「また連絡帳を出し忘れていた」「明日の教科書を入れていなかった」「プリントがランドセルの奥でぐちゃぐちゃになっていた」。
小学生になると、園生活のころよりも自分で持ち物を扱う場面が一気に増えます。
時間割を見て教科書やノートを用意する、連絡帳を確認する、配布されたプリントを保護者に渡す、提出物を次の日に持っていく。大人には小さな作業に見えても、子どもには負担が大きい場面です。判断、記憶、行動の切り替えが続くためです。
忘れ物が続くと、保護者の方も「何度言えばわかるのだろう」「本人に任せた方がいいのか、手伝った方がいいのか」と悩みやすくなります。けれども、注意を増やすだけでは忘れ物が減らない子もいます。
このページでは、発達特性のある小学生や、発達が気になる小学生に見られやすい忘れ物の背景をふまえながら、家庭でできるランドセル準備の支援、チェックリストの使い方、声かけの工夫、放課後等デイサービスでできる持ち物管理支援について確認します。
INDEX
忘れ物が多い子どもを見ると、「聞いていない」「気をつけていない」と受け取られやすいことがあります。しかし、発達が気になる小学生の場合、覚えておく、順番に動く、必要な物を選ぶ、最後に確認するという流れの途中で抜けやすくなります。
ランドセルの準備は、ただ物を入れる作業ではありません。時間割を見て、明日の授業を思い出し、必要な教科書やノートを選び、提出物を入れ、不要な物を出し、最後に確認するという複数の行動が重なっています。ここにつまずきがあると、本人は頑張っていても忘れ物が続きます。
忘れ物が続くと、「何度か失敗すれば覚えるのでは」と考えたくなることがあります。もちろん経験から学ぶ場面もありますが、発達特性が関係している場合、叱られた経験だけが残り、次に何を変えればよいか分からないままになります。
たとえば、前日の夜には「持っていく」と思っていた物でも、朝になると別の刺激に気を取られて忘れてしまう子がいます。帰宅後に連絡帳を出すつもりだったのに、テレビや遊びに意識が向いて、そのままランドセルを開けない日もあります。
このような場合、「忘れないで」と言うだけでは行動につながりません。本人が目で見て分かる形にすること、確認する時間を決めること、どこから始めるかを短い手順にすることが大切です。
ADHD傾向がある子どもは、注意がそれやすく、目の前の物や音に反応して本来の作業から離れてしまうことがあります。ASD傾向がある子どもは、いつもと時間割が変わった日や、急な持ち物変更がある日に混乱しやすくなります。読み書きに苦手さがある子どもは、連絡帳の文字を読むことや、黒板に書かれた持ち物を写すこと自体に負担を感じます。
また、ワーキングメモリに弱さがあると、「明日は図工だから絵の具が必要」「でも算数のノートも入れる」「連絡袋も出す」といった複数の情報を頭の中に置いたまま動くことが難しくなります。途中で別のことを思い出すと、最初にやろうとしていたことが抜けてしまいます。
忘れ物対策では、本人の記憶力だけに頼るよりも、目で見て確認できる手がかりを置く方が取り組みやすくなります。
小学生の持ち物は、学年が上がるにつれて増えていきます。国語、算数、生活、理科、社会、音楽、図工、体育など、教科ごとに必要な物が変わります。さらに、給食袋、体操服、上履き、図書の本、水筒、連絡袋、提出プリントなど、授業以外の物もあります。
学校では、先生が毎回一人ずつ荷物を確認してくれるわけではありません。放課後は疲れも出やすく、帰宅後にランドセルを開ける前に気持ちが切れてしまう子もいます。そのため、家庭での確認は「親が全部やる」のではなく、「子どもが見て動ける形に変える」ことが必要です。
小学生の集中力を育てる机上療育あそびと同じように、持ち物管理も一度で身につくものではありません。
短い手順を毎日くり返し、できた経験を積むことで、少しずつ自分で確認する力が育っていきます。
ランドセル準備が苦手な子どもには、いくつか共通して見られやすい姿があります。単に中身が散らかっているというよりも、どこに何があるか分からない、必要な物を取り出せない、持ち帰った物を家庭に出せない、明日の準備につなげられないという困りごとが重なっています。
保護者の方が確認したいのは、「ちゃんとできているか」だけではありません。どの場面で止まっているのかを見ることで、必要な支援が変わります。
小学生の忘れ物で多いのが、プリントや連絡帳の出し忘れです。学校から大切なお知らせを持ち帰っていても、ランドセルの中に入れたままになり、保護者が気づいたときには提出日が過ぎていたというケースがあります。
