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療育コラム

2026.07.16

発達が気になる子どもが「今日、保育園で何した?」に答えにくい理由|出来事を順番に話す力の育て方

 

保育園や幼稚園から帰ってきた子どもに、「今日、保育園で何した?」と聞いても、「分からない」「忘れた」と返ってくることがあります。

 

園の先生からは楽しそうに過ごしていたと聞いているのに、子どもが園での出来事を話してくれないと、「覚えていないのかな」「質問の意味が分かっていないのかな」と心配になる保護者の方もいるのではないでしょうか。

 

子どもが園での出来事を話せないからといって、保育園で何も経験していないわけではありません。「今日、何した?」という質問に答えるためには、質問の意味を理解し、一日の中から出来事を思い出し、話す内容を選び、ことばを順番に並べる必要があります。

 

発達が気になる子どもの中には、こうした力の一部がまだ育っている途中で、すぐに答えられない子どももいます。

 

このページでは、目の前にない保育園や幼稚園での出来事を思い出し、順番に話すことに焦点を当てます。子どもが「今日、保育園で何した?」に答えにくい理由と、出来事を話すために必要な力、家庭でできる聞き方や遊びについて、児童発達支援事業所ゆめラボがお伝えします。

INDEX

発達が気になる子どもが「今日、保育園で何した?」に答えにくい4つの理由

 

「今日、保育園で何した?」は、大人にとっては何気ない質問です。しかし、子どもが答えるためには、いくつもの力を同時に使わなければなりません。

質問に答えられない様子だけを見て、「話を聞いていなかった」「覚えていない」と決めつけるのではなく、どの部分で答えにくくなっているのかを考えることが大切です。

「今日、保育園で何した?」は子どもにとって答える範囲が広い質問

保育園で過ごす一日の中には、朝の会、自由遊び、制作、外遊び、給食、昼寝、友だちとのやり取りなど、たくさんの出来事があります。

「今日、何した?」と聞かれても、どの時間のことを聞かれているのか、何を話せばよいのかが示されていません。子どもは一日分の経験から、保護者に伝える出来事を自分で選ぶ必要があります。

 

大人でも、突然「今日は何をした?」と聞かれると、どこから話せばよいか迷うことがあります。経験をことばにする力が育っている途中の子どもにとっては、さらに答えにくい質問です。

「お外では何をした?」「給食は何だった?」のように場面を狭めると答えられる場合は、出来事を覚えていないのではなく、質問の範囲が広すぎた可能性があります。

保育園で起きた出来事を思い出すことが難しい

目の前にある物を見て「これは何?」に答える場合は、答えになる物をその場で確認できます。一方、保育園での出来事は目の前にはなく、過去の経験を思い出さなければなりません。

子どもは、朝から帰宅までに経験した場面を頭の中で思い出さなければなりません。印象に残った出来事は思い出せても、毎日繰り返している活動や、短時間で終わった出来事はすぐに出てこないことがあります。

 

また、園から帰った直後は、集団生活を終えた疲れや空腹によって、質問に答える余裕がないこともあります。

「忘れた」という返事は、出来事そのものを忘れたという意味とは限りません。「今すぐ思い出せない」「どこから話せばよいか分からない」ことをうまく説明できず、「忘れた」と答えていることもあります。

思い出したことから話す内容を選ぶことが難しい

一日の出来事をいくつか思い出せても、その中から何を話すかを決める必要があります。

保護者は「制作で何を作ったのか」「誰と遊んだのか」を知りたいと思っていても、子どもは廊下で見つけた虫や、給食で苦手な野菜が出たことを強く覚えているかもしれません。

 

子どもが質問とは違う話を始めたように見えても、本人の中では「今日あった大切なこと」を伝えている場合があります。

話を聞くときは、大人が聞きたかった内容と違っていても、まずは子どもが思い出したことを受け止めます。その後で「それから何をしたの?」と続けると、会話を広げやすくなります。

出来事をことばにして順番に並べることが難しい

出来事を相手に伝えるには、「誰と」「どこで」「何をした」という情報だけでなく、どのような順番で起きたのかを組み立てる必要があります。

たとえば、「園庭に出た」「友だちとボールで遊んだ」「転んだ」「先生に手当てをしてもらった」という経験があった場合、思い出した順に話すと、「先生がばんそうこうしてくれた。ボールして、転んで、外に行った」となることがあります。

