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放課後等デイサービス

2026.01.20

友だちトラブルが減る?ASDの小学生に放課後等デイサービスでできる対人支援

 

自閉スペクトラム症(ASD)のある小学生のお子さまについて、「友だちとのトラブルが続いている」「悪気はないのに相手を怒らせてしまう」「学校で注意されることが増えて自信をなくしている」と感じることはありませんか。

 

友だちトラブルは、性格やしつけだけで起きるものではありません。ASDのあるお子さまの場合、相手の表情を読み取ること、言葉の裏にある意味を考えること、順番やルールの変化に合わせることに負担がかかり、本人も理由が分からないまま困っていることがあります。

 

大切なのは、友だちトラブルを「なくさなければ」と追い込むことではなく、起きにくい関わり方を練習し、起きた後に立て直す力を育てていくことです。放課後等デイサービスでは、学校や家庭とは違う少人数の場で、実際のやりとりを通して対人スキルを育てる支援ができます。

 

このコラムでは、ASDの小学生の友だちトラブルを減らすために、放課後等デイサービスでどのような対人支援ができるのか、家庭や学校とどのように連携すればよいのかを、ゆめラボの療育視点からお伝えします。

ASDの小学生の友だちトラブルは減らせる?

 

ASDのある小学生の友だちトラブルは、関わり方を変えずに「次は気をつけようね」と伝えるだけでは減りにくいものです。子ども本人が、どの場面で相手が困ったのか、自分はどう伝えればよかったのか、次に同じ場面が起きたら何をすればよいのかを具体的に経験する必要があるためです。

 

反対に、つまずきやすい場面を大人が把握し、本人に合う言葉や合図を使いながら練習を重ねることで、トラブルの回数や激しさは変わりやすくなります。友だちトラブルを減らす支援では、失敗を責めるよりも、うまくいった関わり方を本人が覚えられる形にすることが欠かせません。

完全になくすより「起きにくくする」ことを目指す

友だちトラブルを一度も起こさない状態を目標にすると、保護者もお子さまも苦しくなります。学校生活では、遊び、休み時間、グループ活動、係活動など、人との関わりが続くため、思い違いや行き違いが起きること自体は自然です。

 

ASDのあるお子さまへの支援では、「トラブルを完全になくす」よりも、「起きやすい場面を減らす」「怒る前に助けを求める」「相手と距離を取る」「後から関係を戻す」ことを支援します。これにより、トラブルが起きたとしても大きくこじれにくくなり、本人の自信も守りやすくなります。

叱るだけではなく関わり方を練習することが大切

友だちトラブルの後に「そんなことを言ったらだめ」「相手の気持ちを考えなさい」と伝えても、ASDのあるお子さまには何を直せばよいのか分かりにくいことがあります。本人は正直に言っただけ、ルールを守っただけ、先に嫌なことをされたと感じていることもあります。

 

そのため、叱るだけではなく、「次に同じ場面があったら何と言うか」「どのタイミングで大人を呼ぶか」「相手が嫌がっているサインはどこで分かるか」を実際の場面に近い形で練習することが必要です。言葉で説明して終わるのではなく、短い会話、カード、ロールプレイ、遊びの中で何度も試すことで、学校でも使いやすい対人スキルに変わっていきます。

放課後等デイサービスで練習できる対人スキルとは

放課後等デイサービスでは、友だちとの関わりに必要な対人スキルを、生活や遊びの中で練習します。たとえば、相手の話を最後まで聞く、順番を待つ、貸してほしいときに言葉で伝える、嫌なことをされたときに「やめて」と言う、困ったときにスタッフへ助けを求めるといった力です。

 

対人スキルは、プリント学習だけで身につくものではありません。実際に友だちやスタッフと関わり、うまくいった場面をその場で確認することで、学校生活でも使いやすくなります。

 

放課後等デイサービスで行うソーシャルスキル支援の全体像は、放課後等デイサービスで伸ばすソーシャルスキル|友だち関係が苦手な子への支援でも解説しています。

ASDの小学生に友だちトラブルが起きやすい場面と支援のポイント

 

