「たたく・つねる・押してしまうなど、つい手が出てしまう…」「発達障害が関係しているのかもしれない」と感じながらも、どう関わればいいのか迷っている保護者さまは少なくありません。強く叱ってもなかなか変わらず、兄弟げんかやお友だちとのトラブルが続くと、親御さんの心もすり減ってしまいます。
ただ、手が出てしまう行動には、ことばや感情のコントロールが難しい・感覚が過敏/鈍麻・見通しが持ちにくいといった、発達特性に由来する「困りごと」が隠れていることも多くあります。児童発達支援事業所の療育では、こうした背景をていねいに整理しながら、少しずつ「別の伝え方・行動の仕方」を練習していきます。
このページでは、児童発達支援事業所の視点から、手が出てしまうお子さまの行動をどのように捉え、家庭でできる工夫と、専門的な療育につながるメリットについてお伝えします。
INDEX
まずお伝えしたいのは、「手が出る=乱暴で悪い子」と決めつけなくて良い、ということです。背景にある「困りごと」に目を向けることで、関わり方の手がかりが見えてきます。
手が出てしまう行動は、ことばでうまく伝えられない・待つのが難しい・感情が一気に高ぶってしまうなど、「今どうしたらいいか分からない」状態の表れであることが多くあります。決して「人を傷つけたいから」だけとは限りません。
発達障害がある・その可能性があるお子さまは、音や光・身体感覚への敏感さ/鈍さ、理解に時間がかかる、予定の変更が苦手といった特性を持つ場合があります。これらが積み重なると、ちょっとしたきっかけで手が出やすくなることがあります。
感情が高ぶっているときに「ダメでしょ!」「やめなさい!」と強く叱っても、お子さまの中では何がいけなかったのか・代わりにどうしたら良かったのかが整理されにくいことがあります。そのため、「繰り返し叱っているのに同じことが起こる」という悪循環につながりやすくなります。
手が出てしまう場面では、まずは誰もケガをせずに落ち着けることが最優先です。完璧を目指すのではなく、「これだけはやっておこう」という基本の対応を決めておくと、保護者さま自身の気持ちも少し楽になります。
角のとがった家具を避ける・壊れやすい物を置かない・ぶつかりやすい狭い通路を減らすなど、物理的な危険を減らす工夫はとても大切です。兄弟げんかが起こりやすい場所や時間帯を把握し、事前に距離をとる工夫も有効です。
感情が大きく揺れている時には、説得や指導はほとんど入っていきません。安全を確保したうえで、少し距離をとる/静かな場所に移る/大人が落ち着いた声で短く関わるなど、「まずクールダウン」を意識してみましょう。
十分に落ち着いてから、「さっき〇〇くんをたたいたね。手が出そうなときは『いやだ』って言ってもいいよ」など、行動→気持ち→代わりの方法を短く整理して伝えることが、次への学びにつながります。
実は、手が出てしまう瞬間だけでなく、その前の準備や関わりが大きなポイントになります。児童発達支援事業所の療育でも、「予防的な支援」をとても大切にしています。
「おもちゃの取り合い」「並んで待つとき」「片づけの声かけ」など、手が出やすい場面には一定のパターンがあることが多いです。いつ・どこで・誰と・どんな時に起こりやすいかを、メモに書き出してみると見えてくるものがあります。
口頭だけでの指示が入りにくいお子さまには、絵カード・写真・簡単なイラスト・ジェスチャーなどを組み合わせると、見通しが立ちやすくなり、イライラの予防につながります。
「イヤ」の気持ちを言葉で伝えるのが難しいお子さまには、「やめる/交代する/大人を呼ぶ」など、代わりの選択肢を一緒に練習しておくことが大切です。視覚的な選択カードを使う方法もあります。
家庭だけで手が出てしまう行動に向き合い続けるのは、とてもエネルギーが必要です。児童発達支援事業所の療育には、保護者さまが一人で抱え込まないための工夫がたくさんあります。
療育では、手が出てしまう前後の状況(きっかけ・そのときの様子・周りの反応)を整理し、どんな場面で起こりやすいか/何をきっかけにしているかを一緒に探っていきます。これにより、より効果的な予防策が見えてきます。
「押してしまいそうなときは、『やめて』と言う」「たたきたくなったら、クッションをたたく」など、その子に合った代替手段を、遊びや活動の中で繰り返し練習していきます。
児童発達支援事業所では、お子さまへの支援だけでなく、保護者さまの気持ちの整理や、家庭での関わり方の相談も大切にしています。「これでいいのかな」という迷いを一緒に言葉にしていくことも、療育の一部です。
ゆめラボでは、手が出てしまうお子さまへの支援において、「安全」と「自己肯定感」の両方を守ることを大切にしています。
少人数の環境や、個別療育の時間を活用しながら、お子さまのペースに合わせて関わります。「怒られる場所」ではなく、安心して挑戦できる場所であることを大切にしています。
スタッフ間でお子さまの様子や支援方針を共有し、「この場面ではこう関わる」といった共通のルールを持つことで、お子さまが混乱しにくい環境づくりを行います。
療育の中で見えてきたお子さまの良いところや、うまくいった関わり方を、家庭で再現しやすい形でお伝えしていきます。保護者さまと一緒に、「できた」を積み重ねていくイメージです。
「もう少し様子を見たほうがいいのか」「今すぐ相談したほうがいいのか」は、迷いやすいポイントです。目安の一例として、次のような状況が続く場合には、児童発達支援事業所への相談を検討してみても良いかもしれません。
手が出る頻度が増えている・力が強くなってきた・相手にケガが出てきたなど、安全面への不安が大きくなってきた場合は、早めの相談がおすすめです。
家庭だけでなく、園でも同じような場面で手が出てしまう場合は、周囲との連携を含めた支援を整えていくことが大切です。第三者の視点が入ることで、家庭だけでは見えにくかったパターンが分かることもあります。
「叱ってばかりでつらい」「毎日同じことで悩んでいる」と感じるときは、すでに一人で抱え込みすぎているサインかもしれません。保護者さまのしんどさも、相談していい大切なテーマです。
手が出てしまう行動は、決して「悪い子だから」起きているわけではなく、発達特性や環境とのかみ合わせから生まれる「困りごと」のサインであることが少なくありません。家庭だけで何とかしようとするのではなく、児童発達支援事業所などの専門的な療育をうまく活用することで、お子さまにも保護者さまにも負担の少ない関わり方を見つけていくことができます。
児童発達支援事業所ゆめラボでは、手が出てしまうお子さまの背景を一緒に整理しながら、「安全を守る工夫」「代わりの行動の練習」「家庭でできる関わり方」を丁寧にサポートしています。
「発達障害かもしれない」「児童発達支援事業所の利用を考えてみたい」など、どんな小さなきっかけでもかまいません。
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お子さまとご家族に合った療育の形を、一緒に考えていければと思います。
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