 

場面ごとの出来事は覚えていても、時間の流れに沿って並べることが難しく、聞き手に伝わりにくくなる場合があります。

目の前にある物について質問されたときの答え方から練習したい場合は、質問に答えるのが苦手な子へのステップアップもあわせてご覧ください。

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保育園での出来事を話すことが苦手な子どもに見られる様子

 

園での出来事を話すことが苦手な子どもの反応は、一人ひとり異なります。まったく話さない子どもだけでなく、ことばは出ていても相手が知りたい内容を伝えにくい子どももいます。

普段の会話を振り返り、どのような聞き方なら答えやすいのかを見ていきましょう。

「分からない」「忘れた」と答える

質問を聞いた直後に「分からない」「忘れた」と答える場合、質問の意味がまったく分かっていないとは限りません。

一日分の経験の中から答えを選ぶことが難しく、考え始める前に「分からない」と答えることがあります。「分からない」と言えば質問が終わる経験が重なると、同じ返事を使いやすくなります。

 

このようなときは、「何したの?」と繰り返すのではなく、「お外に出た?」「お部屋で遊んだ?」と答えの範囲を狭めます。

選んだ後に「お外に出たんだね。何があった?」と続けると、出来事を思い出すきっかけになります。

「遊んだ」「楽しかった」など短い返事だけで終わる

「何した?」に対して「遊んだ」、「どうだった?」に対して「楽しかった」と答えられる場合、質問の大まかな意味は理解できていると考えられます。

ただし、「何で遊んだのか」「誰と遊んだのか」「どこが楽しかったのか」まで詳しく説明することが難しい状態です。

 

短い返事があったときは、「ちゃんと話して」と求めるのではなく、「ブロックで遊んだのかな」「先生と遊んだのかな」と、答えやすい質問を一つ加えます。

子どもが「ブロック」と答えたら、大人が「ブロックで遊んだんだね」と文にして返すことで、伝え方の見本を示せます。

質問とは関係のない話を始める

保護者が給食について聞いているのに、子どもが突然キャラクターの話や昨日の出来事を始めることがあります。

 

この場合、質問に出てきたことばから別の出来事を思い出し、そのまま話題が移っている可能性があります。

たとえば、「今日、カレーだった?」と聞かれて、以前家で食べたカレーや、カレーが登場するアニメを思い出すことがあります。

 

話題が変わったときは、「今は保育園の給食のお話だよ」と短く伝えます。そのうえで、「カレーだった?違うものだった?」と聞くと、元の話題へ戻りやすくなります。

関係のない話をしたことを叱るのではなく、今は何について話しているのかを短く伝え、元の話題へ戻れるようにします。

今日の出来事と以前の出来事が混ざる

今日した遊びを聞かれて、昨日や先週の行事について話す子どももいます。

 

出来事そのものは覚えていても、「今日」「昨日」「明日」といった時間を表すことばと、実際に起きた時期が結びついていない場合があります。

「それは昨日のことだよ」と間違いだけを指摘するのではなく、「昨日は公園に行ったね。今日は園庭で遊んだかな」と、時期と出来事を一緒に示します。

 

カレンダーや園の予定表を見ながら確認すると、ことばだけで伝えるよりも時間の違いが分かりやすくなります。

写真や具体的な質問があると園での出来事を話せる

「今日、何した?」には答えられなくても、園の写真を見た途端に「これ作った」「○○ちゃんいた」と話し始める子どもがいます。

 

写真、作品、持ち帰った物、給食の献立などは、出来事を思い出す手がかりになります。手がかりがあると話せる場合は、園での出来事を覚えていないのではなく、手がかりなしで思い出すことが難しいと考えられます。

 

はじめは物や写真を使って思い出し、慣れてきたら「誰と作った?」「最初に何をした?」と質問を加えます。

手がかりを減らすことを急がず、子どもが話しやすい方法として活用しましょう。

子どもが出来事を順番に話すために必要な5つの力

 

