「動画ばかり見ていて大丈夫?」「アニメの影響が気になる…」
発達障害のあるお子さまを育てている保護者の方にとっても、動画やアニメなどのメディアとの付き合い方は大きな悩みのひとつではないでしょうか。
特性により映像へのこだわりが強かったり、切り替えが難しかったりすることは珍しくありません。
ですが、ルールや環境を工夫することで、メディアとの関係をポジティブなものに変えることも可能です。
このページでは家庭でできる支援の工夫や、年齢・発達に応じたメディアとの付き合い方を、わかりやすくご紹介します。
療育の現場でもよく話題になるテーマですので、ぜひご参考になさってください。
INDEX
動画やアニメといったメディアは、子どもにとって楽しく魅力的な存在です。
一方で視聴時間の長さやコンテンツの内容によっては、発達や生活リズムに影響を与えることもあります。
良質なメディアコンテンツには、言葉の習得・社会性の理解・想像力の育成などに役立つものも多くあります。たとえば「○○レンジャーになりきってルールを守る」「英語の歌に合わせてリズムを楽しむ」といった経験は、遊びの延長でありながら学習的な側面も持ちます。
一方で長時間の視聴や刺激の強い映像ばかりに触れていると、睡眠不足や集中力の低下、感情のコントロールが難しくなるといった影響が出ることもあります。特に発達に課題がある子どもにとっては、過剰な刺激が落ち着きを奪う要因になることがあります。
「何分までOK?」「週末だけ?」といった疑問は多くの保護者が抱える悩みです。家庭ごとのルールが必要であり、一律の“正解”は存在しませんが子どもの特性と生活全体のバランスを見ながら調整する視点が求められます。
動画やアニメとの付き合い方を考えるうえで重要なのは、「禁止」や「制限」一辺倒ではなく年齢や発達特性に応じて“上手に付き合う”方法を見つけることです。児童発達支援の現場でも、「見せすぎてはいけないけど、どうすれば良いか分からない」「ルールを決めても守ってくれない」といった声をよく耳にします。
ここでは未就学児・小学生・発達特性のあるお子さんそれぞれに合わせた、現実的で取り組みやすいルール作りのポイントをご紹介します。
3歳~6歳頃の未就学児は、まだ「あと10分」「1時間だけ」などの時間的な概念や抽象的なルールを理解するのが難しい時期です。
そこで有効なのが、視覚的・体感的に伝える工夫です。
大切なのは“終わることが悪いこと”ではなく、楽しいことの切り替え先が用意されていると子どもが感じられることです。
小学校に入るとある程度の論理的思考や自己主張ができるようになってきます。
ここでは一方的に決めるのではなく、子どもと一緒にルールを考えることが非常に重要です。
話し合って決めたルールには納得感があり、子ども自身の“自己決定感”を育てることにもつながります。
またルールが守れなかった場合も「どうしてかな?」「次はどうしたら守れるかな?」と、振り返りを共に行うことが、ルール定着の近道です。
発達障害(ASD、ADHD、LDなど)のあるお子さんは、メディアに強く惹かれやすい一方で切り替えや視覚刺激の調整が難しいという傾向がよく見られます。
たとえば以下のような困りごとがよくあります:
こうした場合には、本人の特性に合わせた“視覚的・具体的”な支援が効果的です。
児童発達支援の現場でも動画がきっかけで癇癪・感情の爆発につながるケースは少なくありません。
だからこそ家庭での支援と合わせて、一人ひとりに合った支援方法を専門職と共有することがよりよいメディアとの関係構築につながります。
動画やアニメとの適切な付き合い方を実現するためには、支援の現場だけでなく家庭での工夫や環境づくりが欠かせません。
特に発達特性を持つお子さんにとって、「視覚刺激の強さ」「切り替えの難しさ」「言葉による指示理解」など、メディアがもたらす影響は一律ではありません。
家庭内で意識したいのは、「ただ制限する」よりも「どうすればより良く付き合えるか」という前向きな視点です。
ここでは、児童発達支援事業所ゆめラボでも実際に提案している、実践的な家庭支援の工夫をご紹介します。
まず第一に見直したいのは、子どもがどのような環境でメディアに触れているかです。
生活の中でルールや枠組みがあいまいだと、動画やアニメの視聴時間が増えすぎたり生活習慣に影響を及ぼしたりすることがあります。
特に発達に課題のあるお子さんにとって、見通しが立つこと=安心感につながります。家族全体で「メディアは使っていいけど、時間と場面は決めようね」という一貫した方針を持つことで、子ども自身のセルフコントロール力も徐々に育っていきます。
