急にまばたきが増えた。何度も顔をしかめる。風邪は治っているのに、咳払いを繰り返している。
未就学のお子さまにこうした様子が見られると、「癖なのかな」「チック症では?」「発達障害と関係があるの?」と気になる保護者の方もいるのではないでしょうか。
チックは、本人が意図して起こしているわけではない、素早い体の動きや発声が繰り返し現れる状態です。子どもによく見られ、特に4〜6歳頃に発症しやすいとされています。まばたきや顔しかめのような運動だけでなく、咳払いや鼻鳴らしなどの音声チックが出ることもあります。
また、チックはずっと同じ強さで続くとは限りません。ほとんど気にならない時期があったあとに再び増えたり、まばたきが減って首振りが増えたりと、症状の種類や頻度、強さが変わることがあります。
このページでは、未就学児に見られるチック症の主な症状、発達障害との関係、チック症の原因やまばたき・咳払いが増える理由、家庭や保育園・幼稚園での見守り方、病院へ相談したい目安について、児童発達支援事業所ゆめラボが解説します。
INDEX
チックは、突発的で不規則な体の動きや発声を繰り返す状態です。大きく分けると、体が動く「運動チック」と、音や声が出る「音声チック」があります。
未就学児では、まばたきや顔をしかめるなど比較的わかりやすい動きから始まることがあります。一方で、咳払いなどは風邪や癖だと思われ、チックと気づきにくい場合もあります。
運動チックでは、まばたきを繰り返す、目を強くつぶる、顔をしかめる、鼻を動かす、首を振る、肩をすくめるといった動きが見られます。
たとえば、テレビを見ているときに何度も目をパチパチさせたり、会話をしている途中で繰り返し首を横へ振ったりします。本人に理由を聞いても、「わからない」と答えることがあります。
動きが何度も続くと、保護者からは「目がかゆいのかな」「首が気になるのかな」と見えることがあります。最初からチックと決めつけず、いつ頃から始まったのか、どのような動きが続いているかを確認しておきます。
音声チックでは、咳払いをする、鼻を鳴らす、「んっ」「あっ」と声を出すなどの症状が見られます。
特に咳払いは、風邪が長引いているように見えることがあります。体調が良く、咳や鼻水などほかの症状がないのに、同じような咳払いを繰り返す場合には、音声チックの可能性も考えられます。
ただし、咳払いには呼吸器や鼻・喉の病気など別の原因もあります。咳が続くからといって、家庭だけでチックだと判断しないことが大切です。
チックは、一度始まった症状がずっと同じ形で続くとは限りません。
最初はまばたきだったものが、しばらくすると首振りになったり、運動チックが目立たなくなったあとに咳払いが増えたりすることがあります。また、同じ症状でも一日に何度も出る時期と、ほとんど見られない時期があります。
保護者から見ると「治ったと思ったのにまた始まった」と感じることがありますが、チックは種類や頻度、強さが経過の中で変動します。
チックは、本人が面白がって繰り返している行動ではありません。
一時的、部分的に動きや声を抑えられることはありますが、「やめよう」と思えばいつでも止められるわけではありません。特に未就学児では、自分にチックが出ていること自体をあまり意識していないこともあります。
そのため、「今またやったよ」「止めて」と繰り返し注意しても、本人の意思だけで止め続けるのは難しい症状です。繰り返し注意されること自体が、子どもの負担になります。
子どものチックについて調べると、「発達障害」「ADHD」「ASD」「トゥレット症候群」といった言葉を目にすることがあります。
チック症ではADHDやASDなどが併存することがあります。ただし、「チックがあるからASD」「咳払いをするからADHD」という意味ではありません。チック症そのものの位置づけと、ASDやADHDとの併存は分けて考える必要があります。
まばたき、顔しかめ、咳払いなどのチックが見られたとしても、それだけで自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動症(ADHD)と判断することはできません。
チックがあるものの、ことば、人とのやり取り、遊び方、園生活などで特に困りごとのない子もいます。
ASDやADHDについて考える場合は、チックの有無ではなく、コミュニケーション、行動、注意の向け方、落ち着きにくさ、日常生活での困りごとなど、それぞれの特徴を見ていきます。
