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療育コラム

2026.08.07

爪を噛む・指しゃぶりがやめられないのはなぜ?発達が気になる子の原因と改善方法

 

テレビを見ているときに爪を噛んでいる。寝る前になると必ず指しゃぶりをする。注意して一度はやめても、気づくとまた指が口に入っている。

 

こうした様子が続くと、「どうしてやめられないの?」「ストレスがあるのかな」「発達障害と関係しているのでは」と心配になる保護者の方もいるのではないでしょうか。

 

爪噛みや指しゃぶりは、発達障害のある子どもだけに見られる行動ではありません。指しゃぶりは乳幼児期から見られる行動で、爪噛みも子どもに見られる習慣の一つです。

 

一方で、不安や緊張、ストレスが高まったとき、手持ち無沙汰なとき、眠くなったとき、口や指への刺激を求めているときなど、特定の場面で繰り返しやすくなることがあります。発達特性のある子の中には、感覚の特徴などが行動の続きやすさに関係している場合もあります。

 

大切なのは、爪噛みや指しゃぶりだけを見て無理に止めるのではなく、「いつ増えるのか」「何をしているときに出るのか」「本人は困っているのか」を確認することです。

 

このページでは、子どもが爪を噛む・指しゃぶりを続ける原因、発達障害やASD・ADHDとの関係、年齢による見守り方、身体への影響、家庭で少しずつ減らすための改善方法について、児童発達支援事業所ゆめラボが解説します。

INDEX

子どもが爪を噛む・指しゃぶりを続ける主な原因

 

爪噛みや指しゃぶりの原因は一つではありません。

 

同じ子でも、時間帯や状況によって出方が変わります。テレビを見ているとき、寝る前、待ち時間、不安な場面など、特定の状況で増えることがあります。

 

まずは「やめられない癖」とだけ考えず、その行動が出る前後の様子を確認します。

眠気や退屈によって無意識に繰り返している

爪噛みは、本人が「今から爪を噛もう」と考えて始めているとは限りません。

 

テレビを見ているとき、車で移動しているとき、誰かを待っているときなど、手を使わずに過ごす時間に無意識に爪を噛んでいることがあります。

 

指しゃぶりも、眠くなったときや寝る前など、決まった時間帯に見られることがあります。特に乳幼児期の指しゃぶりは、落ち着いて眠りに入るための習慣になっていることがあります。

 

こうした場合は、「なぜ今やったの?」と本人に聞いても、理由を答えられないことがあります。まずは、どの時間帯や場面で増えているのかを確認します。

不安や緊張、ストレスがある場面で行動が増えることがある

爪噛みや指しゃぶりは、不安や緊張、ストレスがかかったときに増えることがあります。

 

初めて行く場所、園の行事の前、知らない人が多い場所、保護者と離れる前など、本人にとって負担の大きい場面で爪を噛む回数が増える子もいます。

 

反対に、保育園や幼稚園ではほとんど見られず、家に帰ってから指しゃぶりが増えることもあります。

 

ストレスがきっかけになることはありますが、爪噛みや指しゃぶりの原因をストレスだけに決めつけることはできません。疲れや予定変更など、行動が増える前後の状況も確認します。

口や指への刺激を求めている

子どもの中には、触る、押す、噛むなど、自分にとって心地よい感覚を繰り返し求める子がいます。

 

爪を噛むと、口の中や歯、指先へ一定の刺激が入ります。指しゃぶりでも、口の周りや指への刺激が続きます。その刺激によって落ち着きやすくなる子もいます。

 

発達特性のある子の中には、刺激を強く感じる感覚過敏だけでなく、特定の感覚を繰り返し求める感覚探求が見られることがあります。

 

ただし、爪噛みや指しゃぶりをしているから感覚の問題があると決めることはできません。遊んでいるとき、ぼんやりしているとき、不安なときなど、どんな場面で増えるのかも確認します。

 

物を噛むなど感覚刺激を求める行動については、子どもがくるくる回るのはなぜ?発達障害との関係と家庭での対処法でも紹介しています。

繰り返すうちに習慣として定着している

最初は眠気や不安をきっかけに始まった行動でも、何度も繰り返すうちに、きっかけを意識せず繰り返す習慣になることがあります。

 

たとえば、「テレビを見ると爪を噛む」「布団へ入ると指しゃぶりをする」というように、特定の行動と爪噛み・指しゃぶりがセットになっている場合です。

 

