子どもが何もない場所でつまずく、走るとすぐ転ぶ、椅子に座っていると体が横に倒れる、食事中や机上活動の途中で姿勢が崩れる。このような姿が続くと、「運動が苦手なのかな」「体幹が弱いのかな」「家庭で何かできることはあるのかな」と気になる保護者さまも多いのではないでしょうか。
広島県安芸郡府中町の児童発達支援事業所、ゆめラボ府中教室では、お子さま一人ひとりの発達段階や体の使い方を確認しながら、遊びの中で運動面の土台を育てる支援を行っています。
転びやすさや姿勢の崩れは、単に「運動が苦手」という一言では説明できません。体幹、バランス感覚、足裏の感覚、力加減、目と体の連携、体の位置を感じ取る力など、いくつもの力が重なって体の動かし方を支えています。
このページでは、ゆめラボ府中教室が家庭でも取り入れやすい運動療育の考え方と、親子でできる運動あそびを紹介します。特別な道具をそろえなくても、日々の生活や遊びの中で体の使い方を育てられます。
お子さまの「できた」「もう一回やりたい」という気持ちを大切にしながら、家庭で無理なく取り入れてみてください。
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子どもがよく転ぶ、姿勢が崩れやすいという様子には、体の使い方の未熟さや感覚の受け取り方が関わっています。同じ「転ぶ」という姿でも、足が上がりにくい、バランスを戻しにくい、周りを見ながら動くことが苦手、体に力を入れるタイミングが合いにくいなど、背景はお子さまによって違います。
家庭で運動療育に取り組むときは、できる・できないだけを見るのではなく、どの場面で困っているのかを見ていくことが大切です。走るとき、段差を越えるとき、椅子に座るときなど、日常の中で見られる姿を確認することで、家庭で取り入れやすい遊びも考えやすくなります。
転びやすい子どもは、走る、止まる、曲がる、またぐ、しゃがむ、立ち上がるといった動きの切り替えで体勢を崩しやすい姿が見られます。たとえば、段差を越えるときに足を上げる高さが足りない、曲がるときに体の向きが追いつかない、急に止まると前のめりになるといった姿です。
これは、運動能力だけの問題ではありません。足裏で床を感じる力、体の傾きを戻す力、目で見た情報に合わせて体を動かす力、筋肉や関節で自分の体の位置を感じる力が関わります。
家庭では、まず「どんな場面で転びやすいか」を見てみてください。走っているときだけなのか、階段や段差で多いのか、疲れている夕方に増えるのかによって、必要な関わり方が変わります。
椅子に座っていると背中が丸くなる、机に肘をつく、体が横に倒れる、すぐ床に寝転がる。このような姿勢の崩れには、体をまっすぐ保つ力や、座っている姿勢を続けるための体幹の働きが関わります。
姿勢を保つ力は、机上課題や食事、着替え、園での活動にも関係します。体が安定しにくいと、手元を見る、話を聞く、道具を使うといった活動に入りにくくなるため、「座りなさい」と声をかけ続けるだけでは子どもにとって負担が大きくなります。
体を使った遊びの中で、支える、踏ん張る、戻す、止まるといった経験を積むことで、姿勢を保つ力を育てていきます。家庭でできる運動療育では、こうした動きを遊びの中に入れていくことがポイントです。
運動療育は、特別な訓練だけを指すものではありません。家庭の中でできる片足立ち、線の上を歩く遊び、雑巾がけ、ボール遊び、トンネルくぐりなども、体の使い方を育てる活動です。大切なのは、子どもが楽しみながら体を動かせることです。「上手にやらせる」ことを急ぐと、子どもは失敗を避けようとして体を動かす機会が減ってしまいます。
ゆめラボ府中教室でも、まずはお子さまが始めやすい遊びから入り、できた経験を積み重ねながら、少しずつ動きの幅を広げていきます。家庭でも、短い時間でよいので「今日は少し長く立てた」「昨日よりゆっくり歩けた」といった変化を見つけてあげることが、運動への自信につながります。
家庭で運動療育を取り入れるときは、運動量を増やすだけでは十分ではありません。転びやすさや姿勢の崩れが気になるお子さまには、体を動かすことに不安や苦手意識がある場合もあります。
そのため、いきなり難しい運動に取り組むのではなく、子どもが入りやすい遊びに変え、できる動きから始めることが大切です。家庭で続けるためには、楽しく取り組めること、安全に挑戦できること、成功しやすい段階から始めることを意識します。