厚生労働省は、発達障害者支援法に基づく支援について、自閉症、ADHD、学習障害などに加え、トゥレット症候群も発達障害に含まれると案内しています。
また、国の発達障害ナビポータルでは、「トゥレット症を含むチック症」として、チック症全体の特徴や支援方法が紹介されています。
ただし、これはチック症がASDやADHDの一種という意味ではありません。それぞれ特徴や診断の考え方が異なるため、「発達障害に含まれる=ASDやADHDと同じ」と捉えないことが大切です。
チック症のある子の中には、ADHDが併存する子がいます。特にトゥレット症では、ADHDは代表的な併存症の一つです。
たとえば、チックとは別に、じっとしていることが難しい、話を最後まで聞く前に動く、忘れ物が多い、注意がそれやすいといった様子が続いている場合があります。
この場合も、「チックがあるからADHD」と考えるのではなく、チックとADHDの特性を分けて、本人がどの場面で困っているかを見ます。
未就学児のADHDの特徴や相談のタイミングについては、子どものADHDはいつわかる?診断の目安と相談先でも紹介しています。
チックが気になり始めると、まばたきや咳払いばかりに目が向いてしまうことがあります。
発達について考えるときは、チックだけを見るのではなく、ことばの発達、人とのやり取り、遊び方、切り替え、集団での過ごし方などもあわせて見ます。
たとえば、チックに加えて「ことばがなかなか増えない」「名前を呼んでも反応しにくい」「落ち着きにくさが強い」「予定が変わると大きく崩れる」といった様子があり、家庭や園でも困っている場合には、児童発達支援事業所や地域の発達相談窓口へ相談できます。
未就学児の発達で相談につながることの多い様子については、子どもの発達が気になるときのサイン一覧|家庭や園で見られる行動をチェックも参考にしてください。
チック症には生物学的な基盤があるとされていますが、直接の原因を一つに特定できるものではありません。
一方、症状の出方は一定ではなく、疲労、不安、興奮、緊張がほどけたあとなど、そのときの体調や気持ちによって増減することがあります。
ストレスだけがチック症の原因ではなく、親の育て方や関わり方が原因というものでもありません。
まばたきや咳払いを何度も繰り返していると、「癖になっているのでは」「注意すればやめられるのでは」と感じることがあります。
しかし、チックは本人が周囲を困らせるためにしている行動ではありません。本人も「出したくないのに出る」と感じることがあります。
未就学児では、自分の体に起きている感覚をうまく説明できず、「どうしてやるの?」と聞かれても答えられないことがあります。理由を言わせようとせず、叱らずに見守ります。
夕方など疲れがたまったとき、行事の前、人が多い場所へ行ったとき、新しいことへ挑戦するときなどに、チックが増える子もいます。
保育園や幼稚園ではほとんど出ていないのに、帰宅するとまばたきや首振りが増える場合もあります。園で我慢していたと決めつける必要はありませんが、疲れや緊張がほどける時間帯と重なっている可能性があります。
症状が増えたときは、「今日何が悪かったのだろう」と一つの原因を探すより、睡眠不足、疲れ、予定変更など普段との違いがなかったかを確認します。
チックには波があり、日によって、また時期によって目立つときと目立たないときがあります。
一度ほとんど見られなくなっても、しばらくして別のチックが出ることがあります。反対に、以前は一日に何度も出ていた症状が自然に少なくなることもあります。
毎日の増減に一喜一憂するより、「どの症状がどれくらいの期間続いているか」「生活で困るほど強くなっているか」を見ておく方が、受診するときにも伝えやすくなります。
まばたきが多いからといって、すべてが運動チックとは限りません。目のかゆみや違和感、アレルギーなどによってまばたきが増えることもあります。
同じように、咳払いや鼻鳴らしにも、風邪、アレルギー、鼻や喉の症状など別の原因があります。
目の赤みや痛みがある、咳や鼻水など体調不良が続いているといった場合は、チックだと決めつけず、小児科・眼科・耳鼻咽喉科など症状に合った医療機関へ相談します。
チックが目立つと、保護者としては「できるだけ早く止めてあげたい」と感じるものです。しかし、生活への支障が大きくないチックでは、症状そのものを何度も指摘せず、子どもが普段どおり過ごせる環境を保つことが基本になります。
まばたきや咳払いが出るたびに、「またやっているよ」「止めて」「我慢して」と言われると、子どもがチックを意識する機会が増えます。