背景には、帰宅後の流れが決まっていないことがあります。帰ったら靴を脱ぐ、手を洗う、遊ぶ、宿題をするという流れはあっても、「ランドセルを開けて連絡帳とプリントを出す」という行動が生活の中に入っていない場合があります。
また、連絡帳を見ることに負担がある子もいます。文字を読むのが苦手だったり、どこを見ればよいか分からなかったりすると、連絡帳そのものを開きたがらなくなります。その場合は、保護者が「連絡帳を出して」と言うだけでなく、帰宅後すぐに出す場所を決めておくと、行動につながりやすくなります。
時間割を見ながら準備することは、発達が気になる子どもにとって難しい作業です。国語の教科書は入れたけれどノートを忘れる、算数のノートは入れたけれどドリルを忘れる、月曜日の時間割を見ているつもりが火曜日の準備をしていたということもあります。
「時間割を見れば分かるでしょ」と言われても、本人はどこを見ればよいのか、教科書とノートをどう組み合わせればよいのか、途中で迷ってしまいます。特に、教科書の表紙が似ていたり、ノートの色が近かったりすると、見分けることに時間がかかります。
この場合は、教科ごとに色や置き場所を分ける、時間割を見ながら一教科ずつ確認する、終わった教科に印をつけるなど、作業を細かく分けると取り組みやすくなります。
ランドセルの中に、前の週のプリント、使い終わったノート、折れた紙、学校で作った作品の一部などが残ったままになる子もいます。本人にとっては、それが必要なのか不要なのかを判断することが難しい場合があります。
「これはもういらないでしょ」と大人がすぐに決めてしまうと、子どもは自分で判断する経験を積みにくくなります。一方で、全部を本人任せにすると、何から見ればよいか分からず止まってしまうこともあります。
最初は、保護者が横で見ながら「明日使う物」「家の人に見せる物」「学校に戻す物」という形で分けていくと、判断の軸が見えやすくなります。慣れてきたら、子ども自身が一つずつ確認できるようにしていきます。

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家庭での忘れ物対策は、特別な教材を用意しなくても始められます。まず見直したいのは、持ち物を置く場所、準備する時間、親子で確認する流れです。この三つが毎日変わると、発達が気になる子どもは次の行動を思い出しにくくなります。
反対に、置く場所と時間と流れが決まっていると、子どもは「次に何をするのか」を思い出しやすくなります。大切なのは、保護者がすべて管理することではなく、子どもが自分で気づける環境を作ることです。
忘れ物を減らすには、まず物の戻し先を決めることが必要です。連絡帳はランドセルの外ポケット、筆箱は机の右側、給食袋は玄関近くのフック、提出プリントは保護者に渡すトレーなど、物ごとに戻す場所を固定します。
場所が決まっていないと、毎回「どこに置いたかな」と探すことになります。探す時間が長くなると、途中で別のことに気が向き、準備そのものが止まりやすくなります。
最初は、保護者が置き場所を一緒に決めます。子どもが使いやすい高さか、ランドセルを開いたときに取り出しやすい位置か、朝の動線に合っているかを見ていきます。大人にとって便利な場所ではなく、子どもが一人で戻せる場所にすることがポイントです。
ランドセルの準備は、疲れ切った夜遅くや登校直前に行うと、抜けが出やすくなります。発達が気になる子どもは、急かされると余計に混乱しやすいため、時間に余裕がある場面で行う方が取り組みやすくなります。
夕食前や入浴前など、家庭の中で毎日続けやすい時間に設定します。「夜になったら準備」ではなく、「夕食前に明日の時間割を見る」のように、具体的な行動と結びつけると習慣になりやすくなります。
朝は最終確認の時間にします。前日の夜に準備をしておき、朝はランドセルを開けてチェックリストを見るだけにしておくと、出発前の慌ただしさを減らせます。
「準備できた?」と聞くと、子どもは中身を確認しないまま「できた」と答えることがあります。本人が嘘をついているのではなく、何をもって完了なのか分かっていないのです。
そのため、確認するときは「国語の教科書は入っているかな」「連絡帳はどこにあるかな」「明日出すプリントは入れたかな」と、一つずつ見る流れにします。慣れるまでは保護者が横にいて、子どもが自分の手で確認する形にします。
ここで大切なのは、保護者が代わりに入れて終わらせないことです。時間がない日は手伝うこともありますが、基本は子どもが見る、選ぶ、入れる、確認する経験を重ねることです。小さな手順でも自分でできた経験が増えると、学校生活への不安も軽くなります。
