お子さまがかんしゃくを起こしたときや気持ちが崩れたときに、頭を床や壁に打ちつける様子があると、保護者さまは強い不安を感じる保護者さまは少なくありません。
「このままけがをしたらどうしよう」「自傷行動なのだろうか」「止めようとすると余計に激しくなる」と、対応に迷う場面も少なくありません。
子どもが頭を打ちつける行動には、ことばで伝えにくい気持ち、強い不安、予定変更への混乱、強い感覚刺激を求めていること、眠気や空腹による崩れやすさなど、いくつかの背景が重なっていることがあります。
ただし、頭を打ちつける行動は、けがにつながる可能性があるため、背景を考える前に、まず安全を守ることが必要です。
このページでは、子どもが頭を床や壁に打ちつけるときに家庭でまず確認したいこと、行動につながる背景、安全を守る対応、頭を打った後に見る様子、行動を減らすための関わりを、児童発達支援事業所ゆめラボの視点からお伝えします。
子どもが頭を床や壁に打ちつける場面では、まずけがの有無と周囲の危険を確認します。
行動の背景を考えることも必要ですが、強く頭を打っている場合や、打った後の様子に変化がある場合は、家庭で様子を見るだけでは危険な場合があります。
「なぜやっているのか」を考える前に、どのくらいの強さで、どこに、何回打ちつけているのかを見ます。けがの有無や、意識、反応、泣き方、歩き方、吐き気なども確認します。
頭を打ちつける行動があるときは、まず強さ、回数、場所を確認します。床に軽く頭を当てているのか、壁や家具に強くぶつけているのかで、けがのリスクは変わります。
同じ行動でも、布団やクッションの上で軽く当てている場合と、硬い床や壁、家具の角に向かって打ちつけている場合では、対応の優先順位が変わります。
何度も繰り返す、勢いが強い、泣きながら止まらない、頭に赤みや腫れが出る場合は、家庭の環境だけでなく、相談が必要な段階です。
頭を打ちつける行動は、かんしゃくやパニックの中で起きることがあります。
思い通りにならない、予定が変わった、遊びを終えるタイミングが受け入れにくい、要求が通らないといった場面で、気持ちが一気に崩れることがあります。
このとき、子ども自身も自分の行動を止めにくくなっている場合があります。「困らせようとしている」と見るより、大きく崩れた気持ちが体の動きとして出ている状態かもしれないと考えます。
頭を打った後に、意識がぼんやりしている、呼びかけへの反応が弱い、何度も吐く、ふらつく、けいれんがある、いつもと様子が違う場合は、医療機関への相談が必要です。
強く頭を打った後に眠気が強い、泣き方がいつもと違う、顔色が悪い、歩き方が不安定になっている場合も注意が必要です。
家庭で判断に迷う場合は、かかりつけ医、救急相談窓口、医療機関へ連絡します。緊急性が高いと感じる場合は、すぐに救急につなげます。
頭を打ちつける行動への家庭対応は、安全確認と受診判断を後回しにしないことが前提になります。
子どもが頭を打ちつける行動には、複数の背景が考えられます。
一つの理由だけで起きるとは限りません。ことばで伝えにくい、気持ちの切り替えが難しい、感覚刺激を求めている、疲れや空腹で崩れやすくなっているなど、複数の要因が重なることもあります。
行動をすぐに止めようとするだけでは、同じ場面でまた繰り返されることがあります。起きやすい場面を見ていくことで、家庭での対応を考えやすくなります。
子どもが頭を打ちつけるとき、嫌だった、やめてほしかった、助けてほしかった、もっと遊びたかったという気持ちを、ことばでうまく伝えられていない場合があります。
特に、ことばがまだ少ない時期や、気持ちを説明することが難しい子は、困った気持ちが体の動きとして出ることがあります。
この場合、頭を打ちつける行動だけを止めようとするのではなく、その直前に何があったのかを見ることが必要です。要求が通らなかったのか、急に止められたのか、嫌な刺激があったのかを見ていくと、子どもが伝えたかったことに気づけることがあります。
