小学生になると、国語の授業や毎日の宿題で音読に取り組む機会が増えていきます。
けれど、発達障害や学習障害が気になるお子さまの中には、音読になると急に声が小さくなる、行を飛ばす、同じところを何度も読む、途中で止まってしまうといった姿が見られることがあります。
家庭では「毎日練習しているのに、なかなかすらすら読めない」「何度も読み間違えるので、つい強く言ってしまう」「音読カードの時間が親子でつらくなっている」というご相談をいただくことがあります。
音読が苦手な小学生は、努力していないわけではありません。文字の形を追うこと、文字を音に変えること、行を見失わずに読むこと、読んだ内容を頭に残すことなど、いくつもの力を同時に使っているため、読むだけで疲れてしまう場合があります。
このページでは、発達障害・学習障害が気になる小学生の音読で、読み飛ばしやつまずきが多いときに、家庭でどのように支えればよいかを、放課後等デイサービスゆめラボの視点からお伝えします。
INDEX
音読で読み飛ばしが起きると、保護者の方は「ちゃんと見ていないのかな」「集中していないのかな」と感じるかもしれません。
しかし、発達障害や学習障害が気になる小学生の場合、読み飛ばしの背景には、目の動き、文字の認識、音への変換、注意の向け方などが関係していることがあります。
同じ読み飛ばしでも、行を見失っている子、似た文字を見分けにくい子、文字を音に変えるまでに時間がかかる子、読むことに力を使いすぎて内容が入らない子など、つまずき方は一人ひとり違います。
音読では、文字を一つずつ見るだけでなく、横の流れに沿って目を動かし、今どこを読んでいるのかを保ちながら声に出す必要があります。
この目で追う動きに負担があると、行を飛ばしたり、同じ行に戻ったり、文の途中でどこを読んでいるのか分からなくなったりします。
とくに教科書の文章は、文字が密に並んでいることがあります。お子さまによっては、文字が多いページを見ただけで疲れてしまい、読む前から気持ちが重くなることもあります。
このような場合は、読み間違いを直す前に、今どこを読んでいるのかを追いやすくすることが必要です。
紙で下の行を隠す、指で文字の下を追う、短い文から読むなど、視線が迷いにくい形にすると取り組みやすくなることがあります。
音読では、目で見た文字を頭の中で音に変え、それを声に出す必要があります。発達障害や学習障害が気になるお子さまの中には、この変換に時間がかかる子がいます。
たとえば、「め」と「ぬ」、「わ」と「れ」、「シ」と「ツ」など、形が似ている文字で読み間違えることがあります。
また、助詞の「は」「へ」を文の中でどう読むのか迷ったり、漢字の読み方が思い出せずに止まったりすることもあります。
読む速度がゆっくりでも、本人の頭の中では一生懸命に文字を音へ変えています。そこで「早く読んで」「さっきも読んだでしょ」と言われると、音読そのものへの苦手意識が強くなりやすくなります。
音読が苦手な小学生は、文字を読むだけで多くの力を使っていることがあります。そのため、最後まで読めたとしても、何が書いてあったのかを聞くと答えられないことがあります。
これは、内容を理解していないというより、読む作業だけで頭がいっぱいになっている状態かもしれません。文字を追う、読み方を思い出す、声に出す、間違えないようにするという負担が重なると、文章の意味まで残りにくくなります。
ゆめラボの既存ページでは、SLDのあるお子さまへの支援を「得意を活かす」という視点から紹介しています。
読み書きや計算のつまずき全体について知りたい場合は、放課後等デイサービスでできる!SLD支援で子どもの得意を伸ばすも参考になります。
音読のつまずきは、ただ「読むのが遅い」という形だけで出るわけではありません。行を飛ばす、言葉を入れ替える、助詞を抜かす、途中で嫌がる、音読カードの前になると機嫌が悪くなるなど、家庭で見えやすいサインがあります。
毎日の音読宿題で同じようなつまずきが続く場合は、回数を増やす前に、どの場面で止まりやすいのかを見ていくことが大切です。
音読で行を飛ばす子は、文章の意味が分からないから飛ばしているとは限りません。今読んでいる場所を目で保つことが難しく、次の行へ移るときに一つ下の行ではなく、さらに下の行へ飛んでしまうことがあります。
反対に、同じ行を何度も読んでしまう子もいます。読み終えた場所と次に読む場所の境目がつかみにくく、目線が戻ってしまうことがあります。
このような姿があるときは、「ちゃんと見て」と言うだけでは変わりにくいことがあります。読みやすい文字量にする、下敷きや紙で読む行以外を隠す、短い文ごとに区切るなど、目で追う負担を減らす関わりが必要になります。
音読で似た文字を読み間違える場合、文字の形を細かく見ることに負担がある場合があります。ひらがな、カタカナ、漢字が混ざる文章では、読む前に文字を見分けるだけでも時間がかかります。
