3歳児健診を前に、「当日は何をするのだろう」「どんなことを聞かれるのだろう」「発達について何か言われたらどうしよう」と不安になる保護者の方は少なくありません。
3歳前後は、ことばのやりとり、生活習慣、運動、友だちや大人との関わりなど、成長の様子が見えやすくなる時期です。そのため、3歳児健診では身長や体重だけでなく、家庭での過ごし方や発達の様子も確認されます。
このページでは、発達支援の現場で保護者の相談を受ける立場から、3歳児健診とはどのような健診なのか、当日に行われる内容、聞かれやすいこと、発達で見られるポイント、家庭で準備しておきたいことを解説します。
3歳児健診は、子どもの健康状態や発達の様子を確認するために市町村が実施する乳幼児健康診査です。
赤ちゃんの頃の健診では、体重の増え方や首すわり、寝返り、歩行など、体の発達が中心に見られます。一方で3歳児健診では、体の成長に加えて、ことばの理解、会話、生活習慣、人との関わり、行動面なども確認されます。
3歳は、家庭の中だけでなく、保育園や幼稚園、外出先などで人と関わる場面が増える時期です。健診は、今のお子さまの成長を確認し、必要な相談先を確認できる機会です。
3歳児健診は、住んでいる市町村から案内が届き、指定された会場や医療機関で受けます。
実施方法や会場、対象月齢、持ち物は自治体によって異なります。案内が届いたら、日程、受付時間、持参するもの、問診票の記入欄を早めに確認しておくと、当日の不安を減らしやすくなります。
健診は、子どもを評価するためだけの場ではありません。保護者が普段気になっていることを相談し、相談先や家庭での関わり方を知る入口でもあります。
3歳児健診では、身長や体重などの身体測定に加えて、視力や聴力、歯の状態、食事、睡眠、排泄、ことば、遊び、人との関わりなど、日常生活に関わる幅広い内容が確認されます。
たとえば、「名前を呼ぶと反応するか」「簡単な質問に答えられるか」「大人の話を聞いて行動できるか」「衣服の着脱やトイレにどの程度取り組めているか」など、家庭での姿をもとに確認されることがあります。
その場でうまく答えられなかったとしても、すぐに問題と決まるわけではありません。初めての場所が苦手な子、緊張して黙ってしまう子、眠気や空腹でいつもと違う姿になる子もいます。健診では、当日の様子だけでなく、普段の生活の様子も合わせて見られます。
3歳前後になると、単語だけでなく二語文や三語文で話す、簡単な質問に答える、まねをする、順番を待つ、ごっこ遊びをするなど、人との関わりの中で成長が表れやすくなります。
一方で、ことばが出ていても会話が一方通行になりやすい、呼びかけへの反応が少ない、気持ちの切り替えが難しい、集団の中で動き回ってしまうなど、家庭や園で気になる姿が見え始める時期でもあります。
3歳児健診では、こうした発達の特徴に早めに気づき、必要な場合には保健師や専門機関への相談につなげていきます。
3歳児健診の内容は自治体によって多少異なりますが、問診票の確認、身体測定、診察、歯科健診、視力や聴力に関する確認、発達や生活面の相談が行われることが多くあります。
会場では、複数の確認を順番に進めるため、待ち時間が発生することもあります。人が多い場所が苦手なお子さまや、待つことが苦手なお子さまは、事前に「今日は体や生活の様子を見てもらう日だよ」「終わったら帰るよ」と短い言葉で伝えておくと、見通しを持ちやすくなります。
健診前には、家庭で問診票を記入することが多くあります。
問診票では、食事、睡眠、排泄、ことば、遊び方、友だちとの関わり、保護者が気になっていることなどを記入します。普段は何となく過ごしていることでも、質問として聞かれると「どう答えればいいのだろう」と迷うことがあります。
迷ったときは、できるだけ普段の姿に近い内容を書いて問題ありません。「家ではできるが外では難しい」「園ではできているが家庭では嫌がる」など、場所によって違いがある場合は、その違いも大切な情報になります。
身体測定では、身長や体重を測り、成長の様子を確認します。
3歳児は、服を脱ぐ、測定器に乗る、じっと立つなどの場面で不安を感じることがあります。知らない人に声をかけられて固まる子もいれば、動きたくなってしまう子もいます。
