「同じ年ごろの子は話しているのに、うちの子はまだことばが少ない」「名前を呼んでも振り向かないことがある」「話しかけても反応が薄く、何を考えているのかつかみにくい」。そんな姿が続くと、保護者の方の中に「もしかしてASDなのかな」という不安が浮かぶことがあります。
ただ、ことばが出ない、ことばが少ないという様子だけで、すぐにASDと決めることはできません。幼児期は発達の幅が大きく、性格、環境、緊張、聞こえ方、感覚の受け取り方、経験の積み重ねなど、さまざまな要素がことばの出方に関わります。
一方で、ことばの数だけでなく、呼びかけへの反応、目線、指さし、身ぶり、まねっこ、好きな遊びを人と共有しようとする様子などを見ることで、お子さんがどのように人と関わろうとしているのかが見えやすくなります。
このページでは、0歳・1歳の初期サインではなく、2歳以降から園生活が始まる時期の幼児に見られやすい「ことばが出ない」「呼びかけへの反応が少ない」「やりとりが続きにくい」といったサインを中心にお伝えします。広島市南区・宇品エリアで、お子さんのことばやASDの可能性について相談先を探している方に向けて、児童発達支援事業所ゆめラボ宇品教室の視点からお話しします。
ゆめラボ宇品教室|基本情報
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幼児期にことばが出ないとき、保護者の方は「発語の数」に目が向きやすくなります。もちろん、単語が増えているか、二語文につながっているか、会話らしいやりとりが出ているかは大切な手がかりです。
しかし、ASDの可能性を考えるときは、ことばの数だけを見るよりも、人への反応、伝えようとする方法、やりとりの続き方を見ていくことが大切です。ことばがまだ少なくても、目線や身ぶりで気持ちを伝えようとしている子もいます。反対に、単語は出ていても、相手との会話につながりにくい子もいます。
「話すかどうか」だけでなく、「人と関わる場面でどのような反応があるか」を見ることで、お子さんがつまずきやすい場面が見えやすくなります。
名前を呼んでも振り向きにくい、何度か声をかけないと気づかない、すぐ近くで話しているのに反応が薄い。こうした姿が続くと、保護者の方は「聞こえていないのかな」「わざと無視しているのかな」と感じることがあります。
ASDの特性があるお子さんの中には、声そのものが聞こえていても、呼ばれている意味に気づきにくかったり、今している遊びから注意を切り替えにくかったりすることがあります。特に、好きなおもちゃ、動画、車、電車、数字、文字などに集中しているときは、周囲の声が入りにくくなることもあります。
このような場合、大切なのは「どうして返事をしないの」と責めることではありません。お子さんがどの場面で反応しやすく、どの場面で反応しにくいのかを見ることです。近くで短く呼ぶと気づくのか、肩の近くで手を見せると振り向くのか、好きな遊びを使うと反応が返ってくるのかを見ると、関わり方の手がかりになります。
ことばがまだ少ない時期でも、多くの子どもは目線や指さし、身ぶりを使って気持ちを伝えようとします。ほしいものを指さす、大人の顔を見る、うなずく、首を振る、手を伸ばす、見てほしいものを持ってくる。こうした動きは、ことばの前に育つコミュニケーションの大切なサインです。
ASDの特性があるお子さんは、目を合わせることが少なかったり、指さしで伝える場面が少なかったりすることがあります。ほしいものがあるときに、大人の手を引いて連れていくけれど、顔を見ないまま伝えることもあります。
この姿は、気持ちがないという意味ではありません。むしろ、お子さんなりに「これがほしい」「ここに来てほしい」と伝えようとしている場合があります。ただ、目線や身ぶりを使って相手と気持ちを共有する方法が、まだ身についていないことがあります。
「電車の名前はたくさん言える」「好きなアニメのセリフは言える」「同じ言葉をくり返すことはある」。その一方で、「お名前は?」「何をしたい?」と聞くと答えにくい、会話が一往復で止まってしまうという姿が見られることがあります。
この場合、ことばがまったくないわけではありません。記憶している言葉や、好きな場面で出やすい言葉はあるものの、相手の質問に合わせて言葉を選ぶことが難しい状態かもしれません。