チェックリストは、忘れ物対策で使いやすい支援の一つです。ただし、紙に持ち物を書いただけでは使いこなせない子もいます。発達が気になる小学生には、見た瞬間に何をすればよいか分かる形にすることが必要です。
チェックリストは、子どもを管理するための紙ではありません。自分で確認する力を育てるための手がかりです。保護者が毎回言葉で指示する代わりに、子どもがチェックリストを見て動けるようにしていきます。
文字を読むことに負担がある子どもには、写真やイラストを使ったチェックリストが合いやすいです。国語の教科書、算数ノート、連絡帳、筆箱、給食袋など、実際に使っている物の写真を貼ると、何を入れるのかがすぐに見つかります。
特に低学年の子どもや、読むことに苦手さがある子どもは、「連絡袋」と文字で書かれるよりも、実物の写真を見た方が動きやすいことがあります。写真を見て同じ物を探す形にすると、親子のやり取りも短くなります。
声かけも、「ちゃんと見て」ではなく、「この写真と同じ物を入れよう」と伝える方が具体的です。目で見て分かる手がかりがあると、子どもは自分で動き始めやすくなります。
時間割を見ながら準備する場合は、教科ごとに確認できる形にすると抜けが減りやすくなります。国語なら教科書、ノート、漢字ドリル。算数なら教科書、ノート、計算ドリル。図工なら作品袋や材料。体育なら体操服や赤白帽子というように、教科と持ち物を結びつけます。
一度に全部を確認しようとすると、途中で分からなくなりやすい子もいます。その場合は、時間割の一時間目から順番に見ていきます。一つの教科が終わったら次の教科へ進む形にすると、今どこまで確認したのかが見えます。
教科ごとの確認は、忘れ物を減らすだけでなく、学校で何をする日なのかを知る練習にもなります。翌日の授業をイメージできると、登校前の不安が軽くなる子もいます。
チェックリストは、見るだけではなく、確認した項目に印をつけることで効果が出やすくなります。印をつける動きがあると、「見たつもり」「入れたつもり」を防ぎやすくなります。
シール、丸印、マグネット、ホワイトボードなど、子どもが扱いやすい方法を選びます。大切なのは、毎日同じ方法で続けることです。日によって使う紙や場所が変わると、チェックリスト自体を忘れてしまうことがあります。
最初は保護者が一緒に確認し、慣れてきたら子どもが印をつけ、最後に保護者が見る流れにします。いきなり一人で完璧に行うことを目指すのではなく、少しずつ任せる範囲を広げていくと、負担が少なくなります。
忘れ物が続くと、保護者の方も焦りや疲れから強い言葉になってしまうことがあります。けれども、発達が気になる子どもは、強く言われるほど何をすればよいか分からなくなり、動きが止まってしまうことがあります。
声かけを変える目的は、子どもを甘やかすことではありません。行動につながる言葉に変えることです。責める言葉ではなく、次の一歩が分かる言葉にすることで、親子の負担を減らしながら忘れ物対策を続けやすくなります。
登校前や寝る前は時間が限られているため、「早くして」「ちゃんとして」と言いたくなる場面があります。しかし、この言葉だけでは、子どもは何をすればよいのか分かりません。
行動につなげるには、「時間割を見よう」「一時間目の教科書を入れよう」「連絡帳を外ポケットに入れよう」のように、今やることを一つに絞って伝えます。一度に複数の指示を出すと抜けやすい子には、一つ終わってから次を伝える方が合います。
また、声だけで伝えるよりも、チェックリストや時間割を指さしながら伝えると迷いにくくなります。耳で聞く情報と目で見る情報がそろうことで、子どもは次の行動に移りやすくなります。
忘れ物が多い子どもは、家庭や学校で注意される経験が増えやすくなります。その結果、「どうせまた忘れる」「自分はできない」と感じてしまうことがあります。だからこそ、できた部分を行動名で伝えることが必要です。
「えらいね」だけではなく、「今日は連絡帳を自分で出せたね」「算数のノートを時間割を見て入れられたね」「プリントをトレーに置けたね」と、行動をそのまま言葉にします。子どもは、自分が何をできたのかを理解しやすくなります。
小さな成功を積み重ねると、持ち物確認への抵抗が少しずつ下がります。忘れ物をゼロにすることだけを目標にせず、昨日より一つでも自分で確認できた場面を増やしていくことが大切です。
忘れ物をした日は、本人も困っています。学校で先生に言われた、友だちの前で気まずかった、授業で使う物がなくて焦ったという経験をしている子もいます。そのうえで家庭でも強く叱られると、持ち物の話題そのものを避けるようになることがあります。