出来事を話す力は、語彙の数や発音だけで決まるものではありません。相手の質問を理解し、過去の経験を思い出し、必要な情報を選び、順番に並べて伝える力が関係します。

どの力が育っている途中なのかによって、子どもに合う関わり方も変わります。

「誰と・どこで・何をした」を聞き分ける力

「何した?」「誰と?」「どこで?」は、それぞれ求められている答えが異なります。

「何した?」には行動、「誰と?」には人、「どこで?」には場所を答える必要があります。質問に含まれることばを聞き分け、何について答えるのかを理解する力が必要です。

 

質問の種類が次々に変わると混乱しやすい場合は、まず「誰と遊んだ?」のように一つの質問に慣れてから、別の質問へ広げます。

一度に複数の質問を重ねず、答えてほしい内容を一つに絞ることが大切です。

経験したことを思い出す力

過去の出来事を話すには、経験した場面を頭の中に呼び戻す必要があります。

 

楽しかったことや驚いたことは思い出せても、毎日の支度や決まった活動はすぐに浮かばないことがあります。また、活動に夢中になっていたときは、周囲に誰がいたのかまで覚えていない場合もあります。

 

「先生が見せてくれた写真」「持ち帰った制作物」「給食の献立」など、出来事を思い出す手がかりを使うと、場面を思い出しやすくなります。

思い出せないときに答えを求め続けるよりも、手がかりを一つ加える方が答えやすくなります。

話す内容を選んでまとめる力

一日の中には多くの出来事があるため、子どもはその中から相手に話す内容を選ばなければなりません。

 

出来事を選ぶためには、「相手は何を知りたいのか」「どこまで話せば伝わるのか」を考える必要があります。この力は、会話の経験を重ねながら育っていきます。

 

子どもが話した内容に対して、「誰と一緒だったの?」「その後どうなったの?」と一つずつ聞くと、伝えるために必要な情報へ気づきやすくなります。

大人が質問で補いながら、少しずつ子ども自身が話す内容を選べるように支えます。

「最初・次・最後」の順番を組み立てる力

出来事を相手に伝わる形で話すには、起きた順番が重要です。

「最初に手を洗った」「次に給食を食べた」「最後に歯を磨いた」というように、場面を時間の流れに沿って並べることで、聞き手が状況を想像しやすくなります。

 

発達が気になる子どもの中には、強く覚えている場面から先に話し、出来事の前後が入れ替わることがあります。

初めから長い話を求めず、「最初」「次」「最後」の三つに分けて伝える練習から始めましょう。

相手に伝わることばで表現する力

子どもが頭の中で出来事を思い出していても、それを表すことばが見つからなければ話せません。

物や人の名前だけでなく、「作った」「貸してもらった」「順番を待った」などの動作を表すことばや、「うれしかった」「嫌だった」「びっくりした」といった気持ちのことばも必要です。

 

子どもが「先生、これ、ぺたぺた」と話したときは、「先生とシールをぺたぺた貼ったんだね」と、大人が伝わる文にして返します。

言い直しを求めるのではなく、大人の言い方を会話の中で聞くことで、伝わりやすい文の形を学びやすくなります。

 

ゆめラボの個別療育では、お子さまの理解や表現の段階に合わせて、ことばややり取りに関する課題にも取り組んでいます。

子どもが「今日、何した?」に答えやすくなる家庭での聞き方

 

子どもから園での出来事を聞きたいときは、質問の回数を増やすよりも、聞き方を変える方が答えやすくなります。

 

会話の目的は、正確な報告をさせることではありません。話しても急かされたり否定されたりしないと感じられるやり取りが、子どもの「話してみよう」という気持ちにつながります。

範囲の広い質問ではなく場面を限定して聞く

「今日、何した?」ではなく、「お外では何をした?」「給食のとき、何を食べた?」「帰りの会で歌った?」のように、場面を一つに絞ります。

園の一日の流れが分かっている場合は、朝の会、主活動、給食、自由遊びの順に聞く方法もあります。

 

