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療育コラム

2026.09.20

食べ物を口の中にため込む子は発達障害と関係ある?飲み込まず残す理由と食事で確認したいこと

 

食事中、口に入れたごはんやおかずをなかなか飲み込まず、頬の内側にためたままになっている。食事が終わったと思ったら、口の中から食べ物が出てきた。このような様子が続くと、「どうして飲み込まないの?」「発達障害と関係があるのかな」と気になることがあります。

 

食べ物を口に入れてから飲み込むまでには、口の中で食べ物を動かす、噛む、飲み込みやすい状態にまとめる、舌を使って奥へ送るといった動きがあります。そのため、食欲があって自分から食べていても、口に入れたあと、噛んだり飲み込んだりするまでに時間がかかる子がいます。

 

また、「食べ物をため込む」といっても、どの食べ物でも残すのか、肉や野菜など特定の硬さ・食感だけなのか、噛み続けているのか、ほとんど噛まずに残しているのかによって見方は変わります。

 

このページでは、児童発達支援事業所ゆめラボの視点から、食べ物を口の中にため込むことと発達障害との関係、飲み込まない理由、食事中に確認したい様子、小児科や歯科、言語聴覚士などへ相談する目安について解説します。

食べ物を口の中にため込むのは発達障害と関係ある?

 

食べ物を口の中にため込む様子は、発達障害のある子どもにも見られることがあります。

しかし、「食べ物をためる=発達障害」ということではありません。

 

食べ物の硬さや一口量、噛み方、飲み込み、口の中の感覚など、複数の要因が関係します。

まずは発達障害かどうかを考える前に、口へ入れたあとに何が起きているのかを見てみましょう。

食べ物をため込むだけで発達障害とは判断できない

口の中に食べ物を長く残すという一つの様子だけで、発達障害と判断することはできません。

 

噛む経験がまだ少ない、硬い食べ物を細かくするのに時間がかかる、一口の量が多すぎるなど、発達障害とは別の理由でも食べ物が口の中に残ることがあります。

 

大切なのは、「ため込む」という結果だけを見るのではなく、口に入れたあとに噛んでいるか、いつも左右どちらか一方だけで噛んでいないか、飲み込むまでどのくらい時間がかかるか、むせていないかなどを合わせて見ることです。

発達障害のある子どもの一部では噛む・飲み込む動きに苦手さが見られることがある

発達障害のある子どもの一部では、口の中で食べ物を動かすことや、噛んで飲み込みやすい状態にすることに苦手さが見られる場合があります。

 

特にASDのある子どもでは、口の中の感覚や、食べ物を口の中で動かすこと、食感への反応などに特徴が見られることがあります。

ただし、表れ方には個人差があり、ASDのあるすべての子どもに食事の困りごとがあるわけではありません。

 

食べ物をため込むことに加えて、発音、よだれ、食事中のむせなども気になる場合は、口の動きや食べる・飲み込む様子を合わせて確認します。

偏食とは別に「口に入れたあとの食べ方」を見ることが大切

偏食と食べ物のため込みは、同じ食事の困りごとでも見るポイントが異なります。

 

偏食では、「特定の食べ物を口に入れない」「決まった食感しか食べない」など、何を食べられるかが大きなポイントになります。

一方、今回のため込みでは、食べ物を口へ入れたあと、どのように噛んで飲み込んでいるかを見ます。

 

好きな食べ物でも口の中に残るのか、苦手な食材だけ残るのかによっても見方は変わります。

 

食べられる食品の種類そのものが限られている場合は、子どもが同じものしか食べないのは発達障害?偏食への対応も参考にしてください。

子どもが食べ物を口の中にためて飲み込まないのはなぜ?