ASDの小学生の友だちトラブルは、「乱暴な子だから」「わがままだから」と決めつけると、本当の困りごとが見えにくくなります。実際には、本人なりに一生懸命関わろうとしているものの、伝え方、受け取り方、待ち方、切り替え方でつまずいていることがあります。

 

ここでは、友だちトラブルにつながりやすい場面ごとに、必要な支援の方向を確認します。

一方的に話してしまうときの関わり方

ASDのあるお子さまは、好きな話題になると話が止まらなくなり、相手が聞きたいかどうかに気づきにくいことがあります。本人に悪気はなくても、友だちからは「話を聞いてくれない」「自分の話ばかりする」と受け取られ、距離を置かれてしまうことがあります。

 

この場合、「話しすぎ」と注意するだけではなく、会話の終わり方や相手に質問する言い方を練習します。たとえば、「ここまで話したら相手に聞く」「相手が別の方向を見たら一度止まる」「話したいことはスタッフに先に伝える」など、本人が使える言葉や合図にしていきます。

 

一方的な会話や割り込みへの家庭での関わり方は、会話が一方的になる発達障害の小学生へ|話しすぎる・割り込む子への家庭でできる関わり方でも詳しく紹介しています。

順番やルール変更でトラブルになるときの関わり方

遊びの順番を抜かされたと感じたとき、ルールが途中で変わったとき、負けそうになったときに、強く怒ったり遊びをやめたりするお子さまもいます。ASDのあるお子さまにとって、先の見通しや決まったルールは安心材料になりやすいため、急な変更が大きな負担になることがあります。

 

支援では、いきなり我慢を求めるのではなく、変更が起きる前に合図を出す、ルールを見える形にする、負けたときに使う言葉を決めておくなど、怒りや不安が強くなりにくい参加の流れを作ります。放課後等デイサービスの活動では、ボードゲームや順番のある遊びを使い、「待つ」「交代する」「負けても続ける」経験を重ねます。

冗談やあいまいな言葉を誤解しやすいときの関わり方

ASDのあるお子さまは、言葉をそのまま受け取りやすいことがあります。友だちが軽い気持ちで言った「もう来ないで」「あとでね」「それ変だよ」といった言葉を強く受け止め、傷ついたり怒ったりすることがあります。

 

また、自分が言う側になったときも、相手の外見や失敗を率直に言ってしまい、友だちを傷つけることがあります。本人は正しいことを伝えたつもりでも、相手には責められたように聞こえるため、トラブルにつながります。

 

このような場面では、言葉の意味を後から説明するだけでなく、「その言い方だと相手はどう受け取りやすいか」「別の言い方なら何があるか」を短く練習します。会話カードや実際にありそうな場面を使うと、言葉の選び方を考えやすくなります。

相手の表情や気持ちに気づきにくいときの関わり方

友だちが困った顔をしている、声が小さくなった、返事が短くなった、体の向きが離れたといったサインに気づきにくいお子さまもいます。そのまま同じ話や行動を続けると、周りから「しつこい」「空気が読めない」と見られてしまうことがあります。

 

支援では、「相手の気持ちを当てる」ことだけを求めるのではなく、見るポイントを具体的にします。表情、声の大きさ、体の向き、距離、返事の長さなど、確認する場所を決めることで、相手の反応に気づくきっかけが生まれます。

 

放課後等デイサービスでは、遊びや会話の後に「今、相手はどんな様子だったかな」と短く振り返り、次に使える行動へつなげます。長い反省にするのではなく、次にできる一つの行動へ変えることが大切です。

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放課後等デイサービスで友だちトラブルを減らすために行う支援

 

放課後等デイサービスでの対人支援は、言い方だけを覚えるものではありません。実際の活動の中で、人と関わる場面を作り、失敗してもやり直せる環境の中で、本人が使いやすい行動を増やしていきます。

 