ただし、次々に質問すると子どもが疲れてしまいます。最初は答えやすそうな場面を一つだけ選びましょう。

「今日は制作があった日だね。何色を使った?」のように、保護者が知っている情報を少し伝えてから聞くと、子どもも答えやすくなります。

一度に複数のことを聞かず一つずつ質問する

「今日は誰とどこで何をして遊んだの?」と聞くと、人、場所、行動の三つを一度に考えなければなりません。

まず「誰と遊んだ?」と聞き、答えが返ってから「何をして遊んだ?」と続けます。

 

一つ答えてから次の質問へ進むことで、子どもは今何を答えればよいのか分かりやすくなります。

答えの途中で別の質問を挟まず、子どもが話し終えるまで待つことも大切です。

選択肢を示して思い出すきっかけをつくる

自由に答えることが難しい場合は、「園庭で遊んだ?お部屋で遊んだ?」と二つの選択肢を示します。

子どもが選んだ後に、「園庭で何をした?」と聞くと、続きも話しやすくなります。

 

選択肢は正解を言わせるためではなく、出来事を思い出すきっかけとして使います。どちらでもない場合に備えて、「違うことをした?」と聞ける余地も残します。

子どもの返事が事実と違うように感じても、すぐに否定せず、園から聞いている情報や持ち物を見ながら確かめましょう。

写真や持ち物、園の予定表を見ながら話す

園から共有された写真、制作物、連絡帳、献立表、行事予定などは、出来事を思い出す手がかりになります。

制作物を見ながら「これは何を作ったの?」「最初に何を貼った?」と聞くと、実際の経験とことばを結びつけやすくなります。

 

写真がある場合は、最初から答えを求めず、「○○ちゃんがいるね」「青いボールが写っているね」と、大人が写真に写っているものをことばにします。

子どもが写真を指さしたり、一語を発したりしたら、その反応を会話の始まりとして受け止めましょう。

答えを急かさず考える時間を待つ

質問を聞いてから答えが出るまでに時間がかかる子どももいます。

沈黙があると、大人は質問を言い換えたり、別の質問を加えたりしがちです。しかし、ことばが続けて入ると、最初の質問について考えにくくなる場合があります。

 

質問した後は少し待ち、子どもの表情や視線を見ます。考えている様子があれば、そのまま待ちましょう。

答えが出ないときは、「思い出したら教えてね」と会話を終えても構いません。答えられなくても責められない経験があると、次も話してみようと思いやすくなります。

出来事を順番に話す力を育てる家庭でできる遊びと練習

 

出来事を話す力は、帰宅後の質問だけで育てるものではありません。写真を見たり、遊びの手順を振り返ったりする中でも、順番に伝える練習ができます。

特別な練習時間を設けなくても、子どもが楽しめる題材から始められます。

写真を見ながら「誰と・どこで・何をした」を話す

家族で出かけたときの写真や、家で遊んだときの写真を一枚選びます。

写真を見ながら、「誰がいる?」「どこに行った?」「何をした?」と一つずつ聞きます。

 

子どもが「公園」「パパ」「滑り台」と答えたら、大人が「パパと公園で滑り台をしたね」と一つの文にして返します。

慣れてきたら、大人からの質問を少しずつ減らし、写真を見ながら子どもが自分から話すことばを増やしていきます。

絵カードを出来事の順番に並べる

「手を洗う」「ご飯を食べる」「歯を磨く」など、つながりのある絵を三枚用意します。

子どもと一緒に、どの場面が最初で、次に何をして、最後にどうなるかを考えます。

 

並べた後に「最初に手を洗います。次にご飯を食べます。最後に歯を磨きます」と大人が話し、子どもも言える部分をまねします。

子どもが順番を間違えたときは、正解を急いで教えず、「ご飯を食べる前に手はどうする?」と、順番を考えられる質問を加えます。

「最初・次・最後」の3段階で話す

一日の出来事を長く話すのではなく、一つの活動を三つの場面に分けます。

たとえば、ホットケーキ作りなら、「最初に材料を混ぜた」「次に焼いた」「最後に食べた」と話せます。

 