ASDのお子さんは、好きなものに関する知識やフレーズをよく覚えていることがあります。ただ、その言葉を相手との会話の中で使うには、相手の表情を見る、質問の意味を受け取る、自分の答えを選ぶ、声に出すといういくつものステップが必要です。ことばが出ているかだけでなく、そのことばが人とのやりとりにつながっているかも見ていきたい点です。
ことばの発達を見るとき、「いくつ言葉が出ているか」「何歳までにどれくらい話すか」という目安は気になりやすいものです。ただ、ASDのコミュニケーションを考えるときには、ことばの量だけでは見えない部分があります。
理解していることと、声に出して返すことは同じではありません。聞こえていることと、相手に反応することも同じではありません。知っている言葉があっても、会話の中で使うには別の難しさが出ることがあります。
お子さんの姿を見るときは、「できない」と決める前に、何が負担になっているのかを分けて見ることが大切です。
「靴を持ってきて」と言うと動けるのに、「何がほしい?」と聞くと答えられない。絵カードや写真を見せると選べるのに、ことばだけで聞くと反応が止まってしまう。こうした姿は、理解がないというより、答え方が難しい状態かもしれません。
ASDのお子さんの中には、聞いた内容を頭の中で受け止めてから、ことばとして返すまでに時間がかかる子がいます。質問を受けた瞬間に、何を聞かれているのか、どの言葉で返せばよいのか、相手が何を求めているのかを同時に考える必要があり、そこで止まってしまうことがあります。
このようなときに大人が質問を重ねると、お子さんはさらに答えにくくなります。少し待つ、選べる形にする、実物や写真を見せるなど、答えやすい形に変えることで反応が返ってくることがあります。
園や外出先では反応が少ないのに、家では好きなことをよく話す。静かな場所ではこちらを見るのに、人が多い場所ではまったく反応しない。こうした違いがある場合、周りの刺激の多さが関係していることがあります。
ASDのお子さんは、音、光、人の動き、におい、服の感触などを強く受け取ることがあります。保育園や幼稚園、商業施設、病院の待合室などでは、たくさんの刺激が一度に入り、声をかけられても反応する余裕がなくなることがあります。
大人から見ると「話を聞いていない」ように見えても、実際には周囲の刺激を受け止めるだけで精一杯になっている場合があります。どの場所で反応が弱くなるのか、どんな音や人の動きがあると落ち着きにくいのかを見ることで、お子さんに合う環境が見えやすくなります。
ことばが少ないお子さんを見ていると、「話す気がないのかな」「人に興味がないのかな」と感じてしまうことがあります。しかし、実際には伝えたい気持ちはあるのに、その出し方が見つかっていないことがあります。
たとえば、ほしいものをじっと見る、泣く、手を引く、同じ場所に立つ、好きなものを持って近づくなど、ことば以外の形で何かを伝えようとしている場合があります。そのサインを大人が受け止め、「これがほしかったんだね」「こっちに来てほしかったんだね」と言葉を添えることで、お子さんは「伝えたら分かってもらえた」という経験を積みやすくなります。
ことばを増やす前に、まずは伝えたい気持ちが相手に届く経験を増やすことが大切です。その経験が、後の発語や会話の土台になります。
ことばが出る前には、人と気持ちを合わせる経験があります。大人の表情を見る、声の調子に気づく、好きなものを見せる、ほしいものを伝える、同じ遊びを一緒に楽しむ。こうしたやりとりが増えることで、ことばが人に向かって出やすくなります。
家庭で確認したいのは、できるかできないかを判定することではありません。お子さんがどんな場面で人に気づきやすいのか、どんな方法なら気持ちが伝わりやすいのかを見ることです。
指差しや視線、まねっこなどの背景を深く知りたい場合は、発達障害の子どもの共同注意を育てる療育遊びも参考になります。
お子さんが大人の表情や声にどのように反応しているかは、コミュニケーションを見るうえで大切な手がかりです。名前を呼ばれたとき、ほめられたとき、止まってほしいと声をかけたとき、楽しい声を出したときに、顔を向ける、表情が変わる、動きが止まるなどの反応があるかを見てみます。
反応が少ない場合でも、まったく気づいていないとは限りません。少し離れた声には反応しにくいけれど、近くで短く声をかけると気づく子もいます。真正面から話されると目をそらすけれど、横並びで話すと落ち着いて聞ける子もいます。