また、「は」「へ」「を」などの助詞を抜かしたり、別の読み方にしたりすることもあります。助詞の読み間違いが多いと、文の意味が変わってしまうため、保護者の方はすぐに直したくなるかもしれません。
ただし、毎回すべてを止めて直すと、音読の流れが途切れ、本人が「また間違えた」と感じやすくなります。まずは短い範囲で読み、読み終わったあとに一つだけ一緒に見直すなど、負担を増やしすぎない関わりが向いていることがあります。
音読が苦手な小学生の中には、読み飛ばしや読み間違いよりも先に、黙る、怒る、泣く、席を離れるといった姿が出る子もいます。これは、わがままというより、音読に対する負担や不安がかなり大きくなっているサインかもしれません。
過去に何度も注意された経験があると、教科書を開いただけで緊張することがあります。「また間違えるかもしれない」「怒られるかもしれない」という気持ちが強くなると、読む前から体が固まってしまうこともあります。
宿題全体への取り組みに困りごとがある場合は、小学生の療育:発達障害の子の「宿題が進まない」を助ける家庭の工夫でも、家庭での関わり方を紹介しています。
音読だけでなく、宿題の始め方や声かけに悩んでいるご家庭はあわせてご覧ください。
家庭で音読を支えるときは、読み間違いをなくすことだけを目標にしすぎない方が、親子ともに続けやすくなります。まずは、音読の時間に強い緊張や失敗感が残らないようにしながら、「今日はここまで読めた」という経験を積み重ねていきます。
発達障害や学習障害が気になるお子さまの場合、長く読ませるより、短い範囲に区切って読みやすい状態にしてから取り組む方が合うことがあります。
家庭では、教科書をそのまま読む前に、読む場所を見失わない工夫や、一文ずつ区切る練習から始めると取り組みやすくなります。
行を飛ばしやすい子には、今読んでいる場所が見えるようにする関わりが役立ちます。指で文字の下を追う、紙で下の行を隠す、定規や下敷きを行に合わせるなど、視線が迷いにくい形を作ります。
最初は保護者の方が指を添えて、読む場所を一緒に追ってもかまいません。慣れてきたら、お子さま自身が指で追う、紙を動かす、読む行を確認するという流れにしていきます。
紙や定規を使うことは、音読を楽に済ませるためではなく、読む場所を見失わずに参加するための支えになります。読み飛ばしが多い子にとって、読む場所を保つ道具は、音読に参加するための支えになります。
長い文章を最初から最後まで一気に読ませると、音読が苦手な子は途中で疲れやすくなります。まずは一文だけ読む、句点まで読む、会話文だけ読むなど、読む量を短くします。
一文読めたら、すぐ次に進めるのではなく、「今の文は誰が出てきたかな」「何をしたところだったかな」と短く確認します。読むことと意味をつなげる時間を作ることで、ただ声に出すだけの音読になりにくくなります。
一文ずつ読む方法は、読み飛ばしが多い子だけでなく、読んでいる途中で内容が抜けやすい子にも向いています。長く読むことを急がず、短い範囲で「読めた」「意味も分かった」という経験を残すことが大切です。
音読が苦手な子には、いきなり一人で読ませるより、保護者の方が先に読んでからまねて読む方法が合うことがあります。先に読み方を聞くことで、文章のリズムや区切りが入りやすくなります。
また、一文ずつ交代で読む方法もあります。保護者が一文読み、次にお子さまが一文読む。長い段落は保護者が担当し、短い会話文だけお子さまが読むという形でもかまいません。
「全部自分で読めないと意味がない」と考える必要はありません。
家庭での音読は、読む力を伸ばす時間であると同時に、文章に触れる時間でもあります。読みの負担が大きい日は、聞いて内容を楽しむ時間を入れてもよいのです。
音読宿題は毎日続くため、保護者の方も疲れやすい時間です。仕事や家事のあとに音読を聞く中で、何度も読み間違いがあると、つい「違う」「もう一回」「さっきも言ったよ」と言いたくなることがあります。
しかし、発達障害や学習障害が気になる小学生の場合、注意が増えるほど読むことへの不安が強くなり、さらに読み飛ばしやつまずきが増えることがあります。家庭では、読めなかった場面を責めるより、音読に向かう気持ちを守る関わりが欠かせません。
音読が苦手な子に、同じ文章を何度も読ませるだけでは、うまくいかないことがあります。読む力が育つ前に疲れがたまり、「また間違えた」「自分は読めない」という気持ちが残りやすくなるためです。
もちろん、繰り返し読むことで慣れる子もいます。ただ、読み飛ばしや行の見失いが多い子の場合は、回数を増やす前に、読みやすい形に変える必要があります。
同じ文章を読む場合でも、今日は一段落だけ、今日は会話文だけ、今日は保護者と交代で読むというように、負担を変えるだけで取り組みやすさが変わることがあります。