予定変更や急な切り替えが苦手な子は、見通しが崩れたときに強い不安を感じることがあります。遊びが終わる、外出の予定が変わる、いつもの順番と違う、好きな物が使えないといった場面で、気持ちが大きく揺れることがあります。
その不安や混乱が強くなると、泣く、怒る、床に倒れるだけでなく、頭を打ちつける行動として出る場合があります。このような場面では、行動が起きてから説得するより、事前に見通しを伝える関わりが役立つことがあります。
頭を打ちつける行動の中には、強い感覚刺激を求めているように見える場合もあります。体に入る強い刺激で落ち着こうとしている、同じ刺激を繰り返すことで安心している、体の感覚を確かめているように見えることがあります。
ただし、感覚刺激を求めているように見える場合でも、頭を強くぶつける行動をそのまま続けることは危険です。
安全な場所で体に力を入れる遊び、押す・引く動き、クッションを抱える動きなど、けがにつながりにくい方法へ置き換えていくことを考えます。
眠い、お腹が空いている、疲れている、体調がすぐれないといった状態では、普段なら受け止められることでも崩れやすくなります。夕方、寝る前、外出後、園から帰った後など、疲れがたまりやすい時間帯に頭を打ちつける行動が出る子もいます。
この場合、行動そのものだけでなく、時間帯や生活リズムも合わせて見ます。いつも同じ時間に起きる場合は、直前の活動量、食事、睡眠、切り替えの多さが負担になっていないかを確認します。
頭を打ちつける行動が起きたとき、まず優先したいのはけがを防ぐことです。
その場で強く叱ったり、理由を問い詰めたりしても、子どもが混乱している最中には届きにくいことがあります。まずは、危険な場所から離し、危険な物を減らします。
安全を守りながら、子どもが少し落ち着いてから、何が起きたのかを見ていきます。
子どもが床や壁に頭を打ちつけているときは、硬い場所や角のある場所から離します。無理に抱え込むと、さらに体を反らせたり、ぶつける力が強くなったりすることがあります。
可能であれば、子どもの体の動きに合わせながら、布団、マット、クッションのある場所へ移します。危険な場所から離すことは、行動を放置することではありません。けがを防ぐために必要な対応です。
頭を打ちつける行動が繰り返される場合は、家庭内の危険な場所を見直します。壁の角、家具の角、硬い床、テーブルの脚、扉の近くなど、頭をぶつけやすい場所を確認します。
クッションマットを使う、家具の角を保護する、床に物を置かない、崩れやすい時間帯だけ安全な場所で過ごすなど、できる範囲で環境を変えます。
安全な環境を作ることは、過剰な対応ではありません。子どもが強く崩れたときに、けがにつながる場面を減らすための準備です。
頭を打ちつける行動を見ると、すぐに止めたくなります。しかし、強く押さえる、怒鳴る、無理に立たせると、子どもがさらに混乱する場合があります。
危険な場所から離したうえで、子どもが自分や周囲を傷つけにくい距離を保ちます。
声をかける場合は、長く説明せず、「ここは危ないよ」「こっちにいるよ」「大丈夫、待っているよ」のように短く伝えます。落ち着く前に理由を聞くより、安全を保つことを優先します。
頭を打ちつけた後は、すぐに普段通り戻るかどうかを見ます。
泣いた後に落ち着く、呼びかけに反応する、水分が取れる、歩き方や表情が普段と変わらない場合でも、その後しばらくは様子を見ます。
反対に、いつもと違う様子がある場合は、家庭で判断し続けず、医療機関へ相談します。
頭を打った後、すぐ泣く、呼びかけに反応する、目が合う、落ち着いた後に普段の遊びへ戻れるかを見ます。泣いたから安心という意味ではありませんが、反応があるかどうかは大切な確認になります。
その後も、表情、機嫌、歩き方、食事や水分の取り方、眠り方を見ます。いつもと違うと感じる場合は、早めに相談します。