 

子どもが食べ物を口にためる理由は一つではありません。

噛むことに時間がかかっている場合もあれば、食べ物が口の中に残っていることに気づきにくい場合、一口の量や食べ物の硬さが合っていない場合もあります。

 

食事中の様子を見ながら、「噛めていないのか」「噛んでいるけれど飲み込めないのか」「飲み込んだつもりでも口の中に残っているのか」を分けて考えます。

食べ物をうまく噛んで飲み込みやすくすることが難しい

固形物は、口に入れたあとに歯で噛み、舌や頬を使って口の中で動かしながら、飲み込みやすい状態にしていきます。

 

噛む回数が少ない、同じ場所だけで噛み続ける、食べ物を舌でうまく移動できない場合には、飲み込める状態になるまで時間がかかり、口の中に食べ物が残りやすくなります。

 

たとえば、やわらかいごはんは比較的すぐ飲み込めるのに、肉や繊維のある野菜になるといつまでも口に残るのであれば、その食材を噛んで処理することに時間がかかっている可能性があります。

口の中に食べ物が残っていることを感じにくい場合がある

私たちは、口の中のどこに食べ物があるかを感じながら、舌や頬を動かして食べ物を集め、飲み込んでいます。

 

子どもの中には、頬の内側などに少量の食べ物が残っていても気づきにくく、そのまま次の一口を食べようとする子がいます。

食感によっては、必要以上に長く噛み続ける様子が見られることもあります。

 

食後になって頬の内側から食べ物が出てくる、口の片側だけに残りやすいといった場合は、食べ終わったあとの口の中にも注目してみましょう。

一口の量や食べ物の硬さがその子に合っていないことがある

一度に口へ入れる量が多いと、食べ物を十分に動かしたり噛んだりすることが難しくなります。

自分で次々と口へ入れて頬が膨らむほどため込む子もいれば、一口量が多いことで飲み込みまで時間がかかる場合もあります。

 

また、同じ年齢でも食べやすい硬さや大きさは一人ひとり違います。

特定の硬さや大きさの食べ物だけ残りやすい場合は、どの硬さや大きさで残りやすいかも見てみましょう。

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食べ物を口にため込む子の食事で確認したいこと

 

食べ物のため込みが気になるときは、「飲み込んで」と何度も声をかける前に、食べているときの口や顎の動きを見てみます。

食べ物の種類、噛み方、飲み込み方、食事にかかる時間などを見ることで、どの段階で時間がかかっているのかが分かりやすくなります。

どの食べ物でもためるのか特定の硬さ・食感だけなのかを見る

まず確認したいのは、どの食べ物でも口にためるのか、それとも特定の食べ物だけなのかという違いです。

 

ごはんや豆腐などは飲み込めるのに、肉や葉物野菜だけ長く残るのであれば、噛み切ったり細かくしたりする必要がある食材で時間がかかっている可能性があります。

反対に、まとまりにくい食べ物で時間がかかる子もいます。

 

「食事のたびにためる」とまとめず、何を食べたときに起こりやすいかを見ると、ため込みが起きやすい条件が分かりやすくなります。

噛み続けているのか噛まずに口の中へ残しているのかを見る

同じ「口に残っている」状態でも、ずっと噛み続けている場合と、ほとんど噛まずに頬へ残している場合では様子が違います。

 

噛み続けている場合は、食べ物を細かくするまでに時間がかかっていることがあります。

反対に、口へ入れたあとに顎がほとんど動かず、そのまま残している場合は、舌や頬で食べ物を噛みやすい位置へ動かすことが難しい場合があります。

 

左右どちらか一方に偏って噛んでいないか、いつも同じ側に食べ物が残らないかも合わせて見てみましょう。

むせる・水分で流し込む・食事に長い時間がかかる様子がないか見る

口に食べ物をためることに加えて、食事中に咳き込む、むせる、何度も水分を飲んで食べ物を流し込もうとする様子がないかも確認します。

 

一食を食べ終わるまでに長い時間がかかる、途中で疲れて食べるのをやめる、食事のたびに強く嫌がるといった様子が続く場合も、食べ方について相談する目安になります。

 

また、食事中や食後に声がゴロゴロ・ガラガラした湿った感じになる、頻繁に咳き込む、体重が増えにくいといった様子がある場合は、家庭だけで様子を見続けず医療機関へ相談してください。

食べ物を飲み込まず口に残すときはどこに相談する?

