「まねっこ」は、子どもたちが言葉や動き、社会的な関わり方を学ぶうえで、非常に重要な発達のステップです。特に未就学の時期は、模倣行動が豊かになるタイミング。まねることで「できた!」という達成感を味わい、学びの意欲や自信にもつながります。
このページでは、発達に特性のあるお子さまにも取り組みやすい、模倣(まねっこ)力を育てるあそびを20種類ご紹介します。日常の中に自然に取り入れられるようなアイデアばかりです。
ぜひ、ご家庭での遊び時間やちょっとした隙間時間にお試しください。
言葉の模倣は、コミュニケーションの第一歩です。
音のリズムや繰り返しのある遊びで、言葉を耳で聞いて口に出す経験を増やしましょう。
大人が発した言葉をそのまま返すだけのシンプルな遊びですが、言葉を耳で聞き、理解し、口に出すという一連の流れを学ぶのに最適です。
最初は「りんご」「ばいばい」など、子どもが知っている単語から始めましょう。大人が楽しそうに声に出すことで、子どもも真似したくなる雰囲気が生まれます。
慣れてきたら、感情を込めた言い方や、2語文・3語文に発展させていくことで、ことばの理解と言語表現の幅が広がります。
「ガタンゴトン」「ブーブー」「ピーピー」などの擬音語は、意味よりも音の楽しさで子どもの興味を引きやすく、模倣しやすい言葉です。おもちゃの電車やぬいぐるみを使って、「この音は何かな?」と遊びながらやりとりすることで、聴覚と視覚のリンクも育ちます。
保護者が音を出す→子どもが真似する→次の人につなぐ、というリレー形式にすることで、順番の感覚も学べます。
お気に入りの絵本を使って、「こんにちは」「いってきます」などの定型文やセリフを真似して楽しみます。
大人が読むパートと子どもが読むパートを分けたり、キャラクターになりきってセリフを言ったりすると、より感情をこめた表現力の練習にもなります。繰り返し読んでいるうちに、子どもが自然とセリフを覚え、「次は自分で言いたい」という気持ちも芽生えてきます。
「ワンワン」「ニャーニャー」「ガーガー」など、動物や乗り物の音だけでしりとりをしていく遊びです。
言葉に自信がない子どもでも、音の模倣を通じて「発声する楽しさ」に触れることができます。大人が最初の音を出して、次に似た音を探してつなげていく流れにすれば、音の記憶・連想・切り替えの力も自然と育ちます。身近なおもちゃや絵カードと組み合わせるとさらに効果的です。
「いらっしゃいませ」「どうぞ」「ありがとうございます」など、生活の中でよく耳にする定型フレーズを使ったやりとりをまねる遊びです。ぬいぐるみ同士の会話形式や、お店屋さんごっこなど、シチュエーションを作ることで、言葉と行動の一致がわかりやすくなります。
実際のやりとりを模倣することで、社会的コミュニケーションの第一歩を身につけていけます。
全身を使った模倣は、見る力・聞く力・身体の動きをコントロールする力の発達に役立ちます。体を動かすことで、感覚統合や粗大運動機能も育まれるため、運動あそびと模倣を組み合わせた遊びは療育でも非常に効果的です。親子で一緒に笑いながら取り組みましょう。
YouTubeなどの子ども向けダンス動画や、園で歌っている手あそび歌を使って、大人が先に踊って見せ、それを子どもが真似する形で取り組みます。
「グー・チョキ・パー」や「ジャンプ・まわる」など、シンプルな動きから始め、徐々に複雑な振り付けへとレベルアップしていくと、成功体験を積みやすくなります。リズム感や模倣力だけでなく、達成感や身体の使い方にも良い影響があります。
床に座って、足を使わずおしりだけで前に進むレース形式のあそびです。保護者やきょうだいと競争することで、身体を使った模倣の面白さを体感できます。大人が誇張して動くことで笑いも生まれ、模倣への意欲が高まります。また、バランス感覚や体幹の強化にもつながるので、遊びながら運動能力を伸ばせる療育的効果も期待できます。
「ガオー!」「ピース!」「アイーン!」などの決めポーズを、大人が楽しく見せて子どもに真似してもらうあそびです。
鏡を見ながら行うと、視覚的なフィードバックも加わり、より模倣がしやすくなります。慣れてきたら、子ども自身に「好きなポーズを考えて」と促すことで、模倣から創造へと発展させることもできます。表情筋や姿勢のコントロールにも役立ちます。
「すすめ!」「とまれ!」などの簡単な指示語を聞いて動作を切り替えるゲームです。
大人が先にやってみせ、「今は動くよ」「ピタッと止まるよ」と言葉と動作を一致させることで、子どもは見て真似しながら、言語理解と身体の切り替え力を養えます。ルールのある遊びを通じて、集団生活で求められる行動抑制や集中力も身についていきます。
「ワンワン(犬歩き)」「ペンギンさん(よちよち歩き)」「カエルさん(ジャンプ)」など、動物の特徴的な動きを真似するあそびです。
動きを模倣するだけでなく、「これは誰のまねかな?」とクイズ形式にしたり、鳴き声を一緒に出したりすることで、言語や想像力の面でも発展が期待できます。運動量の調整もしやすく、室内外を問わず取り入れやすい遊びです。
日常の中で繰り返される生活動作は、子どもたちにとって自立への第一歩です。