学校の大きな集団では、トラブルが起きた後にじっくり関わり方を練習する時間が取りにくいことがあります。放課後等デイサービスでは、少人数の関係の中で、友だちとの距離感、会話の順番、感情の切り替え、助けの求め方を実際に経験できます。

少人数の中で安心して関わり方を練習する

大人数のクラスでは緊張しやすいお子さまも、少人数の活動であれば参加しやすいことがあります。人数が少ないと、スタッフが近くで表情や動きを見守りやすく、トラブルの前に声をかけることもできます。

 

最初から友だち同士だけで関わるのではなく、スタッフとの一対一の会話、スタッフを交えた二人遊び、短時間の小集団活動というように段階を作ります。お子さまが「この場なら話せる」「困ったら助けてもらえる」と感じられることが、対人スキルを使う土台になります。

スタッフが気持ちや言葉をつなぐ

友だちトラブルが起きたとき、ASDのあるお子さまは「自分は悪くない」と感じていることがあります。実際に、本人の中では理由があり、相手の行動に反応しただけという場合もあります。そのため、ただ謝らせる対応では、納得できず同じトラブルを繰り返しやすくなります。

 

スタッフは、子ども同士の間に入り、「今の言い方は相手に強く聞こえたかもしれない」「先に使いたかった気持ちは分かるけれど、貸してと言う前に取ると相手は驚く」など、場面に合わせて言葉をつなぎます。

 

この場面では、どちらかを一方的に責めないことが必要です。本人の気持ちを受け止めたうえで、相手からどう見えたのか、次にどの行動を選ぶのかを短く伝えます。

遊びや活動の中で順番・交代・相談を経験する

順番を待つ、交代する、役割を決める、途中で相談するという行動は、友だちトラブルを減らすうえで大切な力です。ただし、言葉で説明されるだけでは、実際の場面で使えないことがあります。

 

放課後等デイサービスでは、カードゲーム、制作、運動遊び、共同作業などを通して、順番や交代を経験します。遊びの中であれば、子どもは練習だけをしていると感じにくく、自然な関わりの中で対人スキルを使いやすくなります。

 

たとえば、負けたときに「もう一回やりたい」と言う、使いたい道具があるときに「次に貸して」と伝える、ルールが変わったときにスタッフへ確認するなど、学校でも使える言葉を活動の中で身につけていきます。

成功した関わり方を振り返り次につなげる

友だちトラブルを減らすには、失敗した場面だけを見るのではなく、うまくいった場面を本人が分かるように伝えることが欠かせません。「今、待てたから友だちが最後まで遊べたね」「貸してと言えたから、相手も渡しやすかったね」と、その場で行動と結果を結びつけます。

 

ASDのあるお子さまは、うまくいった理由を自分でつかみにくいことがあります。大人が成功した行動を短く言葉にすることで、次に同じ場面が起きたときに思い出しやすくなります。

 

こうした積み重ねにより、「どうせまトラブルになる」という不安が減り、「前と同じようにやってみよう」という気持ちにつながります。自信が育つことで、友だちとの関わりにも前向きになりやすくなります。

家庭や学校と連携して友だちトラブルを減らすには

 

放課後等デイサービスで対人スキルを練習しても、家庭や学校でまったく違う対応になると、お子さまは混乱しやすくなります。友だちトラブルを減らすには、家庭、学校、放課後等デイサービスが、お子さまに合う声かけや支援方法を共有することが必要です。

 

特にASDのあるお子さまは、場所が変わると同じ行動を使いにくいことがあります。放課後等デイサービスでできたことを学校でも使えるようにするには、大人同士の連携が必要です。

 

放課後等デイサービスの基本的な役割や支援内容は、放課後等デイサービスってどんなところ?小学生から利用できる療育支援を解説でも紹介しています。

家庭でトラブルの原因を責めすぎない

学校で友だちトラブルがあったと聞くと、保護者は心配になり、「どうしてそんなことをしたの」「何回言えば分かるの」と言いたくなることがあります。しかし、帰宅後に長く責められると、お子さまは内容を振り返るよりも、怒られたつらさだけが残りやすくなります。