うまく測定できない場面があっても、保護者の育て方の問題ではありません。環境の変化、緊張、音、人の多さ、順番待ちなどが影響することもあります。普段から測定や病院が苦手な場合は、問診や相談の場で伝えておくと、子どもの反応を理解してもらいやすくなります。
3歳児健診では、視力や聴力、歯の状態について確認されることがあります。
視力や聴力の確認は、ことばや行動の見え方にも関係します。聞こえにくさがあると、呼びかけに反応しにくい、指示が入りにくい、ことばが増えにくいように見えることがあります。見えにくさがあると、絵本や遊びへの集中、段差への反応、手先の動きに影響することもあります。
歯科では、むし歯の有無だけでなく、歯みがきの習慣や食べ方について相談できる場合もあります。口の中を見られることが苦手なお子さまは多いため、嫌がる姿があってもめずらしいことではありません。
3歳児健診では、ことばの数だけでなく、相手の話を聞く力、やりとりの様子、体の使い方、生活動作への取り組みも確認されます。
「名前を言えるか」「簡単な質問に答えられるか」「絵を見て答えられるか」「指示を聞いて動けるか」など、自治体によって確認方法は異なります。子どもによっては、家では話せるのに会場では黙ってしまうこともあります。
そのため、健診での反応だけで判断するのではなく、家庭や園での様子も合わせて伝えることが大切です。
3歳児健診では、子どもの成長を幅広く見るために、保護者へ日常生活の様子を質問されることがあります。
質問される内容は、できるかどうかを見るためだけではありません。保護者が困っている場面、子どもが過ごしにくさを感じている場面、家庭だけでは気づきにくい発達の特徴を見つけるためにも使われます。
ことばについては、単語の数だけではなく、やりとりの様子が見られます。
たとえば、「簡単な指示が伝わるか」「二語文や三語文で話すか」「質問に答えられるか」「自分の気持ちや要求を言葉で伝えようとするか」などが話題になります。
「よく話すけれど会話が続きにくい」「好きなことは話すが質問には答えにくい」「大人の言葉をそのまま繰り返すことが多い」なども、発達を考えるうえで大切な情報です。できていないことだけでなく、どんな場面なら話しやすいのかも伝えると、子どもの姿が見えやすくなります。
生活習慣については、食事、睡眠、排泄、着替え、歯みがきなど、毎日の暮らしに関わることを聞かれます。
「偏食が強い」「食具を使うのが苦手」「寝つきに時間がかかる」「夜中に何度も起きる」「トイレに誘っても嫌がる」「服の着替えに強く抵抗する」といった姿は、保護者だけで抱えると負担が大きくなります。
生活面の困りごとは、わがままや甘えだけで説明できないことがあります。感覚の受け取り方、見通しの持ちにくさ、体の使い方、言葉で伝える力などが関係している場合もあります。
3歳前後になると、友だちの近くで遊ぶ、まねをする、順番を待つ、大人に助けを求めるなど、人との関わりが少しずつ広がります。
健診では、「他の子に関心を示すか」「大人の呼びかけに反応するか」「困ったときに伝えようとするか」「園で集団活動に参加しているか」などを聞かれることがあります。
一人遊びが好きな子もいますが、呼びかけに気づきにくい、相手の反応を見ずに話し続ける、友だちに近づきたいのに手が出てしまうなどの姿が続くときは、関わり方を考える必要があることもあります。
落ち着きや切り替えについては、待つ場面、活動を終える場面、外出先での行動、危険への反応などが確認されることがあります。
「順番を待てずに動き回る」「気になる物があると走っていく」「終わりを伝えるとかんしゃくになる」「初めての場所で強く不安になる」などは、3歳前後の保護者からよく聞かれる悩みです。
大切なのは、子どもを叱る材料として見ることではなく、どの場面で崩れやすいのか、何があると切り替えやすいのかを知ることです。健診では、そうした日常の姿を相談することができます。
3歳児健診で発達面を見るときは、「できる」「できない」だけで判断するのではなく、子どもがどのように人と関わり、どのように理解し、どのように体を使っているかを確認します。
家庭では自然に受け入れている姿でも、健診の場で保健師や専門職に伝えることで、子どもに合った関わり方が見えてくることがあります。
名前を呼ばれたときに振り向くか、相手の方を見るか、声をかけられた内容に反応するかは、やりとりを見るうえで大切なポイントです。