体幹やバランス感覚を育てたいと思うと、つい「もっと頑張ろう」「もう一回やってみよう」と練習量を増やしたくなります。しかし、楽しさがない運動は長続きしません。
庭で行う運動療育では、遊びの中に体を使う動きを入れることが大切です。片足立ちなら「何秒できるかな」、平均台ごっこなら「線から落ちずに宝物を取りに行こう」、雑巾がけなら「ゴールまで競争しよう」というように、小さな目的を作ると取り組みやすくなります。
楽しい経験として残ることで、次も自分から体を動かしやすくなります。保護者さまが「練習」ではなく「遊び」として関わることで、お子さまも安心して挑戦しやすくなります。
最初から難しい動きを求めると、子どもは「できない」と感じてやめてしまいます。片足立ちが難しい場合は、壁に手をつく、片手だけつく、1秒だけ足を上げるというように、動きを小さく分けます。
ジャンプが苦手な場合は、まず膝を曲げる、つま先立ちをする、その場で小さく跳ぶという流れで取り組みます。平均台ごっこも、細い線の上を歩く前に、幅の広いテープの上を歩くところから始めると入りやすくなります。
小さなステップで成功を積み重ねると、子どもは「できた」という実感を持ちやすくなります。できる動きが増えてから少しだけ難しくすることで、家庭でも無理なく続けやすくなります。
家庭で運動療育を行うときは、環境を確認してから始めます。床に物が落ちていないか、角のある家具が近くにないか、滑りやすい靴下を履いていないかを見ておきましょう。
ジャンプ遊びやバランスボール遊びでは、必ず大人が近くで見守ります。ソファの上で跳ぶ場合は、背もたれや肘置きにぶつからない範囲で行い、高いところから飛び降りる遊びに変わらないようにします。
運動療育は、子どもが安心して挑戦できることが前提です。怖さが強いと体が固まり、動きにくくなるため、大人がすぐそばにいる安心感を作りながら進めていきます。
バランス感覚と体幹は、転びにくさや姿勢を保つ力につながります。立つ、歩く、走る、止まる、座るといった日常の動きは、体の中心が安定していることで行いやすくなります。
ここでは、家庭でも取り入れやすいバランス感覚と体幹を育てる運動療育を紹介します。
ゆめラボ府中教室の5領域支援の中でも、運動・感覚の領域は日常生活や机上活動の土台として大切にしています。
片足立ちは、バランス感覚と体幹を育てる家庭で取り入れやすい運動です。最初は壁や家具に手を添えて行い、両手で支えるところから始めます。慣れてきたら片手、指先だけ、手を離すという順番で進めます。
はじめから長い時間を目指す必要はありません。1秒でも足を上げて止まれたら、姿勢を保つ経験になります。「右足で3秒」「左足で3秒」というように短い時間から始め、少しずつ秒数を伸ばしていきます。
慣れてきたら、床にクッションを置いて足元を少し不安定にしたり、ぬいぐるみを持ちながら立ったりすると、体の傾きを戻す力も使います。ただし、目を閉じる動きや不安定な場所での片足立ちは難易度が高いため、必ず大人が近くで支えられる状態で行います。
親子で「今日は何秒できたかな」と声をかけると、遊びとして続けやすくなります。
室内でマスキングテープを床に貼るだけで、平均台ごっこができます。線の上をゆっくり歩くことで、足元を見る力、体の向きを調整する力、バランスを保つ力を使います。
最初は幅の広い線や短い距離から始めます。線から落ちないように歩くことが難しい場合は、線をまたいで歩く、線の横を歩く、線の上に足を置くだけでも構いません。
慣れてきたら、前向き歩き、横歩き、後ろ向き歩きと進めます。ぬいぐるみを持って歩く、ゴールにシールを置く、途中で止まってポーズを取るなど、遊び方を変えると飽きにくくなります。
平均台ごっこでは、足元に集中しながら体を動かすため、姿勢を保つ力だけでなく、見て動く力も使います。家庭でも短い時間で始められる運動療育です。
バランスボールは、座るだけでも体幹を使う遊びになります。ボールの上で姿勢を保つためには、体が傾いたときに戻す力が必要です。
最初は大人がボールをしっかり支え、子どもは両足を床につけた状態で座ります。ボールの上で軽く上下に弾む、左右にゆっくり揺れる、手を前に伸ばしてぬいぐるみにタッチするなど、簡単な動きから始めます。