 

食べ物を口にためる理由には、噛む動き、口の感覚、歯や噛み合わせ、飲み込みなど、いくつかの要因が関係します。

そのため、どのような様子が一緒に見られるかによって相談先も変わります。

 

どこへ相談すればよいか迷う場合は、まずかかりつけの小児科で食事中の様子を伝え、必要に応じて専門の診療科や専門職を紹介してもらう方法があります。

むせや飲み込みにくさが続くときは小児科などへ相談する

口に食べ物をためるだけでなく、食事中に繰り返しむせる、咳き込む、飲み込みに時間がかかるといった様子が続く場合は、小児科などへ相談します。

 

特に、食事中に呼吸が苦しそうになる、食後に声がゴロゴロ・ガラガラした湿った感じになる、体重が増えにくい、食事に極端に時間がかかる場合には、食べる量だけでなく飲み込みの状態も確認してもらうことが大切です。

 

急に食べ物を詰まらせ、声が出ない、呼吸ができない、顔色が悪くなるといった場合は、すぐに119番通報し、窒息への応急手当が必要です。

噛む動きや歯並び・口の機能が気になるときは歯科へ相談する

硬い食べ物をほとんど噛めない、いつも片側だけで噛む、歯並びや噛み合わせも気になる場合は、歯科へ相談できます。

 

歯科では歯そのものだけでなく、噛み合わせや、年齢に応じた噛む・飲み込むなどの口腔機能について相談できる場合があります。

 

食べ物を口にためることに加えて、よだれが多い、口がいつも開いているといった様子もある場合は、子どものよだれが多い・口がいつも開いているときの発達障害や口呼吸との関係も参考にしてください。

食べる・飲み込む動きに困りごとがあるときは言語聴覚士などへの相談も考える

言語聴覚士は言葉や発音だけではなく、勤務先によっては子どもの食べる・飲み込む機能についても評価や支援を行います。

 

口の中で食べ物を動かしにくい、噛んでもなかなか飲み込めない、食事中のむせが続くなどの場合は、摂食・嚥下を扱う言語聴覚士がいる医療機関や施設へ相談する方法があります。

 

食べ物を口にためる原因は一人ひとり異なるため、家庭で口の体操や飲み込みの練習を自己判断で始めるのではなく、むせや飲み込みにくさがある場合は、摂食・嚥下を扱う医療機関や専門職へ相談しましょう。

まとめ|食べ物を口にため込むときは発達だけでなく噛む・飲み込む様子も見よう

 

食べ物を口の中にため込んで飲み込まないからといって、それだけで発達障害と判断することはできません。

 

発達障害のある子どもの一部では、口の感覚や噛む・飲み込む動きに苦手さが見られることがありますが、一口の量、食べ物の硬さ、歯や噛み合わせなど発達以外の理由が関係する場合もあります。

 

食事では、どの食べ物をためるのか、噛んでいるのか、口のどこに残るのか、むせや水分での流し込みがないか、食事にどのくらい時間がかかるのかを見てみましょう。

 

むせや飲み込みにくさが続く場合は小児科、噛む動きや歯並びが気になる場合は歯科、食べる・飲み込む機能について詳しく見てもらいたい場合は、摂食・嚥下を扱う言語聴覚士などへ相談できます。

 

児童発達支援事業所ゆめラボでは、食べられる食品の種類だけではなく、口に入れたあとの噛み方や飲み込み方、食事にかかる時間、日常生活の中で困っていることなども見ながら個別療育を行っています。

食事の様子とあわせて発達面にも気になることがある場合は、お近くのゆめラボへご相談ください。

 

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