発達障害のある子どもにとって、家庭での勉強時間は、がんばりたい気持ちと「なかなか集中できない…」というつらさが混ざる時間になりやすいものです。保護者の方も「今日はスムーズにできるかな」「また声かけでケンカにならないかな」と、少し身構えてしまうことがあるかもしれません。
子どもの療育では、プリントの内容や声かけの工夫も大切ですが、それと同じくらい「どんな環境で学ぶか」が集中力を左右します。机の上におもちゃや本がたくさん並んでいたり、イスが落ち着かない高さだったりすると、それだけでエネルギーを消耗してしまいます。
このコラムでは、児童発達支援事業所ゆめラボの視点から、家庭学習の時間を少しでもラクに、そして「できた!」が増えやすくなるように、机まわりの療育的な環境調整のポイントをお伝えします。今日からできる小さな工夫ばかりですので、ご家庭の状況に合わせて取り入れてみてください。
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発達特性のある子どもは、まわりの音や光、目に入るものの多さといった環境からの刺激を、とても強く受けやすいと言われています。
静かに座っていても、テレビの音、キッチンの物音、机の上の色とりどりの文房具など、さまざまな情報が一度に飛び込んでくると、頭の中がいっぱいになりやすくなります。こうした特性を考えると、「どんなプリントをやるか」よりも先に、「どんな机まわりで学ぶか」を整えてあげることが、集中しやすさを支える土台になります。
ここで大事なのは、「集中できないのは性格の問題」「やる気が足りないから」ではない、という視点です。子ども自身のがんばりとは別に、環境が味方をしているかどうかで、同じ課題でも取り組みやすさが大きく変わります。家庭学習の机まわりを整えることは、子どもの力を引き出すための「見えないサポート」と考えてみてください。
たとえば、注意がそれやすい特性(ADHD傾向など)がある子どもは、音や動き、目に入る物に意識が引っ張られやすく、「やりたくないから集中しない」のではなく「やりたいのに、それどころではなくなってしまう」という状態になりがちです。
また、自閉スペクトラム症のある子どもは、光のまぶしさや机の感触、イスの座り心地など、感覚的な違和感が強いと、それだけで学習どころではなくなってしまうこともあります。
こうした特性がある場合、「勉強のやり方」だけを工夫するよりも、まずは家庭の中で「ここに座ると、少し落ち着いて課題に向かえる」という場所と机まわりをつくってあげることが、とても効果的だとされています。
療育の現場では、発達特性のある子どもが安心して過ごせるよう、「目に入る情報」「耳から入る音」「体が感じる刺激」を整える工夫をよく行います。
たとえば、壁の装飾をシンプルにして視覚情報を減らしたり、強すぎる照明をやわらかいライトに変えたり、決まった場所に決まった道具を置いて見通しを持てるようにする工夫などです。
家庭学習の机まわりでも同じ発想が役立ちます。目に入るものが少ない落ち着いたスペース、子どもの感覚に合った明るさと音の環境、体が安定しやすいイスと机の高さ…。こうした小さな積み重ねが、「すぐに席を立ってしまう」「机に向かう前から嫌がる」といった困りごとをやわらげ、子どもの療育の一部として家庭学習を支えていきます。
「環境が大事なのはわかるけれど、何から手をつけたらいいかわからない」という声も多く聞かれます。
ここでは、ご家庭の机まわりで試しやすいポイントを、療育の視点からご紹介します。
完璧を目指す必要はありません。
子どもと保護者の方、どちらにとっても無理のない範囲で、「これならできそう」というところから1つずつ試してみてください。
まず取り組みやすいのが、机の上に置くものをしぼることです。宿題やプリントに向かう時間だけは、机の上に「今日やるプリント」「えんぴつと消しゴム」「時計やタイマー」「飲み物」くらいにしておくと、それだけで視界が落ち着きます。色とりどりのペンケースやおもちゃ、関係のない本などは、一時的にかごや箱にまとめて、少し離れた場所に置いておくとよいでしょう。
研究でも、目に入る物が多い「視覚的にごちゃごちゃした」環境より、必要なものだけが見える環境のほうが、集中しやすくなることが指摘されています。「子どものやる気がないのかな」と感じる場面でも、机の上をシンプルに整えるだけで、すっとプリントに目が向くことがあります。
片づけを毎回完璧にする必要はなく、「勉強の前に、机の上をいったんリセットする」という小さな習慣を一緒につくっていくイメージで大丈夫です。
机の上だけでなく、イスや足元、照明も、子どもの集中に大きく関わります。足が床につかない高さのイスだと、ぐらぐらと揺れたり、体をよじったりしやすくなります。可能であれば、足がしっかり床につく高さのイスを選ぶか、踏み台や箱などを置いて、足の裏が安定するようにしてみてください。
また、照明がまぶしすぎたり、逆に暗すぎたりすると、それだけで目が疲れてしまい、プリントを見ること自体が負担になります。
天井のライトが強すぎる場合は、スタンドライトを使って、机の上だけやわらかく照らしてあげる方法もあります。
音についても、テレビや動画、家族の話し声などが近くにあると、注意がどうしてもそちらに向かいやすくなります。必要に応じて、静かな部屋を選んだり、音が気になりやすい子どもには、耳をやさしくおおうタイプのイヤーマフや、環境音アプリなどで周囲の音をやわらげる工夫も役立ちます。
家庭での机まわりの工夫は、特別な道具や高価なグッズがなくても、今ある環境を少し整えるだけで始められます。
視界に入るものを減らしてシンプルな机にすること、足元や照明を子どもの感覚に合わせて整えることは、どれも「子どもが悪いから直す」のではなく、「子どもが力を発揮しやすいように、まわりのほうを合わせていく」療育の考え方そのものです。
とはいえ、実際にやってみると「うちの子にはどのくらい片づければいいの?」「このイスで合っているのかわからない」「兄弟がいて環境を分けるのがむずかしい」といった悩みも出てくると思います。
児童発達支援事業所ゆめラボでは、教室での個別支援だけでなく、家庭学習の環境づくりや机まわりの工夫についても、一緒に考えながらサポートしています。
実際の様子をお伺いしたり、「いつもの勉強コーナー」の写真を見せていただきながら、子どもと保護者の方、どちらにとっても負担が少ない方法を提案することも可能です。
ご家庭での工夫だけでは行き詰まりを感じるときや、「この環境で合っているのかな」と不安になったときは、一人で抱え込まず、ゆめラボまでお気軽にお問い合わせください。
見学やご相談のなかで、お子さまの特性に合った家庭学習のスタイルや、続けやすい机まわりの整え方を、一緒に見つけていきましょう。
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