声の大きさ、距離、話しかけるタイミング、周りの音の少なさなどを変えると、お子さんに届きやすい関わりが見えてくることがあります。
ことばが出ない時期でも、子どもはさまざまな方法で気持ちを伝えようとします。手を伸ばす、棚の前に立つ、大人の手を引く、物を渡す、泣く、じっと見るなど、その子なりの伝え方があります。
ASDの特性があるお子さんは、相手の顔を見ながら伝えることが少ない場合があります。大人の手を引いて目的の場所へ向かう、ほしいものを見つめるだけで待っている、うまく伝わらないと急に泣くという姿が見られることもあります。
そのようなときは、「ちゃんと言って」と求めるよりも、今出ているサインを受け止めることが先になります。「開けて、だね」「ジュースがほしいんだね」と短く言葉を添えることで、気持ちとことばがつながりやすくなります。
ASDのお子さんは、好きな遊びに深く集中することがあります。車を並べる、タイヤを回す、同じ絵本を何度も見る、数字や文字を見続けるなど、興味の向き方に特徴が出ることもあります。
このときに見たいのは、その遊びをやめさせることではありません。好きな遊びの中に、大人が少し関われる余地があるかどうかです。大人が同じ車をそっと隣に置いたときに見るか、同じ音をまねしたときに笑うか、少し順番を変えたときに反応するかなどを見ていきます。
好きな遊びは、人とのやりとりを作る入口になります。お子さんが夢中になっている世界を大人が受け止めることで、目線、表情、声、身ぶりが返ってくるきっかけになることがあります。
ことばが出ないお子さんに関わるとき、大人はつい「言ってごらん」「これは何?」「もう一回言って」と声をかけたくなります。もちろん、ことばを促す関わりが役立つ場面もあります。
ただ、ASDの特性があるお子さんの場合、質問が続くことで緊張が強くなったり、答え方が分からず黙ってしまったりすることがあります。家庭では、ことばを引き出そうとする前に、伝えやすい場面を作ることが大切です。
家庭での関わり方をさらに知りたい場合は、自閉症の子のコミュニケーションを伸ばすには?家庭でできる療育と関わり方もあわせてご覧ください。
ことばが少ないお子さんにとって、「言わないと分かってもらえない」状況が続くと、伝えること自体が負担になることがあります。特に、何度も言い直しを求められたり、答えられない質問が続いたりすると、声を出すことへの不安が強くなる場合があります。
まず大切にしたいのは、「自分の出したサインが相手に届いた」という経験です。手を伸ばした、見つめた、近づいた、物を渡した、声を出した。その小さな反応に大人が気づき、「これだね」「開けてほしいんだね」「もう一回したいんだね」と返すことで、お子さんは伝えることへの安心感を持ちやすくなります。
ことばを正しく言わせるよりも、伝わった実感を増やすことが、結果として発語への意欲につながることがあります。
ことばだけで聞かれると答えにくいお子さんでも、目で見える手がかりがあると反応しやすくなることがあります。飲み物を選ぶときに実物を見せる、遊びを選ぶときに写真を見せる、「こっち」「おしまい」「もう一回」などを身ぶりで添えると、伝えるための負担が下がります。
ASDのお子さんは、耳から入ることばだけでは流れをつかみにくい場合があります。写真や選択肢があることで、何を聞かれているのか、何を選べばよいのかが見えやすくなります。
このときも、たくさんの選択肢を一度に出す必要はありません。最初は二つの中から選ぶだけでも十分です。お子さんが指さす、見る、手を伸ばすなどの方法で選べたら、その反応に言葉を添えていきます。
ことばが出にくいお子さんにとって、興味のない課題でやりとりを増やすのは難しいことがあります。反対に、好きな遊びの中では、声が出たり、表情が変わったり、大人の動きを見る場面が生まれやすくなります。
車が好きなら、車を走らせながら「出発」「止まったね」と短く言葉を添える。絵本が好きなら、ページをめくる前に少し待ち、お子さんの目線や手の動きを見てから「次、見る?」と返す。くすぐり遊びが好きなら、始める前に間を作り、笑顔や声が出たタイミングで再開する。
大人が会話を作ろうと急ぎすぎると、お子さんの反応を待てなくなることがあります。お子さんの反応が出やすい遊びの中で、短いやりとりを重ねていくことで、「人に伝えると楽しい」という感覚が育ちやすくなります。