本人が困っていない場合は、家族が毎回反応する必要はありません。チックが出ていても、遊びや会話をそのまま続けます。
一時的に止められたとしても、それを「止められるなら我慢できる」と捉えず、本人の意思だけで完全にコントロールすることは難しい症状だと考えます。
「今日は何回まばたきした」と数える必要はありません。
受診や園との共有に役立つのは、細かな回数より、「夕方になると増える」「行事の前に咳払いが多い」「遊びに集中しているときは少ない」といった場面の違いです。
症状が変わった場合も、「まばたきが減って首振りが増えた」「咳払いが数週間続いている」など、経過を簡単にメモしておくと相談しやすくなります。
疲労によってチックが増えているように見える場合は、症状を止めさせるより、睡眠や休息を確保します。
園から帰ったあとすぐに習い事や予定を詰め込まず、家で好きな遊びをする、静かに過ごすなど、その子が休みやすい時間をつくります。
チックのためだけに生活を大きく制限する必要はありません。普段の睡眠時間や活動量を見ながら、疲れが続いていないかを確認します。
家庭でチックが続いている場合は、保育園や幼稚園にもチックの出方と家庭での対応を共有します。
「まばたきをしていたら注意してください」ではなく、「本人の意思だけでは止めにくいので、症状そのものは強く指摘せず見守ってください」と共有します。
あわせて、園ではどの時間帯に多いのか、遊びや活動に支障があるのか、友だちから指摘されて困っていないかを確認します。
家庭では症状が多く、園ではほとんど見られないこともあります。どちらかが間違っているのではなく、場所や時間によってチックの出方が変わることがあります。
まばたきや咳払いなどの軽いチックが一時的に見られても、本人が困っておらず、遊びや園生活にも影響していない場合は、すぐに治療が必要になるとは限りません。
一方、症状が長く続いている、動きが強くなって体が痛い、咳払いや発声で喉が疲れる、遊びや食事、睡眠に影響している、園で友だちから指摘され本人が気にしているといった場合は、受診を考える目安になります。
運動チックと音声チックの両方が見られる、複数の症状が続いていて気になる場合は、経過を伝えてかかりつけの小児科へ相談します。チック症の分類では症状が続いている期間も重要になりますが、「1年以上経つまで受診してはいけない」という意味ではありません。
子どものチックについて相談する場合は、まずかかりつけの小児科へ相談し、必要に応じて小児神経科や児童精神科などにつながります。
また、チックとは別に、ことば、人とのやり取り、落ち着きにくさ、切り替え、園生活など発達面でも気になる様子がある場合には、児童発達支援事業所や地域の発達相談窓口へ相談することもできます。
未就学児のチック症では、まばたき、顔しかめ、首振りなどの運動チックや、咳払い、鼻鳴らし、発声などの音声チックが見られます。症状の種類や強さには波があり、一度減ったあとに再び増えることもあります。
厚生労働省は、トゥレット症候群も発達障害に含まれると案内しています。また、国の発達障害ナビポータルでは、トゥレット症を含むチック症について支援情報が紹介されています。ただし、チックがあるだけでASDやADHDと判断することはできません。チック以外の発達面や、家庭・園での生活上の困りごとも確認します。
家庭では、チックが出るたびに「やめて」と注意するのではなく、本人が普段どおり遊んだり生活したりできることを優先します。疲れや緊張との関係も見ながら、保育園・幼稚園とも対応を共有します。
児童発達支援事業所ゆめラボでは、チックそのものを治療する医療機関ではありませんが、ことば、コミュニケーション、落ち着きにくさ、切り替え、園生活など、チック以外にも発達の気になる様子がある未就学のお子さまについてご相談いただけます。
「チックだけなのか、ほかにも発達面で気になることがあるのかわからない」「園生活についても相談したい」という方は、お近くのゆめラボの教室をご確認ください。見学や発達相談をご希望の方は、お問い合わせフォームからご相談いただけます。
📞 電話:0120-303-519(平日10:00〜18:00)
📩 お問い合わせフォーム:https://yumelabo.jp/contact/
💬 LINE相談:https://page.line.me/648kqdcw
各教室の情報が満載!




お子さまの発達についてのご相談・見学のご予約はこちら
お悩みなど、お気軽にご相談ください