「やることがないから動画を見てしまう」という状況はよくあることです。
そこで大切になるのが、子どもが興味を持てる“選択肢”をあらかじめ用意しておくことです。
これは「先回りの支援」のひとつでもあります。
また子どもと一緒に遊びの棚やボックスを整える活動自体が楽しい共同作業になります。
「この遊びが好きだったね」「またこれで遊ぼうね」と話しながら選択肢を増やしていくことで、メディアに頼らない時間が自然と増えていきます。
動画やアニメの視聴時間が必ずしも“悪”ではありません。
むしろそれをきっかけに親子の会話や共通体験が生まれるのであれば、十分に意味のある時間だと考えられます。
例えば次のような関わり方は、家庭内のコミュニケーションを深めるだけでなく子どもの感情表現力や記憶の整理にも役立ちます。
親子のやりとりが増えることで、「動画=静的な一人の時間」から「対話の起点」へと意味が変わっていきます。
これは特に言葉の発達や想像力の育成にもつながる有効なアプローチです。
児童発達支援事業所の現場では、ここ数年「メディアとの付き合い方」についての相談が確実に増えています。
特にタブレットやスマートフォンの普及により、未就学児のうちからYouTubeやアニメに慣れ親しんでいる子どもが増えています。
その一方で視覚刺激や音への過敏さ、切り替えの難しさ、感情コントロールの課題など、発達の特性を持つ子どもにとってはメディアとの距離感に悩む家庭も少なくありません。
私たち児童発達支援の専門職にとって大切なのは、「一律に禁止する」のではなく、「その子にとって、どのような活用が最適か」を丁寧に見立てていく姿勢です。
動画やアニメは一見すると受動的な活動に見えますが、内容や視聴の仕方によっては、子どもの学びや社会性の発達を支えるツールにもなり得ます。
たとえば言葉のやり取りをモデル化してくれる知育番組や、協調行動を描いたストーリー仕立てのアニメは、「まねしてみたい」「あの子みたいになりたい」といった模倣意欲や共感性を刺激する要素を持っています。
ゆめラボでは、保護者の方が不安に思う「この動画は見せていいの?」「うちの子は長時間見てしまうけど大丈夫?」といった悩みに対して、一緒に視聴状況を振り返り、生活全体とのバランスをとった上での“活かし方”をアドバイスしています。
児童発達支援の現場だけで支援が完結することはありません。
子どもにとって最も影響の大きい「家庭での過ごし方」こそが、支援の要です。私たちは、支援の場だけでなく、家庭生活の中で「どのようにルールを伝えるか」「どうすればトラブルを減らせるか」といった具体的な方策までを共有するよう努めています。
たとえば、「動画終了の5分前に視覚タイマーで予告する」「見終わったあとに今日の感想を親子で共有する」「週末におすすめ動画リストを一緒に作る」など、家庭の中で無理なく取り入れられる仕組み作りをサポートしています。
こうした取り組みは支援の再現性を高めるうえでも重要です。
「動画やアニメの話なんて、児童発達支援でしていいのかな?」と戸惑う保護者の方もいらっしゃいます。
しかし子どもの行動や生活の中にある日常的な悩みこそが、支援のきっかけになるのです。
ゆめラボでは、保護者の「ちょっと気になっていること」「言葉にしにくい不安」も気軽に相談できるような雰囲気づくりを大切にしています。特に動画視聴に関しては、その子の特性・家庭の生活スタイル・親の価値観のすべてを尊重したうえで、一緒にルールを模索していく支援を行っています。
また支援のなかで「家庭で動画を活用して感情表現の練習をした」「兄弟と動画をテーマに会話が増えた」といったポジティブな変化が見られることも少なくありません。
動画との付き合い方を変えるだけで、家庭全体のコミュニケーションや生活リズムが整うこともあるのです。
動画やアニメは子どもにとって楽しい時間であり、成長を促す可能性も秘めた存在です。
大切なのは、家庭でのルールづくりと子どもの状態を見ながら上手に付き合う工夫です。
困ったときは一人で抱え込まず、児童発達支援事業所の専門家と一緒に考えていきましょう。
「メディアとの付き合い方に悩んでいる」「家庭での支援の方法を知りたい」
そんな方は、ぜひ一度ゆめラボにご相談ください。
電話:0120-303-519(平日9:00〜18:00)
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