習慣になっていると、本人も噛んでいることや指を口に入れていることに気づいていないことがあります。

 

そのため、何度注意しても繰り返すからといって、「言うことを聞かない」「やめる気がない」と考える必要はありません。

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爪噛み・指しゃぶりと発達障害や発達特性の関係

 

爪噛みや指しゃぶりについて調べると、「ASD」「ADHD」「発達障害」といった言葉が出てくることがあります。

 

発達特性のある子で爪噛みや指しゃぶりが見られることはありますが、これらの行動そのものは発達障害に特有の症状ではありません。

爪噛みや指しゃぶりだけで発達障害とは判断できない

爪を噛む、指しゃぶりをするという一つの行動だけで、発達障害かどうかを判断することはできません。

 

爪噛みや指しゃぶりは、発達障害の有無にかかわらず子どもに見られることがあります。乳幼児期の指しゃぶりは珍しいものではなく、爪噛みも子どもに見られる習慣です。

 

発達について考える場合は、爪噛みや指しゃぶりだけでなく、ことば、人とのやり取り、遊び方、落ち着きにくさ、切り替え、感覚の受け取り方、園生活での困りごとなどもあわせて確認します。

ASDのある子では感覚の特徴が関係する場合がある

ASD(自閉スペクトラム症)のある子どもでは、音、光、触覚など、感覚の受け取り方に特徴が見られることがあります。

 

刺激に敏感な子がいる一方で、特定の刺激を繰り返し求める子もいます。どの感覚を求めるかには個人差があります。

 

爪噛みや指しゃぶりが口や指への刺激を得る行動になっている場合はありますが、「ASDだから爪を噛む」「指しゃぶりをする子はASD」という意味ではありません。

 

爪噛みだけを見るのではなく、ほかにも特定の感触を強く求める、物を口へ入れることが多い、同じ刺激を繰り返し好むといった様子があるかを確認します。

ADHDのある子でも爪噛みが見られるが診断のサインではない

ADHD(注意欠如・多動症)は、不注意、多動性、衝動性などを中心とする発達障害です。爪噛みや指しゃぶりはADHDの診断基準には含まれません。

 

ADHDのある子どもで爪噛みが多く見られたという報告はありますが、爪噛みの原因がADHDだと一律に説明できるわけではありません。

 

ことばが増えにくい、集団の中で指示を聞いて動くことが難しい、予定変更で大きく崩れる、落ち着いて座ることが難しい、特定の感覚を強く嫌がるといった困りごとが続いている場合は、発達相談を利用できます。
 
特に遊びや活動を終えることが難しい場合は、児童発達支援で切り替えが苦手なお子さまをサポート!家庭でできる療育アプローチでも、家庭でできる対応をご紹介しています。

ほかの発達や生活上の困りごともあわせて確認する

発達について相談するか迷ったときは、爪噛みや指しゃぶりだけでなく、生活全体の困りごとを確認します。

 

ことばが増えにくい、集団の中で指示を聞いて動くことが難しい、予定変更で大きく崩れる、落ち着いて座ることが難しい、特定の感覚を強く嫌がるといった困りごとが続いている場合は、発達相談を利用できます。

 

爪噛みや指しゃぶりを発達障害の有無を判断する材料にするのではなく、本人が毎日の生活で何に困っているのかを確認します。

 

爪噛みや指しゃぶり以外にも気になる様子がある場合は、子どもの発達が気になるときのサイン一覧|家庭や園で見られる行動をチェックも参考にしてください。

爪噛み・指しゃぶりが続くときに確認したい年齢と身体への影響

 

爪噛みと指しゃぶりでは、年齢による対応や身体への影響が異なります。

 

特に指しゃぶりは、小さいうちから一律に禁止するものではありません。一方、年齢が上がっても頻繁に続く場合は、歯並びやかみ合わせへの影響も確認する必要があります。

指しゃぶりは年齢によって見守り方が異なる

指しゃぶりは、乳幼児期によく見られる行動です。

 

日本小児歯科学会では、3歳頃までは指しゃぶりを特に禁止する必要はないとしています。3歳頃までの指しゃぶりを強く叱って止めさせる必要はありません。

 

一方で、4歳以降も頻繁な指しゃぶりが続く場合は、小児科や小児歯科などへの相談が勧められています。

 

