言葉の前段階として大切な「指さし」や「視線合わせ」。見たいものを伝える力、相手と気持ちを共有する力は、コミュニケーションの土台となる力です。
これらの力は自然に育つこともあれば、環境や関わり方によってゆっくりと育まれていくこともあります。
このコラムでは、ご家庭で気軽に取り入れられる「遊び」を通じて、子どもの「見たい・伝えたい」という気持ちを自然に引き出す工夫を紹介します。
特別な道具や準備は必要ありません。毎日の生活の中で、親子で一緒に楽しみながら育める関わりを、ぜひお試しください。
遊びの中で「できた!」の瞬間がきっと見つかります。
INDEX
まずは、子どもの視線を引きつけるあそびから。目を引く動きや色を取り入れながら、「見る」力を養い、視線の共有を促していきます。
視線合わせは一方通行の行動ではなく、「一緒に見ている」「共有している」という感覚が大切です。
遊びの中で、子どもと“同じものを見て笑う”体験を重ねていきましょう。
ラメ入りスライムや光るおもちゃなど、視覚的に魅力的なアイテムは「何それ?見せて!」という気持ちを引き出すきっかけになります。
「見ててね〜」と声をかけてから動かすことで、子どもの視線が自然と向かい、見てくれたタイミングで「見てくれたね!ありがとう」と喜びの反応を返しましょう。
視線を合わせる楽しさ、見てくれたことを喜んでもらえる安心感が、子どもの内側からの「見たい」「伝えたい」を育ててくれます。
バスやトラック、鳥や雲など、窓の外には子どもが夢中になれる対象がたくさんあります。
「今、バスが通ったよ!」「青い車だね〜」と大人が気づいて声をかけてあげることで、子どもも自然と視線を向けてくれるようになります。
同じものを見ながら会話する経験が積み重なることで、視線の共有が「楽しいこと」だと感じられるようになります。
ふわふわと空中を舞うシャボン玉は、追いかけるだけで楽しい遊びです。
「どこ行ったかな?」「あっちに飛んでいったね!」と一緒に目で追いながら、時には「今見てたね!」とアイコンタクトの瞬間を大切にしましょう。
視線のやり取りが自然と生まれ、言葉を使わずとも“通じ合う”体験につながります。
「指さし」は、子どもが自分の意思を伝える初期の大切な手段です。
選べる楽しさ、伝える喜びを実感できるようなシチュエーションをつくることで、指さし行動を自然と引き出すことができます。
焦らず、「伝えたら応えてもらえるんだ!」という成功体験を積み重ねることがポイントです。
「ぶどうとりんご、どっちがいい?」と2択で提示し、子どもが視線や指さしで示した方を渡すだけのシンプルな遊びです。
「そっちが食べたいんだね」「選べてすごいね」と受け止めることで、子どもは自分の意思が伝わったことを嬉しく感じます。
この体験の積み重ねが、指さし→言葉への発達にもつながっていきます。
動物や果物、乗り物など身近なテーマの絵カードを並べて「好きなのある?」と聞くと、子どもは指さしや視線で反応してくれることがあります。
すぐに「これだね!○○が好きなんだね!」と返すことで、表現する楽しさと安心感が得られます。
発語がまだ出ていない子でも、豊かなやり取りが生まれます。
本物のおやつやおままごと道具を並べて、「いらっしゃいませ〜どれにしますか?」と声かけをしてみましょう。
子どもが選んだものを実際に手渡すことで、「伝えたら欲しいものがもらえた」という嬉しい成功体験になります。
遊びを通して、指さしや視線による“伝える力”が育っていきます。
目を合わせるという行動には「相手と通じ合いたい」という意志が込められています。
遊びを通して、目が合う心地よさ、通じ合えた喜びを体験することで、視線合わせへの抵抗感がやわらぎ、自然なやりとりが生まれていきます。
赤ちゃんのころから人気の定番あそび。
「いないいな〜い…ばあっ!」の瞬間に笑顔で見つめ返すと、子どももつられて目を合わせてくれます。
見つめ合う楽しさが、やり取りの第一歩になります。
「ママとタッチ」「次はパパとタッチ」など、順番に行うことで待つ→注目する→動作する流れが生まれます。
手を差し出して目が合った瞬間に「うれしいね!」と声をかけると、視線を交わすことがうれしい体験に変わっていきます。
大人が「おててパチパチ」「ばんざーい」などの動きを見せ、それを真似してもらう遊びです。
真似ができたら拍手や笑顔で応え、「よく見てたね!」「一緒にできたね!」と視線を合わせて喜びましょう。
模倣→視線→共有のサイクルで、コミュニケーションの力が自然と育まれます。
「自分の思いが伝わった」という体験は、言葉の芽を育てるための大切な土台です。
遊びの中で「もっとこうしたい」「これが好き」という気持ちが引き出されると、自然と指さしや声かけ、視線などの表現行動につながっていきます。
お気に入りのおもちゃを布やタオルで隠し、「どこにあるかな〜?」と問いかけると、子どもは目を凝らしたり、探したりし始めます。
見つけた瞬間に「見つけたね!」「やったー!」と共感しながら視線を交わすことで、達成感がより強くなります。
簡単な遊びでも「伝える→返ってくる」の流れがしっかり体験できます。
ぬいぐるみを使って「こんにちは」「遊ぼうよ〜」とセリフをつけて演じてみましょう。
子どもがぬいぐるみに注目し、動きを追ったり反応を返したりする中で、自然な視線共有が生まれます。
見立て遊びは、気持ちを代弁してくれる安心感にもつながります。
「〇〇ちゃ〜ん!」と呼びかけたあと、少し間をあけて待ちます。視線を向けてくれたら拍手し、「お返事ありがとう!」と気持ちを言葉にして伝えます。
「呼ばれた→注目された→喜んでもらえた」体験が、視線合わせや返答行動を促すきっかけになります。
ゆめラボでは、一人ひとりの発達段階や特性に合わせて、指さしや視線合わせなどの初期コミュニケーションを丁寧に支援しています。
ご家庭での取り組みに加えて、保育士や言語聴覚士などの専門職が、遊びを通じて「伝える」「通じ合う」喜びを積み重ねていくお手伝いをしています。
「最近視線が合いにくいかも」「伝えたい気持ちはあるけれど、うまく出せていない気がする」など、気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
見学・無料体験は随時受付中です。
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