音読では、「すらすら読む」「止まらず読む」ことに目が向きやすくなります。しかし、発達障害や学習障害が気になる子にとって、早く読むことを求められると、文字を飛ばしたり、読み間違えたりしやすくなる場合があります。
読みの速度より先に見たいのは、今どこを読んでいるか分かっているか、文の区切りをつかめているか、読んだあとに内容が少し残っているかという点です。
ゆっくりでも、指で追いながら読めた。短い文なら最後まで読めた。昨日より嫌がらずに始められた。こうした変化を拾うことで、音読への抵抗感を減らしやすくなります。
読み間違いが多いと、保護者の方はどうしても直す場所に目が向きます。
しかし、音読が苦手な子にとっては、「どこを間違えたか」だけが残ると、次の音読がさらに重くなってしまいます。
読み終わったあとには、「今日は最初の一文が読めたね」「昨日より声が出ていたね」「途中で止まっても戻れたね」と、読めた行動を言葉にして伝えます。
間違いを直す場合も、一度にすべてを直す必要はありません。今日は一つだけ一緒に見る、次の日にまた試すという形にすると、音読が失敗の時間になりにくくなります。
家庭で工夫しても、音読への強い抵抗感や読み飛ばしが続く場合は、学校や放課後等デイサービスに相談することも考えたいところです。
音読の困りごとは、国語だけでなく、算数の文章題、社会や理科の教科書、テストの問題文にも影響することがあります。
放課後等デイサービスでは、宿題を終わらせることだけを目的にせず、その子がどのような環境なら読みやすいか、どのくらいの量なら取り組めるか、どの声かけで気持ちが保ちやすいかを見ながら支援していきます。
小学生の音読宿題では、音読カードに保護者がサインをすることがあります。毎日続く取り組みだからこそ、音読が苦手な子にとっては大きな負担になることがあります。
読めない日が続く、音読のたびに親子で言い合いになる、寝る前まで音読が終わらない、音読カードを見るだけで泣いてしまうといった場合は、家庭だけで抱え込まないことが大切です。
学校へは、どのくらいの時間がかかっているか、どんなところで止まりやすいか、家庭でどのような様子になるかを伝えると、宿題量や取り組み方を相談しやすくなります。
音読の苦手さは、国語の宿題だけに出るとは限りません。算数の文章題が読めない、理科や社会の教科書を読むだけで疲れる、テストの問題文を読み切れないなど、ほかの教科にも影響することがあります。
このような場合、本人は内容を理解する力があっても、文字を読む段階で力を使い果たしている可能性があります。読む負担を減らすことで、本来持っている考える力や答える力が出やすくなる子もいます。
文部科学省では、発達障害等により紙の教科書を読むことが困難な児童生徒に向けて、音声教材の提供も案内されています。家庭での音読だけでなく、学校での学び方も含めて相談していくことが大切です。
音読は苦手でも、話を聞くとよく理解できる子がいます。保護者の方が読んで聞かせると内容を覚えているのに、自分で読むと途端に分からなくなるという場合、読む力と聞いて理解する力に差があるのかもしれません。
この差がある子に対して、「読めないから分かっていない」と判断してしまうと、その子の本来の理解力が見えにくくなります。聞いて分かる力、話して伝える力、絵や図で捉える力など、読み以外の得意な方法も一緒に見ていく必要があります。
放課後等デイサービスでの学習支援については、放課後等デイサービスの学習支援は学力だけじゃない|姿勢・集中・段取りの支援でも紹介しています。
音読のつまずきが、姿勢や集中、宿題の進め方にもつながっている場合は、学習全体の支え方を見直すきっかけになります。
発達障害・学習障害が気になる小学生の音読で、読み飛ばしやつまずきが多いとき、その姿だけを見て「努力不足」「集中していない」と考えてしまうと、必要な支えが見えにくくなります。
音読には、文字を見る、行を追う、音に変える、声に出す、内容を理解するという複数の力が関わっています。どこにつまずきがあるのかによって、家庭で合う関わり方も変わります。
家庭では、読む行を隠す、一文ずつ区切る、保護者と交代で読む、読めた部分を言葉にするなど、音読への負担を減らしながら取り組むことが大切です。うまく読めない日があっても、読み方を変えることで参加しやすくなる子はいます。
ゆめラボでは、放課後等デイサービスとして、小学生のお子さまの学習面や生活面の困りごとに寄り添いながら、一人ひとりに合った関わり方を考えていきます。音読宿題が親子の負担になっている、読み飛ばしや行の見失いが多い、学習障害やSLDかもしれないと感じている場合もご相談ください。
学校の宿題や家庭での様子を伺いながら、お子さまが学びに向かいやすくなる関わり方を、ご家庭と一緒に見つけていきます。
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