年齢だけで判断するのではなく、日中も長時間続いているのか、寝る前だけなのか、歯並びやかみ合わせに変化がないかなどを確認します。

長く続く指しゃぶりは歯並びやかみ合わせに影響することがある

指しゃぶりが長期間続くと、前歯の位置やかみ合わせに影響することがあります。

 

指を吸う力が繰り返しかかることで、前歯が前へ出たり、上下の前歯がかみ合いにくくなったりする場合があります。

 

家庭で期限だけを決めて無理にやめさせるのではなく、頻度が高い、歯並びが気になる、口が閉じにくいなどの様子があれば、小児歯科へ相談します。

爪噛みが強いと爪や指先を傷つけることがある

爪噛みが続くと、爪が極端に短くなったり、爪の周りの皮膚まで噛んだりすることがあります。

 

噛む力が強い場合には、出血する、皮膚が赤くなる、痛みが出るなど、指先を傷つけることもあります。

 

本人が痛がっていても噛み続ける場合は、単なる見た目の問題として考えず、傷の状態を確認します。

 

爪や皮膚に傷があるときは清潔に保ち、赤みや腫れ、痛みなどが続く場合は医療機関へ相談します。

生活への影響や傷がある場合は医療機関への相談を検討する

爪噛みや指しゃぶりがあるからといって、すぐに医療機関を受診しなければならないわけではありません。

 

一方で、爪や指先から何度も出血する、皮膚の傷が治らない、本人が痛みを訴えている、指しゃぶりによる歯並びやかみ合わせが気になるといった場合は、受診を検討します。

 

爪や皮膚の傷については小児科や皮膚科、指しゃぶりによる歯並びや口の状態については小児歯科が相談先になります。

 

また、爪噛みや指しゃぶりだけでなく、不安が強く生活に影響している、ほかの発達面でも困りごとが続いている場合は、かかりつけ医や地域の発達相談窓口へ相談できます。

子どもの爪噛み・指しゃぶりを減らすための改善方法

 

爪噛みや指しゃぶりを減らしたいときは、行動を見つけるたびに止めるより、どのような場面で繰り返しているかを確認するところから始めます。

 

不安、退屈、眠気、感覚刺激など、背景に合わせて対応を変えます。

どの場面で爪噛みや指しゃぶりが増えるかを確認する

まず、爪噛みや指しゃぶりが出やすい場面を確認します。

 

テレビを見ているとき、車に乗っているとき、園へ行く前、寝る前など、繰り返し起きている場面が分かると、先回りして別の行動を用意しやすくなります。

 

細かな回数を数える必要はありません。「待っているときに多い」「眠くなると増える」「初めての場所で増える」といった傾向が分かれば十分です。

 

本人に「どうして噛むの?」と何度も聞くより、大人が前後の様子を確認する方が、行動のきっかけを捉えやすい場合があります。

手や口を使える別の活動へ置き換える

爪噛みをしている時間に手が空いている場合は、手を使う別の活動を取り入れます。

 

お絵かき、シール貼り、指遊び、タオルや柔らかいボールを握るなど、その子が続けやすい活動を選びます。

 

大切なのは、「噛んではだめ」と禁止するだけではなく、爪を噛んでいた手を別のことに使えるようにすることです。

 

口への刺激を強く求める様子が続く場合は、年齢や口の発達に合った安全な方法について、児童発達支援事業所や医療職へ相談します。誤飲や窒息につながる物を代わりに噛ませることは避けます。

退屈や待ち時間が長い場面では手を使う遊びを取り入れる

病院の待ち時間や移動中など、何もせず待つ時間に爪噛みが増える子もいます。

 

そのような場合は、爪を噛み始めてから注意するのではなく、待ち時間にできる活動を最初から用意します。

 

お絵かき、シール、絵本、指遊びなど、座ったままで手を使える活動が向いています。

 

爪を噛んでいない時間を無理に意識させるより、自然に別のことへ手が向く状況を作ります。

就寝前の指しゃぶりは寝るまでの行動を少しずつ変える

寝るときだけ指しゃぶりをしている場合は、指しゃぶりが入眠までの習慣になっていることがあります。

 

急に「今日から禁止」とするのではなく、寝る前の過ごし方を少しずつ変えます。

 

絵本を読む、保護者が手を握る、背中をさするなど、指しゃぶり以外の入眠習慣を増やします。

 