慣れてきたら、ボールの上にうつ伏せになって手を床につく、仰向けでゆっくり揺れるといった遊びもできます。ただし、転倒しやすい遊具でもあるため、必ず大人が横につきます。
ボールの上で立つ、激しく跳ねる、高い位置から飛び降りる遊びにはしません。大人が支えられる範囲で取り入れることで、体幹と姿勢保持につながる感覚を経験できます。
固有覚とは、筋肉や関節から自分の体の位置や力の入り方を感じ取る感覚です。押す、引く、支える、持ち上げる、踏ん張るといった動きの中で使われます。
固有覚が育つと、力加減がしやすくなり、姿勢を保つ力や体の使い方にもつながります。家庭では、掃除や遊びの中で固有覚を使う動きを増やせます。
床にタオルを置き、両手で押しながら進む雑巾がけは、腕、肩、背中、お腹、足を使う全身運動です。体を支えながら前に進むため、体幹を使い、手のひらや腕にも力が入ります。
フローリングの廊下やリビングで行いやすく、雨の日や外遊びが難しい日にも取り入れやすい運動です。最初は短い距離から始め、「向こうの壁まで行こう」「ぬいぐるみを助けに行こう」というように目的を作ると、子どもが始めやすくなります。
タイムを計る場合も、速さだけを競わせるのではなく、「最後まで進めた」「手でしっかり押せた」と動きそのものを見て声をかけます。小学校に入ると掃除の時間で雑巾を使う場面もあるため、雑巾を押す、しぼる、たたむといった動きは生活動作にもつながります。
府中教室の人気療育プログラム紹介でも、ぞうきんがけのような体を使う活動を取り上げています。
空のペットボトルに水を入れて持ち上げる運動は、家庭でできる力加減の遊びです。水の量を変えることで重さを調整できるため、お子さまの年齢や体力に合わせて取り入れやすい活動です。
最初は少ない量から始め、両手で持つ、胸の前まで持ち上げる、右から左へ持ち替える、床に置くという流れで取り組みます。この動きでは、腕の力だけでなく、体をまっすぐ保つ力も使います。
重さに合わせて力を入れる経験は、固有覚を使う活動になります。「重いね」「軽いね」「ゆっくり置けたね」と体の感覚を言葉にして伝えると、子どもが自分の力加減に気づきやすくなります。
ペットボトルを落とすと足に当たることがあるため、足元に注意し、ガラス製の容器は避けてください。水の量は、必ずお子さまに合わせて調整します。
ジャンプ遊びは、足で床を押す力、体を持ち上げる力、着地で踏ん張る力を使います。着地の衝撃を感じることは、体の位置や力の入り方を知る経験にもなります。
家庭では、柔らかいマットの上で小さく跳ぶところから始めます。両足をそろえてその場で跳ぶ、線をまたいで跳ぶ、クッションをまたいで跳ぶというように、少しずつ動きを変えます。
ソファを使う場合は、上で軽く弾む程度にし、高いところから飛び降りる遊びにはしません。着地で膝が大きく崩れる、体が前に倒れる、怖がって固まる場合は、無理に続けず、つま先立ちや膝の曲げ伸ばしから始めます。
「ドスンと落ちる」よりも、「ピタッと止まる」ことを遊びにすると、体を安定させる力につながります。
転びやすさや姿勢の崩れには、目で見た情報に合わせて体を動かす力も関わります。ボールを見て手を出す、障害物を見てまたぐ、狭い場所に合わせて体の向きを変えるといった動きは、目と体の連携が必要です。
家庭でできる遊びの中にも、見る力と体の動きをつなげる運動療育を取り入れられます。
柔らかいボールを使ったキャッチボールは、目と手の連携を育てる遊びです。最初は近い距離で、胸の前にゆっくり投げます。
ボールを受け止めることが難しい場合は、転がしたボールを止める、両手で抱える、大きなボールを使うところから始めます。慣れてきたら、距離を少し広げる、左右に少しずらして投げる、バウンドさせて取るなど、段階を変えます。
キャッチができたかだけでなく、ボールを見る、手を出す、体の向きを変えるといった動きを見て声をかけます。室内ではスポンジボールや布製のボールを使うと安全に行いやすくなります。
「何回連続で取れるかな」と遊びにすると、集中して取り組みやすくなります。
段ボール、椅子、布団、テーブルの下などを使って、家庭でもトンネルくぐりができます。狭い場所をくぐるときは、自分の体の大きさを感じ、頭や肩、背中、膝の位置を調整します。