子どもが一語しか言えない場合は、大人が「最初は?」と聞き、子どもが「混ぜた」と答えるだけでも構いません。

三つの順番が分かるようになったら、「焼いた後、どうした?」と質問の形を変え、何が先で何が後かを考える練習へ進みます。

保護者が短いお手本を見せてから子どもに聞く

子どもにだけ出来事を話してもらうのではなく、保護者が先に自分の経験を話します。

「今日はスーパーに行ったよ。最初に野菜を選んで、次にパンを買って、最後にお会計をしたよ」のように、短く話します。

 

その後で、「○○ちゃんは園で何をした?」と聞くと、どのように話せばよいのかが分かりやすくなります。

お手本は長くしすぎず、子どもが使えそうなことばと文の長さに合わせましょう。

寝る前に一日の出来事を一つだけ振り返る

園から帰った直後は疲れて話せなくても、食事や入浴を終えた後なら話しやすい子どももいます。

寝る前に、「今日うれしかったことを一つ教えて」「今日食べたものを一つ教えて」と、一つだけ振り返ります。

 

毎日すべてを聞く必要はありません。子どもの答えに保護者がことばを少し補い、「○○ちゃんとブロックを作ってうれしかったんだね」と返します。

 

語彙や会話を広げる家庭遊びについては、家庭で簡単にできることばを育む遊び10選も参考にしてください。

子どもが保育園での出来事を話せないときに避けたい関わり方

 

保護者が子どもの園生活を知りたいと思うのは自然なことです。しかし、聞き方によっては、子どもが質問されること自体を負担に感じる場合があります。

子どもが安心して話せるように、答えられなかったときの関わり方にも注意します。

答えが出るまで同じ質問を繰り返す

子どもが答えないと、「今日何したの?」「ねえ、何したの?」と同じ質問を繰り返したくなることがあります。

 

しかし、最初の質問で答え方が分からなかった場合、同じ聞き方を繰り返しても答えやすくはなりません。子どもは追い詰められたように感じ、黙る、怒る、その場から離れるといった反応を見せることがあります。

事がなければ、場面を狭める、選択肢を出す、写真を見せるなど、質問の形を変えます。

それでも答えられない日は、「今日はお話したくなったら教えてね」と終えて構いません。

子どもの話の間違いを細かく訂正する

子どもが出来事の順番や人の名前を間違えると、正しく覚えてほしいと思うかもしれません。

 

しかし、話すたびに「それは昨日でしょ」「先に給食だったよ」と訂正されると、子どもは間違えないことに意識を向け、話し始めにくくなります。

けがやトラブルなど確認が必要な内容は確かめますが、日常会話では、まず伝えようとした内容を受け取ります。

 

「公園に行ったんだね。昨日だったかな」のように、大人が自然な言い方で補うと、会話を止めずに時間の違いを伝えられます。

きょうだいや同年代の子どもと比べる

「お兄ちゃんは何でも話してくれた」「同じクラスの子は上手に説明している」と比べても、子どもが答えやすくなるわけではありません。

出来事を話す力には、ことばの理解、記憶、経験、興味、疲れやすさなどが関係します。同じ年齢でも、話し方や得意な伝え方は異なります。

 

ほかの子どもと比べるのではなく、以前は「分からない」だけだった子どもが、今日は「外で遊んだ」と言えたなど、本人が以前より伝えられるようになったことに目を向けます。

短い返事でも、「外で遊んだことまで教えてくれたね」と、伝えられた内容をそのまま返しましょう。

疲れている帰宅直後に無理に聞き出す

園では、先生の話を聞く、集団に合わせる、友だちと関わるなど、多くの力を使います。帰宅したときには、質問に答える余裕がなくなっている子どももいます。

 

玄関を入ってすぐに質問を重ねると、普段なら答えられる内容にも反応できないことがあります。

まずは水分や食事をとる、好きな遊びをする、静かな場所で休むなど、家庭でほっとできる時間を作ります。

 

子どもが落ち着いた後で、写真や持ち物を見ながら一つだけ聞く方が、話しやすい場合があります。

子どものことばや会話の発達について相談を考える目安

 

「今日、保育園で何した?」に答えられないという一つの様子だけで、発達障害やことばの遅れが決まるわけではありません。

 