ただし、会場が苦手で反応しにくい子もいます。人が多い場所で緊張する、知らない人に声をかけられると固まる、興味のある物に集中していると呼びかけに気づきにくいなど、背景は一人ひとり異なります。
普段から呼びかけへの反応が少ない、目が合いにくい、視線が合ってもすぐ外れる、伝えたいことがあるときに大人の方を見にくいといった姿が続く場合は、家庭や園での様子も合わせて相談するとよいでしょう。
3歳前後では、「ママ 来て」「これ 食べたい」「赤い 車 あった」など、二語文や三語文で気持ちや状況を伝える姿が増えていきます。
健診では、ことばの数だけでなく、言葉をどのように使っているかも見られます。要求を伝える言葉、気持ちを伝える言葉、質問に答える言葉、相手に合わせてやりとりする力は、それぞれ発達の仕方が違います。
単語は出ているのに会話になりにくい、言いたいことが伝わらず泣く、同じ言葉を繰り返す、聞かれたことと違う返事をするなどの姿がある場合は、ことばの発達だけでなく、理解ややりとりの面も一緒に見ていく必要があります。
ごっこ遊びは、見立てる力、まねをする力、相手と場面を共有する力が関係します。
おままごとで食べるまねをする、人形を寝かせる、乗り物を走らせながら場面を作るなど、遊びの中には発達の手がかりが多く含まれます。
一人で同じ遊びを続けること自体が悪いわけではありません。ただ、遊びが広がりにくい、人のまねをしにくい、大人が入ろうとすると強く嫌がる、友だちと遊びたいのに関わり方がうまくいかないといった姿がある場合は、子どもに合った関わり方を考えるきっかけになります。
3歳児健診では、手先の使い方や体の動かし方についても確認されることがあります。
クレヨンを持つ、丸を描く、積み木を積む、はさみやスプーンに興味を持つ、階段を上り下りする、片足で立とうとするなど、遊びや生活の中で見られる動きは発達を知る手がかりになります。
手先が不器用に見える、転びやすい、姿勢が崩れやすい、体を動かす遊びを極端に嫌がる、反対に動き続けてしまうといった姿がある場合は、運動面だけでなく感覚の受け取り方や見通しの持ち方も関係していることがあります。
3歳児健診の前に、特別な練習をたくさんする必要はありません。
大切なのは、当日だけできるように練習させることではなく、普段の様子を保護者が伝えられるようにしておくことです。できていること、困っていること、家と園で違う姿があることを確認しておくと、相談しやすくなります。
健診の場では、短い時間で質問されるため、普段気になっていることを思い出せないことがあります。
ことばの様子、かんしゃくが起きやすい場面、食事や睡眠の困りごと、外出先での行動、園で言われたことなどは、事前にメモしておくと伝えやすくなります。
「いつも困っている」だけでなく、「何をしたときに困るのか」「どのくらい続くのか」「何をすると落ち着くのか」まで書いておくと、相談を受ける側もお子さまの姿を考えやすくなります。
保育園や幼稚園に通っている場合は、健診前に園での様子を聞いておくと参考になります。
家庭ではよく話すのに園では静か、家では落ち着かないのに園では頑張っている、園では集団活動に入りにくいが家庭では困っていないなど、場面によって姿が違うことはよくあります。
発達を見るときは、家庭だけの姿でも園だけの姿でもなく、複数の場面を合わせて考えることが大切です。園で気になることを言われている場合は、その内容も健診で相談してみましょう。
「このくらいで相談していいのかな」と迷う内容でも、3歳児健診では話してかまいません。
たとえば、ことばが少ない、目が合いにくい、偏食が強い、音に敏感、服のタグを嫌がる、寝つきが悪い、外出先で走っていく、友だちとの距離が近すぎるなど、日常の小さな違和感が関わり方を考える手がかりになります。
相談しても、すぐに診断や療育につながるわけではありません。まずは、お子さまの今の姿を一緒に見てもらう機会として考えるとよいでしょう。
3歳児健診で「少し様子を見ましょう」「発達相談につないでみましょう」と言われると、不安になる保護者の方は多くいます。
ただ、健診で気になる点を言われることは、発達に問題があると決めることではありません。今のお子さまに合った関わり方や、必要な相談先を考えるためのきっかけです。
3歳児健診での指摘は、発達障害の診断ではありません。
