「順番を待てない」「切り替えが苦手」「すぐにかんしゃくを起こしてしまう」――そんなお悩みを抱える未就学児の保護者さまへ。
発達障害のあるお子さまや、療育の支援を受けているお子さまにとって、“待つ”ことはときに大きなハードルとなります。
しかし、適切な声かけや環境の工夫で「ちょっと待つ」経験を積み重ねていくことで、少しずつ「待てた!」という成功体験を得ることができます。それはやがて、集団生活のルールを守る力、自分をコントロールする力へとつながっていきます。
このページでは、発達に特性のある未就学児にも無理なく取り組める、「3分でできる“ちょっと待つ”練習」を具体的にご紹介します。すぐに実践できる家庭療育のアイデアとして、ぜひご活用ください。
INDEX
「待てない」子どもには、発達障害特性や認知・感覚の課題など、様々な背景があります。療育の視点から、その子の行動の理由を知ることが、適切な支援につながります。
発達障害のある子どもは、「あとどれくらい?」「次に何をするの?」という時間や行動の見通しが持ちにくいことが多くあります。
そのため、「待っている間にどうなるかわからない」「今の状態がいつ終わるのか見えない」といった不安や混乱が行動の爆発(かんしゃく)につながることも少なくありません。
療育現場では、視覚的なタイマーや絵カードを使って、待ち時間を具体化・見える化する工夫が効果を上げています。
やりたいことを止める、今している活動を中断する、という「気持ちの切り替え」は、発達障害のある子どもにとってとても難しい課題のひとつです。
待つことは、欲求を抑える・次のことへつなぐ力を必要としますが、それがうまくいかないと泣いたり怒ったり、衝動的に動いてしまうことがあります。
そうしたときには、療育の中でもよく行われている「予告」「選択肢の提示」「切り替えスケジュール」などを、家庭でも取り入れてみましょう。
「待てた!」という経験が乏しい場合、子どもにとって“待つこと”自体にポジティブな印象がありません。
発達に課題のある子どもほど、日常の中で「できないね」「なんで待てないの」と言われやすく、自信をなくしてしまうこともあります。
家庭療育では、ほんの数秒でも待てた瞬間にすかさず褒めたり、ごほうびを提示したりするなど、成功体験を意識的に積み重ねていくことが重要です。
ここでは、家庭で簡単に実践できる「待つ力」のトレーニング方法を3つご紹介します。いずれも3分以内ででき、発達障害のお子さまにも取り入れやすい療育的視点を取り入れた練習です。
砂時計やデジタルタイマーを使って、「あと○分で交代しようね」「ピピッと鳴ったら次の人ね」と伝え、時間の“見える化”を行います。
発達障害の子どもにとって、耳で聞く情報だけではなく視覚的に理解できる工夫が非常に有効です。
療育現場でも、交代のルールや順番の理解にタイマーが役立つ場面が多くあります。家庭でも、遊びの切り替えやきょうだいとの順番待ちにぜひ活用してみましょう。
「お皿を洗ったら一緒に遊ぼうね」「絵本が終わったらおやつにしようね」など、時間ではなく行動の区切りで“待つ”経験をつくる方法です。
発達障害のあるお子さまにとって、時計で「3分」と言われても感覚がつかみにくいため、生活の流れに合わせた表現に置き換えることで、理解しやすくなります。
これは療育の基本スキル「構造化」にも通じる考え方で、家庭の中でもすぐ実践可能です。
例えば、お菓子を目の前に置いて「まだだよ、3つ数えたら食べようね」と伝えたり、ぬいぐるみを並べて「順番にタッチしていこうね」とルールを作って待つ練習をします。
このようなごく短時間の“我慢”を経験することで、自己コントロールの力が育っていきます。
特に発達障害を持つお子さまには、できた瞬間をしっかり言葉にして褒める「即時のフィードバック」が非常に効果的です。
「待てるようになる」には、子どもの成長を焦らずに見守りながら、保護者の方が適切なサポートを続けていくことが欠かせません。発達障害のあるお子さまや、療育支援を受けている子どもにとっては、周囲の対応や声かけが大きな安心材料となります。
ここでは、待つ練習を継続するうえでの家庭でのかかわり方をご紹介します。
たとえ1秒でも、少しでも“待てた”瞬間があれば、すぐに具体的な言葉でしっかりほめましょう。
「今、ちゃんと待ってたね」「3まで数えて我慢できたね、すごいね」といった行動を言語化した賞賛は、発達障害のあるお子さまにとって自信や安心感を育てる大切な支援です。
療育現場でも、肯定的なフィードバックを繰り返すことで行動の定着を図るアプローチは基本となっています。
最初から「5分待って」と求めるのではなく、まずは「3秒」「10秒」など超短時間の成功からスタートしましょう。成功体験を積み重ねていくことで、自然と待てる時間が延びていきます。
発達障害の子どもにとっては、感覚過敏や衝動性なども影響するため、無理をさせず段階的に支援していくことがとても大切です。
これは、家庭でできる「スモールステップ療育」としても有効です。
「じっと座っているより、動いている方が落ち着く」「音よりも絵や図の方が理解しやすい」など、発達障害のあるお子さまはそれぞれ違った得意・不得意があります。
お子さまの特性に合わせて、「タイマー」「絵カード」「ボディタッチ」など、伝え方を調整することが療育の基本です。
家庭でも、一律の関わり方ではなく“うちの子に合う支援”を見つける意識を持つことが、継続的なサポートにつながります。
「待つ」という行動は、実は非常に複雑な力の組み合わせによって成り立っています。
視覚的な見通し、時間の感覚、自己コントロール、衝動の抑制、他者との関係性、これらすべてを少しずつ育てていくことが、将来的な集団生活への適応や、社会性の発達につながっていきます。
児童発達支援事業所ゆめラボでは、発達障害のある未就学児を対象とした個別療育の中で、こうした「待つ力」を段階的に育てる取り組みを行っています。
お子さまの特性やペースに合わせて、タイマーやスケジュールカード、視覚的な支援ツールなどを活用しながら、遊びの中で「ちょっとだけ待つ」→「もう少し待てた」→「しっかり待てた!」というように、成功体験を積み重ねていきます。
「園でうまく順番が待てない」「気持ちの切り替えに困っている」「家庭での関わり方に迷っている」そんなお悩みをお持ちの保護者さまも、まずはお気軽にご相談ください。
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