ただし、日常のさまざまな場面で会話がかみ合いにくい、本人が伝えられず困っている、園でも同じ様子が続いている場合は、ことばや会話の発達について一度相談してみる目安になります。

日常的な質問への受け答えが難しい

園での出来事だけでなく、「何を食べたい?」「どこに行く?」「誰が来た?」といった日常的な質問にも答えにくい場合があります。

質問を聞くと同じことばを繰り返す、毎回「分からない」と答える、質問とは違う返事が続く場合は、どのような質問なら理解しやすく、答えやすいのかを確認します。

 

写真や実物があれば答えられるのか、選択肢があれば選べるのかによっても、必要な支援は変わります。

家庭での様子を具体的に伝えると、相談先でも子どもが答えやすい方法を探しやすくなります。

経験したことをほとんど話さない

園での出来事に限らず、外出、遊び、食事など、自分が経験したことをほとんど話さない場合があります。

ことばで話さなくても、写真を指さす、保護者の手を引く、表情で伝えるなど、別の方法で経験したことを伝えようとしている子どももいます。

 

話すことだけに注目せず、どのような方法なら伝えやすいのかも見ていきましょう。

伝えたい気持ちはあるもののことばにできず、泣く、怒る、手が出るなどの困りごとにつながっている場合も、相談を考える目安になります。

話の順番が混ざり相手に伝わりにくい

出来事を話そうとはするものの、誰の話なのか分からない、場面が急に変わる、前後が入れ替わるため、聞き手が内容をつかみにくい場合があります。

保護者が何度も質問しなければ分からない状態が続くと、子ども自身も「話しても伝わらない」と感じることがあります。

 

写真や絵カードを順番に並べる、短い出来事を三つの場面に分けるなど、目で確認できる方法を使うと、出来事の順番を確認しやすくなります。

児童発達支援事業所などでは、子どもがどこまで一人で話せるのか、どの手がかりがあると伝えやすいのかを確認できます。

保育園や幼稚園でも会話の難しさを指摘されている

家庭だけでなく、保育園や幼稚園でも「先生の質問に答えにくい」「友だちに経験を伝えられない」「話がかみ合いにくい」と言われている場合は、園での具体的な様子を聞きましょう。

 

「いつも答えられませんか」「写真があると答えられますか」「一対一と集団では違いますか」など、場面による違いを確認します。

 

家庭と園の両方で見られる様子が分かると、どの場面で困りやすいのかが見え、関わり方も考えやすくなります。

 

園への相談方法に迷う場合は、園の先生に子どもの発達のことを相談したいときの伝え方と聞き方もご覧ください。

家庭でどのように練習すればよいか分からない

子どもの会話が気になっていても、「質問を増やした方がよいのか」「正しい文で言い直させた方がよいのか」と迷う保護者の方は少なくありません。

子どもによって、理解しやすい質問の長さ、使いやすいことば、写真や絵が必要な場面は異なります。

 

診断の有無にかかわらず、ことばや会話について気になることがあれば、自治体の発達相談、医療機関、児童発達支援事業所などへ相談できます。

相談するときは、「何した?に答えられない」とだけ伝えるのではなく、「選択肢があると答えられる」「写真を見ると話し始める」など、できる場面も一緒に伝えましょう。

出来事を話すことが苦手な子どもの発達が気になるときはゆめラボへご相談ください

 

子どもが「今日、保育園で何した?」に答えにくい背景には、質問の範囲が広くて何を答えればよいか分からない、園での出来事をすぐに思い出せない、話す内容や順番を決めにくい、ことばで表しにくいなど、さまざまな理由があります。

 

答えられないからといって質問を繰り返すのではなく、「お外では何をした?」「誰と遊んだ?」と場面を狭め、写真や持ち物も使いながら、子どもが話しやすいきっかけを作ることが大切です。

 

ゆめラボでは、お子さまの発達段階やことばの理解、伝え方の特徴を見ながら、必要に応じて写真、出来事の順番を示す絵カード、遊びの振り返りなどを取り入れています。

 

「質問すると黙ってしまう」「園での出来事をほとんど話さない」「話そうとしているが順番が混ざって伝わりにくい」など、ことばや会話について気になることがある方は、お近くのゆめラボへご相談ください。

 

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