忘れ物があったときは、「なぜ忘れたの」と責めるよりも、「どこで抜けたかな」「次はどこに置くと見つけやすいかな」と、次の方法に話を向けます。連絡帳を出し忘れたなら、帰宅後にランドセルを置く場所を変える。体操服を忘れたなら、前日の夜に玄関へ置く。時間割を見間違えたなら、確認する曜日に印をつける。失敗を次の工夫に変えることで、子どもは立て直す経験を積めます。
忘れ物対策は、親子で続ける支援です。完璧を求めすぎると、保護者も子どもも疲れてしまいます。まずは一つの持ち物、一つの時間、一つの手順から始めることが現実的です。
放課後等デイサービスでは、学校や家庭で困っていることをそのまま支援のテーマにすることがあります。忘れ物やランドセル準備も、生活に関わる大切な力です。学習だけでなく、準備する、確認する、使った物を戻す、次の行動へ移るといった力は、小学生の学校生活を支える土台になります。
ゆめラボの放課後等デイサービスでは、子どもの発達特性や学校生活の様子をふまえながら、家庭で続けやすい方法も一緒に考えていきます。
持ち物管理が苦手な子どもには、次に何をするのかを見通す練習が役立ちます。放課後等デイサービスでは、活動の前に予定を確認したり、終わった後に使った物を戻したり、次の活動に必要な物を準備したりする場面があります。
こうした日々の活動を通して、「見る」「選ぶ」「持つ」「戻す」「確認する」という動きを練習できます。家庭でのランドセル準備とまったく同じ形でなくても、順番に行動する経験を重ねることで、学校生活にもつながりやすくなります。
特に、急に言われると動きにくい子どもには、事前に予定を伝えることや、終わりの合図を迷わず見られる形にすることが有効です。見通しがあると、気持ちの切り替えもしやすくなります。
放課後等デイサービスでは、机の上に必要な物だけを出す、使った教材を戻す、プリントを決められた場所に入れるなど、学校生活に近い場面を設定できます。
ランドセルの中身に直接関わる支援だけでなく、「今使う物」と「あとで使う物」を分ける練習もできます。これは、時間割を見て明日の持ち物を選ぶ力にもつながります。
また、子どもによっては、言葉で説明するよりも、写真カードや実物を使った方が迷わず動けることがあります。どの方法なら本人が動きやすいかを見ながら、家庭でも取り入れやすい形へつなげていきます。
忘れ物対策は、放課後等デイサービスだけで完結するものではありません。家庭で使うランドセル、学校の時間割、連絡帳、提出プリントなど、実際の生活場面と結びつけることで効果が出やすくなります。
ゆめラボでは、保護者の方から「朝になると慌ててしまう」「連絡帳を出してくれない」「プリントがいつも奥に入っている」といった具体的な困りごとをお聞きし、お子さんに合う方法を一緒に考えます。
たとえば、帰宅後の流れを変える、チェックリストの項目を減らす、写真を使う、保護者が確認するタイミングを変えるなど、家庭で続けられる形まで落とし込むことが欠かせません。
発達障害の子の宿題が進まないときの家庭の工夫でもお伝えしているように、家庭だけで抱え込まず、学校生活の困りごとを支援者と共有することで、子どもに合う方法が見つかりやすくなります。
発達が気になる小学生の忘れ物は、やる気や性格だけで片付けられるものではありません。時間割を見る、必要な物を選ぶ、ランドセルに入れる、連絡帳やプリントを出す、最後に確認するという流れのどこかでつまずいていることがあります。
家庭でできることは、叱る回数を増やすことではなく、子どもが自分で見て動ける形を作ることです。置く場所を決める、準備する時間を固定する、写真やチェックリストを使う、できた行動を具体的に認める。こうした関わりを積み重ねることで、少しずつ自分で確認する力が育っていきます。
忘れ物が続くと、保護者の方も不安になりやすいものです。けれども、方法が合っていないだけで、子どもが動きやすくなるきっかけは見つかります。
ゆめラボの放課後等デイサービスでは、発達が気になる小学生の学校生活や家庭での困りごとについて、ご相談を受け付けています。忘れ物、ランドセル準備、宿題への取り組み、友だちとの関わりなど、お子さまの様子に合わせて支援の方法を一緒に考えていきます。
「毎朝の準備で親子ともに疲れてしまう」「忘れ物が続いて学校生活が心配」「家庭でどこまで手伝えばよいか分からない」と感じている方は、ゆめラボまでご相談ください。見学の中で、お子さまに合った支援の形を一緒に確認していきます。
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