健診は限られた時間の中で行われるため、その場の様子だけで子どもの発達を決めるものではありません。家庭や園での姿、これまでの成長、生活の中での困りごとを合わせて見ていきます。
気になる点を言われたときは、「何が気になったのか」「家庭では何を見ていけばよいのか」「次に相談できる場所はどこか」を確認しておくと、健診後の不安を減らしやすくなります。
「様子を見ましょう」と言われた場合、何もしないで待つという意味ではありません。
ことばが増えているか、呼びかけへの反応が変わっているか、園での集団参加がどうか、かんしゃくや切り替えの困りごとが続いているかなど、生活の中で変化を見ていく期間になります。
数か月たっても困りごとが続く場合や、保護者の負担が強くなっている場合は、再度相談して問題ありません。早めに相談しておくと、家庭での関わり方を考えやすくなります。
健診後に不安が強く残る場合は、自治体の保健師、こども家庭センター、発達支援センター、かかりつけの小児科、児童発達支援事業所などに相談できます。
「診断を受けるべきか」だけを考えると、動き出しにくくなることがあります。まずは、家庭で困っている場面を話し、今できる関わり方や次に確認することを知ることが大切です。
3歳児健診で気になる点を言われた後の流れや相談先については、以下の記事でも詳しく紹介しています。
3歳児健診で発達を指摘されたら何をすればいい?その後の流れと相談先まとめ
3歳児健診については、当日の流れだけでなく、受け方や子どもの反応、発達の指摘を受けた場合について不安を持つ保護者の方が多くいます。
ここでは、ゆめラボにも寄せられやすい質問をもとに、3歳児健診前後に知っておきたいことを紹介します。
3歳児健診は、子どもの健康や発達の様子を確認する大切な機会です。
体の成長、視力や聴力、歯の状態、ことばや生活面の様子をまとめて確認できるため、案内が届いたら受けることをおすすめします。
日程が合わない場合や体調不良で行けない場合は、案内を送っている自治体へ連絡し、別日で受けられるか確認しましょう。
当日、子どもが緊張して話せない、泣いてしまう、質問に答えられないということはあります。
健診会場は、初めての場所、人の多さ、待ち時間、普段と違う雰囲気が重なるため、いつもの力を出しにくい子もいます。
その場でうまく答えられなかったからといって、すぐに発達上の問題と決まるわけではありません。家庭や園ではどうか、普段はどのように話しているかを保護者が伝えることが大切です。
発達の指摘を受けたからといって、すぐに療育が必要と決まるわけではありません。
まずは、何を指摘されたのか、家庭や園でどのような困りごとがあるのか、今後どのように様子を見ていくのかを確認します。そのうえで、発達相談、医療機関、児童発達支援などにつながる場合があります。
一方で、ことばの遅れ、集団生活の困りごと、かんしゃく、切り替えの難しさなどで家庭や園での負担が続いている場合は、早めに相談することで関わり方の見通しが持ちやすくなります。
保護者だけで相談できる窓口もあります。
自治体の相談窓口や発達支援センター、児童発達支援事業所の見学や事前相談では、保護者が先に困りごとを話すことができる場合があります。
子ども本人を連れて行くことに不安がある場合や、まず保護者だけで状況を話したい場合は、事前に相談先へ確認してみましょう。ゆめラボでも、利用を決める前の見学やご相談を受け付けています。
3歳児健診は、身長や体重を測るだけの場ではありません。
ことばの理解、会話のやりとり、生活習慣、視力や聴力、歯の状態、運動、友だちや大人との関わりなど、3歳前後の成長を幅広く確認する機会です。
当日うまく答えられなかったり、気になる点を言われたりしても、それだけで診断が決まるわけではありません。大切なのは、家庭や園での普段の姿を伝え、今後どこを見ていけばよいのかを知ることです。
健診前に不安がある場合は、ことば、生活、行動、園での様子をメモしておくと相談しやすくなります。健診後に心配が残る場合は、一人で抱え込まず、自治体の窓口や発達相談、児童発達支援事業所などに相談してください。
ゆめラボでは、発達が気になる未就学のお子さまと保護者のご相談を受け付けています。
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