなく、子どもさんと一緒に過ごす時間の中で「好きやイヤを尊重すること」「小さなサインを見逃さないこと」「楽しいやりとりを積み重ねること」から始めることができます。
とはいえ、毎日の生活の中で保護者さまだけで工夫を続けるのは、迷いや不安も多く、ときに負担に感じられることもあると思います。
児童発達支援事業所ゆめラボでは、お子さま一人ひとりの特性に合わせて、家庭での関わりも含めたコミュニケーション支援を一緒に考えています。
「今の関わり方で大丈夫かな」「うちの子に合った療育の進め方が知りたい」と感じたときには、どうぞお近くのゆめラボ教室までお気軽にご相談ください。
見学や個別相談を通して、お子さまのペースに合った支援の方向性を、一緒に探していきましょう。
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