頭を打った後に、何度も吐く、ぼんやりしている、呼びかけへの反応が弱い、ふらつく、けいれんがある、強い眠気が続く場合は注意が必要です。
頭の腫れや出血だけで判断せず、行動や反応の変化も見ます。
保護者さまから見て「いつもと違う」と感じる場合も、相談する目安になります。不安が強いときは、家庭で様子を見ることにこだわらず、医療機関や救急相談窓口につなげます。
頭を打ちつける行動が繰り返される場合は、いつ、どこで、何の後に起きたのかを残しておきます。
毎回すべてを詳しく書く必要はありません。時間帯、直前の出来事、場所、頭を打った強さ、その後の戻り方が分かるだけでも、相談時に役立ちます。
記録は、子どもを責めるためのものではありません。どの場面で安全確保が必要か、どの関わりなら落ち着きやすいかを見つけるために使います。
頭を打ちつける行動を減らすには、行動が起きた後の対応だけでなく、起きる前の場面を見ることが必要です。
いつも同じ時間、同じ場所、同じ要求の場面で起きるなら、子どもにとって負担になっている流れがあるかもしれません。
家庭では、起きやすい場面を知り、気持ちや要求を別の形で出せるようにし、落ち着く場所や切り替え方を決めていきます。
頭を打ちつける行動が起きたときは、直前に何があったのかを見ます。遊びを終える場面、食事の前後、外出前、寝る前、園から帰った後など、同じ流れで起きていないかを確認します。
また、要求が通らなかった、急に予定が変わった、嫌な音や感触があった、疲れていたなど、きっかけになりそうなことも見ます。背景が見えてくると、事前に予告する、選択肢を減らす、安全な場所へ移動するなど、起きる前の対応を考えやすくなります。
ことばで伝えることが難しい子には、頭を打ちつける行動以外で気持ちや要求を出せる方法が必要です。「いや」「やめて」「もう一回」「手伝って」などを、ことば、指さし、カード、ジェスチャー、表情で伝える練習をします。
すぐに上手に伝えられなくても、子どもが別の方法を使ったときに、大人が反応することが大切です。頭を打ちつけなくても伝わった経験が増えると、少しずつ行動が変わることがあります。
頭を打ちつける行動が出やすい子には、行動が出てから探すのではなく、落ち着く場所や切り替え方を先に決めておくことが役立ちます。
クッションのある場所、静かな部屋の一角、好きな感触のタオル、深呼吸のまね、ぎゅっと抱えるクッションなど、その子が戻りやすい方法を探します。
大人が毎回違う対応をすると、子どもはさらに混乱しやすくなります。家庭の中で「崩れそうなときはここへ行く」「この声かけを使う」と決めておくと、保護者さまも動きやすくなります。
子どもが頭を床や壁に打ちつける行動は、保護者さまにとって強い不安につながりやすい行動です。
まず必要なのは、けがを防ぎ、頭を打った後の様子を確認することです。嘔吐、ぼんやり、ふらつき、けいれん、強い眠気、反応の変化などがある場合は、医療機関や救急相談窓口へ相談します。
そのうえで、行動が起きやすい場面を見ていくと、ことばで伝えにくい気持ち、不安、予定変更、感覚刺激、疲れや空腹など、背景が見えてくることがあります。
頭を打ちつける行動は、強く叱るだけでは変わりにくいことがあります。安全な場所へ移る、危険な場所を減らす、短い声かけにする、別の伝え方を増やす、落ち着く場所を決めるなど、家庭でできる対応を組み合わせていくことが大切です。
ゆめラボでは、かんしゃくやパニック、強く崩れたときの行動について、家庭での様子を伺いながら、お子さまに合う関わり方を一緒に考えています。
頭を打ちつける行動や、自傷につながる行動が続いている場合は、ご家庭だけで抱え込まず、児童発達支援事業所や医療機関、自治体の相談窓口へご相談ください。
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