まねっこ遊びの中に生活動作を組み込むことで、楽しみながら自然に「自分でできる」体験を積み重ねることができます。発達に不安のあるお子さまにも、無理なくステップを踏んで支援することが可能です。
おままごとは、ごはんを作る→運ぶ→配膳する→「どうぞ」と言って渡す、という一連の流れを真似ることができる絶好の模倣遊びです。
大人が手順をゆっくり・わかりやすく見せることで、子どもが順番や動作を視覚的に学びやすくなります。料理道具や食器、お弁当箱などの小道具を使うと、より実生活に近づけた経験が可能になります。
ハンカチやタオルなどを「ぱたん」「もう1回ぱたん」と言葉とともに折っていくことで、手先の操作と動作の順序をまねて覚えていく遊びです。
たたんだものを「ここに入れてね」「たたんだね、上手!」と肯定的に声をかけることで、生活への興味や達成感が高まります。小さな達成を積み重ねることで、自分から家事の一部に参加しようとする姿勢が育ちます。
ぬいぐるみに「歯みがきするよ〜」と声をかけながら、大人が手順を見せたあと、子どもにも同じようにまねてもらいます。
「口を開けてね」「上の歯ごしごし」など具体的な声かけとセットにすることで、視覚・聴覚・身体感覚が連携しやすくなります。実際の歯みがき前の導入や、苦手意識のある子へのサポートにも効果的です。
お出かけや登園・帰宅のタイミングで、大人が靴を揃えて見せたあと「○○ちゃんもやってみようか」と促すことで、模倣→習慣化を目指す遊びです。
「くつとくつを仲良しにしようね」「ぴったんこ!」など楽しい声かけを加えることで、行動がより印象に残ります。視覚的な整い感も含めて、生活リズムや整理整頓の基礎が育ちます。
おもちゃの種類ごとに「ぬいぐるみのおうちはここ!」「ブロックはこの箱ね!」と大人が先にお片づけの見本を見せてから、「○○ちゃんもまねして入れてみよう!」と遊び感覚で促します。
タイマーを使った「よーいスタート!」形式や、きょうだいとの競争形式にすると、集中力も高まり、楽しみながら整理整頓の力が身につきます。
模倣は、社会的なルールや人との関わり方を身につけるための大切な入り口です。
あいさつや順番を守ること、感情を表現することなど、他者とのやりとりに必要なスキルを遊びを通じて楽しく学んでいきましょう。模倣から実生活への応用へつなげることで、集団行動への自信にもつながります。
人形やぬいぐるみを使って、「おはよう」「こんにちは」「ありがとう」「さようなら」などのあいさつを再現します。
子どもは第三者的に人形同士のやりとりを見ることで、感情的なプレッシャーが軽減され、自然に言葉の模倣ができるようになります。人形を介して声のトーンやタイミングを体験し、徐々に実生活の中で使えるあいさつ力へとつなげていきます。
「じゃんけんぽん!」のかけ声に合わせて手を出す動作を真似することで、音声の模倣・手の動き・タイミングを合わせる力が育ちます。
勝ち負けの結果に対するリアクション(喜ぶ・悔しがる)もセットで経験することで、感情表現や相手の気持ちへの気づきも育まれます。リズムに合わせてテンポよく繰り返すことで、遊びながら集中力や切り替えの力も身につきます。
「いらっしゃいませ」「100円になります」「発車します」など、役割に応じたセリフや動作を真似しながら、ごっこ遊びを展開します。
店員・お客、運転手・乗客など、役を交代しながらやりとりすることで、他者との関係性を疑似体験できます。日常で耳にする言葉や場面を再現することで、子どもが社会の一員として関わる自信を育てていきます。
「○○ちゃんの次は□□くん」など、並ぶ順番や行動の順序を模倣して学ぶゲームです。
大人が並び方や動き方を見せてから、子どもたちに真似してもらう形で進めます。視覚的に順番が見えるように、マットやマークを使って誘導するのも効果的です。順番を守る力は集団生活の中でとても大切なスキルであり、模倣から始めることで安心して学ぶことができます。
「うれしい顔」「かなしい顔」「おこった顔」など、表情の真似を通して感情の理解と表現を促す遊びです。
鏡を使って表情を見たり、大人がオーバーに感情を表現して見せたりすることで、子どもは自然と気持ちの違いに気づいていきます。感情表現の引き出しを増やすことは、トラブル時の自己コントロールや、相手の気持ちを想像する力にもつながります。
模倣は「できるようになる」ことの原点です。
ことば、動き、生活動作、そして社会的なふるまいも、最初は誰かの真似から始まります。ゆめラボでは、この模倣の力に着目し、ひとりひとりの発達段階や特性に合わせて、無理なくステップを踏みながら支援を行っています。
視覚的な手がかりや、繰り返しの経験、安全な環境の中での挑戦を大切にしながら、お子さまが「見て、やってみて、できた!」と感じられる機会を日々の療育の中にたくさんちりばめています。
成功体験を重ねることで、自己肯定感や挑戦する気持ちが育ち、その先の自立や社会参加へとつながっていきます。
ゆめラボでは、無料見学・個別相談・体験利用も随時受付中です。
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