この経験は、空間認識力や体の使い方につながります。最初は広めのトンネルから始め、慣れてきたら少し低くする、曲がり道を作る、途中にぬいぐるみを置いて取るなど、遊び方を変えます。
お父さんやお母さんが腕でトンネルを作り、その下をくぐる遊びも親子で取り入れやすい活動です。トンネルくぐりでは、速く進むことよりも、体をぶつけずに通る、途中で止まる、向きを変えるといった動きが大切です。
子どもが怖がる場合は、出口が見える短いトンネルから始めてください。
カラーボールや積み木を使って、「赤いボールを取って」「丸いものを持ってきて」「青を2つ集めて」という声かけを行う遊びです。この遊びでは、見る、聞く、判断する、体を動かすという流れを使います。
ただ色や形を覚えるだけではなく、目で見た情報に合わせて体を動かす経験になります。最初は一つの指示から始め、慣れてきたら「赤を取ってから箱に入れる」「三角を2つ持ってくる」というように、動きを組み合わせます。
制限時間を短くしすぎると焦りやすいため、最初はゆっくり取り組める時間を作ります。動きながら判断する経験は、園生活や遊びの中で周りを見て動く力にもつながります。
家庭での運動療育は、一度に長く取り組むよりも、生活の中で短く続ける方が定着しやすくなります。
お子さまの気分や体調によって、できる日とできない日があるため、毎日同じ内容をこなすことよりも、保護者さまが無理なく取り入れられる形にすることが大切です。
運動あそびでは、結果だけでなく動きの中にある成長を見つけて伝えます。
「できたね」だけではなく、「足を上げて止まれたね」「ゆっくり歩けたね」「ボールをよく見ていたね」「最後まで進めたね」と具体的に伝えると、子どもは何がよかったのか分かりやすくなります。
転びやすい子どもや姿勢が崩れやすい子どもは、体を動かす場面で失敗を経験しやすいことがあります。そのため、小さな成功に気づいてもらえることが自信になります。
家庭での声かけは、運動への苦手意識を減らす大切な関わりです。
家庭で続ける運動療育は、毎回長く行う必要はありません。朝の支度の前に片足立ちを3秒、夕食前に線の上を歩く、寝る前に布団の上でゴロゴロ転がるというように、生活の中に短く入れる形で十分です。
「運動療育の時間を作らなければ」と考えると負担になりやすくなります。歯みがきの前、入浴前、着替えの前など、毎日の流れに入れると続けやすくなります。
ゆめラボ府中教室では、療育の中で見られたお子さまの様子を保護者さまと共有し、家庭で取り入れやすい関わり方も一緒に考えています。
家庭と教室で様子を共有すると、お子さまの変化を見つけやすくなります。
子どもが運動あそびを嫌がるときには、難しすぎる、怖い、疲れている、失敗したくない、音や揺れが苦手、見通しが持てないなど、さまざまな背景があります。嫌がっているのに続けると、運動そのものへの苦手意識が強くなります。
その場合は、距離を短くする、支えを増やす、道具を変える、回数を減らす、見るだけにするなど、遊び方を変えます。片足立ちが嫌なら両足でつま先立ちをする、ボールキャッチが嫌ならボールを転がして止める、トンネルが怖いなら布を外して広い道から始めるなど、入り口を変えることで子どもが安心して体を動かせる場面が増えます。
子どもがよく転ぶ、姿勢が崩れる、椅子に座っていると体が傾く、ジャンプやボール遊びを嫌がる。このような姿が続くと、家庭だけで様子を見てよいのか、児童発達支援に相談した方がよいのか迷うことがあります。
ゆめラボ府中教室では、お子さまの体の使い方、感覚の受け取り方、遊びへの入り方、集中しやすい環境を見ながら、一人ひとりに合った個別療育を行っています。
運動療育は、体を鍛えるためだけのものではありません。姿勢を保つ力、見る力と動く力の連携、力加減、安心して挑戦する気持ち、できた経験を積み重ねることまで含めて、お子さまの育ちを支える活動です。
家庭でできる運動あそびを取り入れても、転びやすさや姿勢の崩れが続く場合、園生活や日常生活で困りごとが出ている場合は、早めに相談してみてください。
ゆめラボ府中教室では、見学やご相談を受け付けています。「うちの子の場合は、どんな運動あそびから始めればよいのか」「家庭での関わり方を知りたい」「児童発達支援の利用を考えたい」という方は、お気軽にお問い合わせください。
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