毎晩同じ流れで過ごすと、指しゃぶり以外の方法でも眠りに入りやすくなります。

一度に完全にやめさせず、できた時間を少しずつ増やす

長く続いている習慣を、一日ですべてなくそうとすると、子どもにも保護者にも負担が大きくなります。

 

「食事中は指を口に入れずに過ごせた」「絵本を読んでいる間は爪を噛まなかった」というように、できた場面を少しずつ増やします。

 

できなかったことを注意するより、「今日は手を使って遊べたね」「寝るまで手を握っていられたね」と、代わりにできた行動へ目を向けます。

 

本人自身に「やめたい」という気持ちがある場合は、どの場面から減らすかを一緒に決める方法もあります。

子どもの爪噛み・指しゃぶりで保護者がしてはいけないこと

 

爪噛みや指しゃぶりが続くと、保護者も「何度言えば分かるの」と感じることがあります。

 

しかし、無意識に繰り返している習慣や、気持ちを落ち着けるための行動は、叱るだけでは変わりにくいものです。

見つけるたびに叱って無理にやめさせる

爪を噛むたびに「また噛んでる!」「やめなさい」と強く注意すると、かえって爪噛みが増えることがあります。

 

特に不安や緊張が強いときに行動が増えている子では、叱られることが新たな緊張になることもあります。

 

出血や強い痛みがない場面では毎回大きく反応せず、別の活動へ自然に誘います。

指を口から出して行動だけを止めようとする

指しゃぶりを見るたびに、大人が手をつかんで口から出すだけでは、指しゃぶりにつながっている眠気や不安などの背景は変わりません。

 

眠い、不安、退屈などの理由が残っていれば、しばらくすると再び指が口へ戻ることがあります。

 

普段の指しゃぶりでは、手をつかんで止めるだけでなく、眠気や不安など行動が増えるきっかけを確認します。

「もう大きいから」と年齢を理由に責める

「赤ちゃんじゃないんだから」「もうお兄ちゃんでしょ」と言われても、習慣そのものをすぐに変えられるとは限りません。

 

本人もやめたいと思っているのに続いている場合、年齢を理由に責められることで恥ずかしさが強くなることがあります。

 

指しゃぶりは年齢によって対応が異なります。3歳頃までは一律に禁止せず、4歳以降も頻繁に続く場合は、叱ってやめさせるのではなく小児科や小児歯科などへ相談します。

行動が増える背景を確認せず「やめること」だけを目標にする

爪噛みや指しゃぶりをゼロにすることだけを目標にすると、背景にある困りごとを見落とすことがあります。

 

たとえば、不安が強くなると爪を噛む子の場合、爪噛みだけを止めても不安そのものは残っています。

 

感覚刺激を求めている背景がある場合は、爪噛みを止めるだけでなく、その子の感覚の特徴に合った別の対応も必要です。

 

「やめたかどうか」だけを見るのではなく、どんな場面で増えているのか、何があると落ち着いて過ごせるのかを確認しながら対応します。

まとめ|爪噛み・指しゃぶりと子どもの発達が気になったらゆめラボへご相談ください

 

子どもの爪噛みや指しゃぶりは、眠気や退屈、不安や緊張、ストレス、長く続いた習慣など、さまざまな背景で繰り返されます。爪噛みや指しゃぶりがあるという一つの様子だけで、ASDやADHDなどの発達障害と判断することはできません。

 

指しゃぶりは年齢によって対応が異なります。3歳頃までは一律に禁止する必要はありませんが、4歳以降も頻繁に続く場合や、歯並びやかみ合わせが気になる場合は小児科や小児歯科へ相談します。爪噛みで出血や腫れ、痛みが続く場合も医療機関への相談が必要です。

 

家庭で減らしたいときは、見つけるたびに叱るのではなく、どの場面で増えるのかを確認します。待ち時間には手を使う活動を用意する、就寝前には指しゃぶり以外の入眠習慣をつくるなど、行動の背景に合わせて方法を変えることが重要です。

 

児童発達支援事業所ゆめラボでは、爪噛みや指しゃぶりだけを止めることを目的にするのではなく、感覚の特徴、気持ちの切り替え、ことばやコミュニケーション、園生活など、お子さまが日常生活で困っていることを確認しながら個別療育を行っています。

 

爪噛みや指しゃぶりに加えて発達面でも気になる様子がある場合は、ゆめラボへご相談ください。

 

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