 

家庭では、まず短く事実を確認します。「何があったのか」「そのとき何をしたのか」「次は誰に助けを求めるか」を一つずつ聞くと、本人も話しやすくなります。感情が高ぶっている日は、その場で解決しようとせず、落ち着いてから短く確認する方が次の行動につながります。

学校で起きた場面を短く具体的に共有する

友だちトラブルを減らすには、学校で起きたことを大まかに聞くだけでは足りないことがあります。「友だちとケンカした」だけでは、どの支援が必要か判断しにくいためです。

 

学校には、いつ、どこで、誰と、何をしているときに、どの言葉や行動でトラブルになったのかを確認します。休み時間なのか、授業中なのか、自由遊びなのか、グループ活動なのかによって必要な支援は変わります。

 

放課後等デイサービス側にもその情報があると、似た場面を活動の中で再現し、次に使う言葉や行動を練習できます。学校での困りごとを家庭だけで抱えず、支援につながる情報として共有することが大切です。

放課後等デイサービスと対応方法をそろえる

家庭では「まず大人に言う」と伝え、学校では「自分たちで解決して」と言われ、放課後等デイサービスでは別の言い方を教えられると、お子さまはどれを使えばよいのか分からなくなります。

 

対応方法は、できる範囲で同じにします。たとえば、嫌なことをされたときは「やめて」と一回言う、それでも続くときは大人に伝える、怒りそうになったらその場を離れる、という流れを共通にしておくと、場面が変わっても使いやすくなります。

 

放課後等デイサービスでうまくいった声かけや合図は、家庭や学校でも使える可能性があります。反対に、学校でうまくいっている対応があれば、放課後等デイサービスでも取り入れることで、お子さまにとって分かりやすい支援になります。

本人に合う伝え方を大人同士で確認する

ASDという診断名が同じでも、合う伝え方は一人ひとり違います。短い言葉が入りやすい子、絵や文字がある方が理解しやすい子、先に気持ちを受け止めると落ち着きやすい子、時間を置いてから話す方が振り返りやすい子がいます。

 

大人同士で、「どの言い方だと動きやすいか」「どの声かけは反発につながりやすいか」「トラブル前に見られるサインは何か」を確認しておくと、早めに関わりやすくなります。

 

放課後等デイサービスは、家庭と学校の間に立ち、お子さまの様子を別の場面から見ることができます。

 

自閉症のあるお子さまにとって放課後等デイサービスがどのような役割を持つのかは、放課後等デイサービスは自閉症の子にどう役立つ?通うメリットをわかりやすく解説でもお伝えしています。

まとめ|ASDの友だちトラブルは一人で抱え込まず相談を

 

ASDの小学生の友だちトラブルは、本人の努力不足や保護者の関わり方だけが原因ではありません。相手の気持ちの読み取り、言葉の受け取り方、順番やルール変更への対応、感情の切り替えなど、複数のつまずきが重なって起きることがあります。

 

だからこそ、友だちトラブルを減らすには、叱るだけではなく、実際に使える対人スキルを練習することが必要です。放課後等デイサービスでは、少人数の活動やスタッフとの関わりを通して、話す、聞く、待つ、断る、助けを求める、仲直りする力を育てていきます。

 

家庭や学校と連携しながら、同じ声かけや対応を積み重ねることで、お子さまは次の行動を選びやすくなります。友だちトラブルが続いているときは、保護者だけで抱え込まず、早めに相談先を持つことが大切です。

 

児童発達支援事業所ゆめラボでは、2026年4月に放課後等デイサービスの開始を予定しています。ASDのお子さまの友だちトラブルや対人スキルについて心配なことがある方は、通所の有無にかかわらず、お気軽にお問い合わせください。

 

お子さまの現在の様子や学校での困りごとをうかがいながら、今後の関わり方や利用できる支援について一緒に考えていきましょう。

 

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