ことばが出ない、呼びかけへの反応が少ない、目が合いにくい、会話のやりとりが続きにくい。こうした姿が続くと、保護者の方だけで抱えるには不安が大きくなることがあります。
広島市南区・宇品エリアで相談先を考えるとき、医療機関、自治体の窓口、園、児童発達支援事業所など、複数の入口があります。児童発達支援事業所では、診断名をつける場所ではありませんが、日々の様子を伺いながら、どのような関わり方が合いやすいかを一緒に考えることができます。
「ことばの遅れを様子見してよいか」で迷っている方は、ことばが遅いのは様子見でいい?広島市南区で児童発達支援事業所を探す方へも参考になります。
「ASDと診断されていないと相談できないのでは」と思われる方もいますが、診断前の段階でも、発達の気がかりについて相談できます。実際には、「ことばが少ない」「園で集団の声かけに気づきにくい」「こだわりが強く切り替えが難しい」など、日常の困りごとから相談につながることがあります。
大切なのは、診断名を急いで決めることではありません。どんな場面で困りやすいのか、家庭と園で様子に違いがあるのか、どの関わりで反応が返りやすいのかまで見ることです。
相談の場では、「何歳までに何語話すべきか」だけではなく、生活の中でどのように伝えようとしているか、周囲との関わりでどこにつまずきやすいかを見ることが大切です。
児童発達支援では、ことばだけを切り離して見るのではなく、感覚、姿勢、遊び、認知、生活動作、人との関わりなども含めてお子さんの状態を見ていきます。ことばが出にくい背景には、落ち着いて座ることの難しさ、音への敏感さ、見通しの持ちにくさ、手先の使い方、まねっこの苦手さなどが関係していることもあります。
ゆめラボ宇品教室でも、1回60分の個別療育の中で、お子さんの興味や反応を見ながら、ことばの前にある土台に働きかけていきます。
必要に応じて、視覚的な手がかりを使ったり、遊びの流れを見えやすくしたり、成功しやすい場面を作ったりしながら、「伝わる」「分かってもらえる」経験につなげていきます。
宇品教室の支援全体については、広島市南区の児童発達支援事業所|ゆめラボ宇品教室の5領域支援プログラムでも紹介しています。
ゆめラボ宇品教室では、ことばが出ないお子さんに対して、最初から発語だけを目標にするのではなく、その子が伝えやすい方法を見つけることから始めます。声、目線、身ぶり、指さし、写真、実物、表情など、使える手段は一人ひとり異なります。
初めての場所や人に緊張しやすいお子さんには、安心して遊べる関係づくりから始めます。好きな遊びを一緒に楽しむ中で、職員が反応を受け止め、短い言葉を添えながら、少しずつ人とのやりとりにつなげていきます。
また、教室で見られた反応は、ご家庭にも共有します。「今日は写真を見せると選べました」「待つ時間を短くすると声が出やすかったです」「好きな遊びの前に目線が合う場面がありました」といった具体的な様子をお伝えすることで、家庭でも同じような関わりを試しやすくなります。
ことばが出ない、名前を呼んでも振り向きにくい、目が合いにくい、指さしや身ぶりが少ない、同じフレーズは出るのに会話につながりにくい。こうした姿が続くと、保護者の方がASDの可能性を考えて不安になるのは自然なことです。
ただ、ひとつのサインだけでASDと判断する必要はありません。大切なのは、ことばの数だけでなく、お子さんがどのように人に気づき、何を使って気持ちを伝えようとしているのかを見ることです。家庭や園での様子を見ていくことで、お子さんに合った関わり方を考えやすくなります。
広島市南区・宇品エリアで、幼児のことばの少なさやASDのコミュニケーション特性について相談したい方は、ゆめラボ宇品教室にご相談ください。「まだ診断があるわけではない」「受給者証のことも分からない」「園での様子が気になっている」という段階でも、お話を伺うことができます。
見学や個別のご相談は、お電話やお問い合わせフォーム、LINEやInstagramから受け付けています。保護者の方と一緒に、お子さんの「伝わった」「分かってもらえた」という経験を増やしていけるように関わっていきます。
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